リファレンスチェックで質問して良い内容・質問してはいけない内容とは

リファレンスチェックを検討している人の中には、質問する内容について悩んでいる人もいるのではないでしょうか。リファレンスチェックは求職者に対して何を質問していいわけではなく、質問してはいけない内容もあるので注意しなければいけません。質問内容によっては違法性を問われる可能性があるので、質問内容について事前に把握しておくことが重要です。質問内容を検討する前に、そもそも実施する目的を明確にしておく必要があります。今回は、リファレンスチェックを実施する目的、質問して良い・いけない内容について解説します。リファレンスチェックを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
リファレンスチェックを実施する目的

ここでは、リファレンスチェックを実施する5つの目的について説明します。
- ミスマッチを防ぐ
- 普段の人間性の確認
- 事前情報との整合性チェック
- 実際のスキルや経験値の把握
- 無申告の事由有無の確認
それぞれ説明します。
ミスマッチを防ぐ
求職者に対してリファレンスチェックを実施する最大の目的はミスマッチを防ぐためだといえます。企業の採用活動で求める人物像・スキルの求職者を採用した場合、教育に時間やコストを割く必要があります。事前にミスマッチを防ぐことで教育の必要性が少ない求職者を採用できるでしょう。
普段の人間性の確認
普段の人間性は面接だけでは知ることができないので、リファレンスチェックで確認をすることがあります。勤務態度やチーム内でのコミュニケーション力は面接で確認できないので、前職の上司や同僚にヒアリングして確認することになります。
事前情報との整合性の確認
職務経歴書や履歴書などの情報の詐称有無を確認できます。経歴・学歴詐称による採用を未然に防ぐ上で有効だといえるでしょう。
実際のスキルや経験値の把握
職務経歴書で前職時に従事していた業務を知ることはできますが、面接だけでは実際のスキルや経験が伴っていたかを確認することはできません。リファレンスチェックは前職の同僚や上司からヒアリングを行ない、業務遂行度合いを確認するので、実際のスキルや経験値を把握可能です。
無申告の事由有無の確認
前職のトラブルや休職に関する内容など、履歴書や職務経歴書では判明しないような内容も確認できます。これらの情報は採用側にとって把握しておきたい内容ですが、求職者が自ら伝えることはほぼありません。リファレンスチェックであれば、これらの情報を求職者に知られることなく確認できるでしょう。
リファレンスチェックで質問して良い内容

ここでは、リファレンスチェックで質問して良い3つの内容ついて説明します。
- 勤務状況
- 人間性
- 職務能力
それぞれ説明しますね。
勤務状況
求職者の前職での在籍期間や経歴など、勤務状況に関する情報は質問して内容となります。勤務状況を質問するのは職務経歴書での経歴詐称の有無を確認するためであり、リファレンスチェックで確認することがほとんどです。前職での勤務状況に相違がある場合、そもそもの応募条件に合致してないこともあります。前職での勤務状況を質問するのは、従事していた業務内容を確認目的でもあるので、実施前に求職者の実績などを把握しておく必要があります。
人間性
勤務態度や人間関係など、求職者の人間性に関する内容は面接だけでは計り知れない情報なのでリファレンスチェックで確認することになります。企業によってはチームで業務に従事することもあるので、職場内でのコミュニケーションが重要になることもあります。前職での人間性を質問するのは周囲とのコミュニケーション具合や仕事への姿勢を確認するためであり、一緒に働く際のイメージを抱くために聞くことがほとんどです。
職務能力
リファレンスチェックでは前職での職務能力に関する質問は認められています。これは面接時の虚偽による過大申告の有無を確認するために聞く内容であり、ミスマッチ防止の効果もあります。リファレンスチェックで得られない情報との整合性が取れない場合、求職者の職務能力について虚偽申告の可能性を示唆されるでしょう。
リファレンスチェックで質問してはいけない内容

求職者に関する情報をなんでも聞いていいわけではなく、採用に必要な情報の取得のみ認められています。求職者の同意があったとしても、差別につながりかねない情報を取得してはいけないので注意しなければなりません。ここでは、リファレンスチェックで質問してはいけない2つの内容について説明します。
- 本人の能力に無関係な内容
- 自由であるべき内容
それぞれ説明します。
本人の能力に無関係な内容
本人の能力に無関係な内容は、内容次第では質問してはいけないことになります。出身地や家族に関する内容は本人の能力に無関係であり、差別につながる可能性があります。本人の能力に無関係な内容が差別につながる場合、違法性が問われる可能性が高いです。生まれ持った生活環境なども本人の能力に無関係な内容なので、リファレンスチェックで質問してはいけない内容だといえます。
自由であるべき内容
リファレンスチェックでは自由であるべき内容については質問してはいけないとされています。自由であるべき内容はさまざまであり、本人の思想に関わる「信仰心」や「宗教」などが挙げられます。これらは価値観や思想に関わる内容であり、侵害することでプライバシー侵害になりかねません。プライバシー侵害によって違法性が問われる可能性があるので、質問してはいけない内容だといえるでしょう。
まとめ
リファレンスチェックをするのは求職者とのミスマッチを防ぎ、普段の人間性の把握など5つの目的があります。採用側にとって履歴書や職務経歴書、面接では知り得ない情報もあるので安心してこれらの情報を入手可能です。質問して良い内容は本人の能力に関係あるないようであり、「勤務状況」「人間性」「職務能力」などが挙げられます。また本人の同意を得ていても、差別につながりかねない情報を取得してはいけないので注意しなければなりません。本人の能力に無関係であり、自由であるべき内容は質問してはいけない内容だといえます。