家出・所在調査
行方不明者調査ついて
家出、失踪、蒸発等で行方不明になった人を探したい場合、どのような状況で行方不明になったのか等によって調査の方法や範囲が変わってきます。
行方不明者の調査について、以下でご説明致します。
家出・失踪・蒸発について
2018年6月に警察庁生活安全局生活安全企画課から公表された平成29年における行方不明者の届出受理の総数は84,850人となっています。
平成29年から過去10年の傾向をみますと、
平成20年 | 84,739人 |
---|---|
平成21年 | 81,644人 |
平成22年 | 80,655人 |
平成23年 | 81,643人 |
平成24年 | 81,111人 |
平成25年 | 83,948人 |
平成26年 | 81,193人 |
平成27年 | 82,035人 |
平成28年 | 84,850人 |
で、80,000人~85,000人の間を概ね横ばいに推移しています。
男女別で見ると、平成29年は男性が54,574人(構成比64.3%)、女性が30,276人で(構成比35.7%)となっており、過去5年間においても、男性が52,000人~55,000人、女性が28,000人~30,000人で推移しており、男女比も毎年ほぼ同じです。
年齢別だと平成29年は10代が約16,000人、20代が約17,000人で20代が多いですが、それまでは10代が最も多く、10万人当たりの人口比率では、平成29年でも10代の方が高くなっています。
殆どの年代は横ばいで推移していますが、70代以上は増加傾向にあります。
高齢者の届出が増加傾向にあるのは認知症が多いようで、平成29年は15,863人で全体の18.7%となっています。
家出・失踪・蒸発が発生した場合
まずは警察に届けることになるかと思いますが、届出を提出できる人は、
- 親権者・後見人
- 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)
- 現に監護するもの
- 福祉事務所の職員
- 上記の他、同居人、雇主その他社会生活において密室な関係を有する者
に限られていますが、⑤の密接な関係を有するものについては、同居期間、雇用期間、その他恋人期間等によっては届出が受理されない場合があります。
又、雇主の場合は、会社の関係者を装って捜索願を悪用する人から当事者を守るため、行方不明者の親族が届出を出来ない、親族等から同意を得ていないと受理されないことがあります。
届出を出す先は、行方不明者の住所地又は直前まで居住していた住所を管轄する警察ですが、届出をしようとする人が遠隔の地に居住していることやその他の事情等により、届出をする人の住居地を管轄する警察署に出すことも出来ます。
警察署に行方不明届を出しても、当事者から捜索願不受理届が出されていた場合、受理してもらうことが出来ません。
捜索願不受理届は、警察が弱者を保護する目的で設けられたものである為、誰からの届出でも受理されるものではありません。
配偶者からDVを受けており、逃げるようにして家出をしている人、ストーカー被害に遭い、犯人に居場所を知られたくない人等、自分の居場所が知られたら命が危険にさられるリスクがある人を対象にしています。
「お金がなくて夜逃げしているので、捜索願を受理しないでください」等の理由では、捜索願不受理届は受理してもらえないでしょう。
又、家出目的の未成年からの捜索願不受理届も、未成年は親の監視下に置かれる為、受理されることはないでしょう。
但し、未成年でも、虐待等で身体、生命の危険にさらされている場合は保護されることになると思います。
警察に行方不明届出が受理された後
警察に行方不明者届が受理されたからといって、警察がすぐに捜索をしてくれるわけではありません。
警察は届出がされると、「事件性があるのか」「事故なのか」「自分の意思で失踪したのか」等によって、一般家出人と特異行方不明者に分けて、捜索をするかしないかの検討を行います。
この際に、多くの方が一般家出人に分類される為、積極的な捜索が行われることはありません。
特異行方不明者とは
特異行方不明者とは、『行方不明者発見活動に関する規則』(令和元年6月21日公布(令和元年国家公安委員会規則第三号)改正・施行日:令和元年7月1日)第二条1項に、次のように定義されています。
- 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
- 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
- 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
- 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
- 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
- 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
二 の『少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者』は意味が分かりにくいですが、簡単に言うと、児童買春や児童ポルノの被害者になるおそれがある人です。
