筆跡鑑定は今後データの時代に?進化しつつある現場を紹介
筆跡鑑定という言葉を聞いたことはありませんか?手紙や文書を見て、その文字や文章の個性を見つけ出し、誰が書いたものか特定する手法です。しかし現在の筆跡鑑定は、あくまでも手書きのものを対象にしています。コンピューター全盛の時代、その鑑定方法も変わってくるかもしれません。
文字を書かなくなった現代人
皆さん、現在どのくらい文字を書いているでしょうか?ほとんど文字を書いていないという人も多いでしょう。友人や家族のやり取りはメールやLINEという人も多いはずです。仕事や勉学でレポートや資料など文書を作成する際には、パソコンを使うのが主流です。このように現代人は文字を書く頻度は以前と比較して少なくなっています。
犯罪の世界にもついても同様です。脅迫文や犯行声明、怪文書の類も手書きのものはほとんどなくなっています。パソコンにて作られた文書が主流です。となると、従来の筆跡鑑定のように手書き文字のくせを見極めるだけで誰かを特定するのは難しくなっています。そこでプリントされた文字だったり、サイバースペース上で個人を特定する方法の研究も進められています。その中で「打ちグセ」が一つ注目されています。文字そのものはプリントされた単調な文字でも、文章を見ると個人それぞれに癖があるというのです。
皆さんメールが届いたときに、最初の数文を見ただけで「あの人からのメールだな」と気づくことはありませんか?これはその人が日常的に使っている言葉や表現が、メールなどの分面でも反映されているからです。もちろんメールやデジタル文書の文面から個人を特定するためには、膨大なデータが必要です。しかし近未来の筆跡鑑定で必要であると世界的にも認識が広がっているようです。実際欧米の方ではこの手の研究がすでに進められています。さらに日本国内でも研究を始められつつあります。
もともとコンピューターサイエンスと親和性の高い筆跡鑑定
筆跡鑑定といわれると、複数の文字や文章を人の目で確認して個人を特定するイメージがありませんか?しかし現時点でもすでにコンピューターサイエンスの占める割合が大きいと言われています。筆跡鑑定の技法は現時点でも、80%以上の工程がコンピューターで処理されています。
文字や文章の特徴を数値データとして抽出します。そしてその総合成績を解析することで、同一人物の作成したものか判断します。ただし最終的にデータに基づき評価するのは人の目です。コンピューターを導入することで、より複雑かつ高度な数値の処理が可能になり、作業効率化が進んだと言われています。このように原始的な手法と思われがちな筆跡鑑定も、すでに広くコンピューターが導入されているわけです。
インターネットで筆跡鑑定できる時代
今では筆跡鑑定はネットで依頼できる時代になりつつあります。この辺を見ても、筆跡鑑定の世界もかなり進化していることがわかるでしょう。筆跡資料などのデータをメールにて添付して、鑑定してくれる研究所に送信します。するとその鑑定結果がPDFファイルにて届きます。このファイルには筆跡鑑定を行った担当者の電子署名が入っているので、正式な書類になりえます。
ネットで筆跡鑑定することで、コストカットの効果が期待できます。デジタル文書で報告書が作成されるので、紙資料を作る必要がありません。このため従来の方法と比較してよりリーズナブルな価格で依頼ができます。またネットの場合、筆跡データを添付して依頼する形になります。つまり資料の原本については手元に置いたままで依頼できるわけです。書類のやり取りをしている中で、貴重な原本が紛失してしまうといった事態も回避できます。
ネットで依頼するということは、書類をまとめて郵送する手間暇もかかりません。しかもオンライン受付は24時間実施しています。早朝でも夜間でも申し込み可能です。「できるだけ早く鑑定結果を提示してほしい」と思っている人でも満足できるでしょう。
これからの時代に求められるネット筆跡鑑定
ネット筆跡鑑定の場合、すべてのやり取りはメールにて行われます。直接対面して依頼するわけではありません。これもこれからの時代には必要なことです。新型コロナウイルスが世界的に流行していて、ワクチンが出てきていますがなかなか感染を収束する方向には至っていません。新型コロナ対策として重要なのは、できるだけ他人との接触を避けることといわれています。外部と一切接触することなく依頼できるので、感染症予防という意味でも効果が期待できます。
筆跡を使った認証システムも
カードショッピングをしたり、契約を交わしたりするときに署名をするでしょう。この筆跡の鑑定ができれば、当人が本当にサインしたかどうか判断できます。第三者によるなりすましを防ぐこともできます。実はすでに筆跡の自動認証できるシステムが出てきています。
よくタブレットで専用のペンを使って署名する方式があるでしょう。実はこの署名をした段階で本人かどうかの識別ができるのです。筆圧やペンの動く速度などの動きには個々人で癖があります。その癖をコンピューターが認識することで本人判断ができるわけです。
個人の認識の精度が上がる
他人が別人のサインの形をまねることはできるかもしれません。しかし例えば書き順や文字を書くスピードまで正確に相手の物をまねるのはまず不可能でしょう。従来の筆跡鑑定もかなり厳しくチェックされるのでまねたものでも見破られる可能性は高いです。ただ万が一従来の筆跡鑑定では見破れないほど精緻な真似でも、この手法であれば偽物であることがまずバレるでしょう。
まとめ
これからますます文書やコミュニケーションの手段として、コンピューターの利用頻度が多くなるでしょう。文字を書かなくなれば、従来の筆跡鑑定で個人を特定するのは限界があります。しかし上で紹介したようにそれぞれの文章の作成のくせを見抜くことで、次世代の筆跡鑑定の手法も研究され始めています。またタブレットへの電子署名では、文字を書く時点でリアルタイムで本人認証できるシステムも出てきています。このように筆跡鑑定の世界も、日々進化しているわけです。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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