中途採用者に対する素行調査は必要？気になる点について解説
中途採用者の場合、採用選考時に素行調査を実施するという企業もあります。素行調査を実施することで、企業側は応募者の普段の様子を知ることができるのです。素行調査を実施する企業は、素行調査のメリットや注意点を知っておく必要があります。こちらの記事では中途採用者に対する素行調査を検討する企業が知るべきメリットや注意点、調査実施の流れについてまとめました。
中途採用者を素行調査するメリット
企業が採用選考を行う際には、それなりの経費がかかります。経費をかけても企業にとってプラスとなるような人材を採用したい、それが後に利益につながっていくようにしたいと考えているわけです。しかし、せっかく採用した人材が早々と退職してしまったら困ります。そのようなことを防止するというのが素行調査を実施するメリットなのです。以下で詳しく解説します。
経歴などの真偽を確認できる
素行調査を実施することで、面接や応募書類で得た情報に嘘がないかを確認できます。面接や履歴書を見ると、応募者のこれまでの経歴や学歴、保有資格などの基本的なことは知ることが可能です。しかし、応募者が面接や履歴書などにおいて嘘をつく可能性は低いでしょうが、ゼロではありません。そこで素行調査を実施することにより、応募者が嘘をついていないか、伝えられた情報に間違いがないかなどを確認できるというわけです。その他、素行調査では面接や履歴書などではわからない人柄や普段の様子も知ることができます。これらは普段の業務をスムーズに進めるために必要な要素ですので、知っておいて損はないでしょう。
ミスマッチを防ぐ
企業にとっての大きな課題として、ミスマッチがあります。企業が求めているものに中途採用者が合っていないとなると、思ったような戦力になってもらえないという問題が起こるのです。自分に合っていない職場で働き続けることは難しいことですから、早期退職の原因ともなります。企業としてはなるべく長く働いてもらいたい、即戦力になってもらいたいと考えるものですから、採用する前に応募者の適性がわかっているといいのです。そこで素行調査を実施すれば、応募者の適性がわかり、ミスマッチを減らすことができるということになります。
中途採用者の素行調査で気になる点
中途採用者の素行調査は、企業にとってメリットが大きいものだということはわかります。しかし「人のことを調べる」という行為はデリケートな問題を抱えているのです。企業の人事担当の人はその問題について必ず知っておくべきでしょう。こちらでは素行調査における問題について紹介していきます。
自力で調査できるのか
企業内の採用担当者が自ら応募者の調査をできるのか、ということですが、はっきり言って難しいです。そこには調査の難しさと調査にかかる時間が関係しています。これまで調査をしたことがない素人が、個人のことを調べるというのは危険です。有益な情報を得ようとするあまり、無理な行動を起こして、最悪違法行為をしてしまう可能性があります。また調査にはそれなりの時間が必要です。調査する人数によっては調査する時間もかなりかかってしまい、本来の業務に支障をきたすこともあるかもしれません。このようなことから自力で調査するというのは現実的ではないと言えるのです。
素行調査自体が違法ではないか
素行調査自体は違法ではありません。しかし調査方法を誤ると違法になることがあります。例えば、誰かとの会話を聞くために盗聴器を仕掛ける、またそのために勝手に自宅などに侵入するなど、行き過ぎた行為は違法となる可能性が高いです。また調査で得られる情報についても注意しなくてはなりません。応募者が立ち寄った場所や接触した人物などの情報を第三者に洩らすようなことがあれば、こちらも違法となる可能性があります。
かかる費用はどのくらいか
実際に中途採用者の素行調査を行うとして、かかる費用は一般的に8万円程度と言われています。ただし、調査対象の人数や調査内容などでかかる費用は変わってくるのです。なるべく費用を抑えたいという場合は、調査する人数を絞る、調査内容を厳選するなど工夫が必要になります。
中途採用者を素行調査する際の流れ
中途採用者に対する素行調査にはメリットも注意すべき点もあります。その全てを踏まえて調査することを決定したのなら、今度は具体的に行うことを知っておきましょう。
情報をまとめて調査会社に依頼
やることは大きく分けて3つあります。
- 応募者の基本的な情報をまとめる
- 調査の目的、調べてもらいたい事柄をまとめる
- 調査会社に見積もりを依頼する
応募者の基本的な情報とは、名前や住所、顔写真、身体的な特徴、現在の勤務先や前職など、面接や応募書類などで得た情報です。また調査の目的は、例えば「人柄を知りたい」「情報の真偽を知りたい」というようなことで、明確にまとめ伝えます。この時、調査したい内容が差別や偏見につながる可能性があるものですと、調査を断わられる可能性がありますので目的や依頼内容については注意しましょう。情報がまとまり次第、調査会社に持っていきますが、その場で依頼すると決めなくても大丈夫です。情報を持っていく人に依頼の決定権がなければ契約はできませんし、予算の都合で検討したいということもあるでしょう。ですから、とりあえず具体的な内訳がわかるような見積もりを出してもらうと安心です。
リファレンスチェックの検討も
応募者の同意を得て、前職の上司などに能力や勤務状況などを聞き取るのがリファレンスチェックです。調査を行うポイントが限られているので、費用が抑えられる可能性があります。外資系企業などでは一般的に行われている調査であり、調査会社に依頼も可能です。応募者の同意を得られなければ実施できませんが、検討はしてみてもいいかと思われます。
まとめ
中途採用者に対する素行調査が必要か否かは、企業ごとの考え方によります。必須というわけではありませんが、ミスマッチを防ぐ、情報の真偽を確認できるなどのメリットがあるので検討の余地はあるでしょう。ただし調査の素人がやろうとすると、違法行為につながる危険性がありますので調査会社に依頼することをおすすめします。そのために調査目的や内容、基本的な情報をしっかりまとめておきましょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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