六 の『病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの』は、小学生等の子供や認知症を患っている高齢者等で、行方不明になって、どこか別の場所で、一人で生活していくことが困難で生命や身体に危険が生じる可能性があると判断される人です。
上記の様に、当事者の身体や生命に危険がある場合は特異行方不明者に分類され、速やかに捜索が行われることになっています。
特異行方不明者が成人の場合、警察が居場所を把握した場合でも強制力を行使して連れて帰ることは出来ませんが、捜索願の提出時に「生存連絡のお願い」をしておくことで、警察が発見した際には連絡が入ります。
一般家出人とは
特異行方不明者に分類されなかった人は、一般家出人となります。
当人に家出の意思があり、家出、失踪、行方不明となった場合は一般家出人に分類され、警察本部のコンピュータのデータベースに一般家出人の写真や情報等が登録されます。
基本的には積極的な捜索活動は行われませんが、日々のパトロール、少年補導、交通取り締まり、閲覧者からの情報提供等により発見されるケースがあります。
家出人が警察や情報提供者と接触する機会がなければ、見つかることはありません。
一般家出人が成人した大人の場合、自分の意志で行方不明になっている可能性もあるので、警察はあくまで捜索願が出ていることを本人に伝えるだけに留まります。
尚、警察活動を通じた行方不明者の発見活動については、『行方不明者発見活動に関する規則』の第十二条において、
『警察職員は、警ら、巡回連絡、少年の補導、交通の取締り、捜査その他の警察活動に際して、行方不明者の発見に配意するものとする。』と定義しています。
行方不明者が一般家出人の場合
前述の通り、一般家出人の場合、警察は積極的な捜査は行わず、日常の警察業務の中で発見に至った場合、連絡が入るかたちになります。
警察が積極的に動かなくても、行方不明者を探す手段の1つとして探偵業者に依頼する方法があります。
当社の所在調査では、当人が家出にいたるまでの経緯や、これまでの交友関係、普段よく立ち寄っていた場所など参考となること等、詳細にお聞きした上で、綿密な調査計画を立て、捜索に当たります。
家出の動機
家出をする動機は、ほんの些細なことが原因のものから、深刻な状況のものまで様々です。以下に家出をする前の様子で思い当たる節はございませんか?
子供の家出
- 学校でいじめに遭っていた。
- 家族とかみ合っていなかった。
- 携帯ゲームやSNSを頻繁に利用していた。
- 最近、学校や塾以外に知り合った友達や知人がいた。
- 自分専用のパソコンがある。
- 最近、帰りが遅くなっていた。
- 最近、彼氏(彼女)が出来た。または別れたようだ。
夫や妻の家出
- 最近、夫婦の会話がなかった。
- 最近、大喧嘩をした。
- 競馬・競輪・パチンコ等のギャンブルが好きである。
- 勤め先での悩みがあった。
- サラ金などに借金がある。
- 最近、浮気や不倫を問い詰めたことがある。
- 精神的に追い詰められている様な雰囲気があった。
- 金遣いが荒くなっていた。
その他
- 痴呆症、認知症である。
- 精神的な病気を患っている。
上記の例で、特異行方不明者に分類されるのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際に警察から特異行方不明者に分類されないケースもあるようです。
手がかりとなる重要な情報
実際に捜索をするに当たっては、事前情報が多いほど、捜索の方針を決めやすくなります。
以下に手がかりとなる重要な情報の例をいくつか挙げますので、参考にして下さい。
- 氏名(ニックネームや旧姓等も含む)
- 性別
- 生年月日
- 住所
- 電話番号、携帯電話番号
- 書き置きの有無(行動のヒントが隠されていることが多々あります)
- 現金所持の有無、金額
- 持ち出し品(保険証や衣類、通帳、キャッシュカード、クレジットカード、携帯電話等)
- 免許証の有無(運転免許証だけではなく、その他、資格免許の有無)
- 勤務先、学校
- 友人の住所、氏名、電話番号(失踪理由、行き先を知らせていたり後日連絡が入る可能性)
- 趣味(よく行く店など)
- 親、兄弟、親せきなどの所在
- 交際のあった異性
- 借入金の有無
上記は、ほんの一部ですが、どんな些細な事でも結構ですので、弊社の相談員にお話下さい。
御依頼者様のお話を詳しくお伺いした後、経験豊富な相談員が調査方法などを詳しくご説明させて頂きます。
家出調査は一刻を争う案件が非常に多いですので、手遅れになる前にまずはお電話下さい。
引き受けられない行方調査
探偵業法では、以下の事項に該当する場合、調査を行ってはいけないとされています。
また、調査着手後において以下の事実が判明した場合は、直ちに調査を中断しなければならないと定められています。
- 調査結果を犯罪行為に利用しようとしていることが判明した場合
- 依頼人が反社会勢力の団体に属する構成員または準ずる方である場合
- 依頼人がストーカー行為またはストーカー行為を行う恐れがある場合
- 依頼人が届出のなされたDV加害者である場合