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探偵コラム

素行調査で犯罪歴を調べことは可能か?詳しくご紹介

犯罪歴は、秘匿性の高いプライバシー情報のため、厳格に管理・運用されています。
「犯罪人名簿」は、本人の本籍地または入・寄留地の市区町村役場に備えられ、非公開です。
行政上の資格制限確認のためのものであり、関係官庁などが法令の適用のために必要な場合を除き、内容を外部に通知することはありません。
また、「犯歴票」は、本人の本籍地の検察庁に備えるもので、罰金よりも軽い刑も記入されており、復権のときはその旨を逐次記入します。
警察庁鑑識課では、懲役・禁錮受刑者の記録を指紋原紙の形で保管しています。
これらの情報は、本人であっても照会できません。
照会する権限がある官公庁の職員であっても、個人の犯罪経歴を調べたり、外部に漏らすことは許されません。これらの情報を外部に漏らせば、厳しく処分されます。

会社の経歴調査

採用活動において経歴等の確認は、応募者の履歴書や面接によって行います。
応募者本人に質問して正直に応えてもらえれば、採否の判断材料とすることができます。
しかし、履歴書や面接のあいまいな答えから生じる疑念を解決する場合、前職調査や身元調査を外部専門会社に委託することがあります。
これにより、応募者の実像がより確実に炙り出され、採用後の労務トラブルが起こるリスクを軽減することができます。

「採用の自由」について

採用の自由は、人を雇用する企業(使用者側)が、雇用契約を結ぶときに認められる契約の自由です。
採用の自由は、雇用契約の「入口」については、使用者側に裁量があることを示しています。
具体的な内容には、次のものが含まれます。

  • 採用人数を決定する自由(もしくは採用しない)
  • 選択の自由(選択基準)
  • 契約締結の自由(契約の有無)
  • 調査の自由(面接時の質問、採用調査などの方法)

犯罪歴の調査について

テレビや新聞などで実名報道された事件については、過去の新聞などを調べて犯罪歴の情報を得ることは物理的に可能です。
過去の新聞は、国会図書館や新聞社の有料の記事データベースサービスなどを利用すれば検索可能です。
インターネット上で、テレビ局・新聞社のニュースサイトに掲載された記事は、一定期間が経過すると削除されます。
しかし、削除の前にSNSなどで広く拡散された場合は、半永久的に残る可能性は高く、犯罪情報を得られる可能性はゼロではありません。
ただし、ある特定の人物の犯罪歴について、情報を得るのは時間や費用の問題から現実的ではありません。
よほどの目的や大きな事件でない限り、一般人や企業が情報を得ることは考えにくいといえます。
会社が社員を採用するにあたり、対象者の犯罪歴や破産歴を確認する方法として、以下の方法が考えられます。

  • 履歴書の賞罰欄の確認
  • 採用面接の際の質疑応答

犯罪歴や破産歴は、応募者に対しての社会的差別の原因となる可能性があります。
そこで、犯罪歴や破産歴の確認は、無制限に認められるものではありません。
応募者の担当する業務との関係上、犯罪歴や破産歴の有無を確認することが必要な場合に限定して認められています。
前科は、会社が従業員として採用するかどうかを決める重要な判断材料になるためです。
一方、応募者は、会社が採用段階において「労働力評価に関わる事項」、「当該会社・職場への適応性等に関する事項」については、必要で合理的な範囲で申告を求めた場合には、真実を告知する義務があります。
履歴書に賞罰欄があれば、前科について記載する義務があります。

犯罪歴のある人物について

もし、応募者に犯罪歴がある場合、それが重大であったり奇異であれば、普通の企業は採用を敬遠します。
企業からの質問に対し、常に犯罪歴の有無を回答しなければならないとすれば、罪を犯した人は永続的に社会から排除されることになってしまいます。
そのため、企業の「採用の自由」と罪を犯した人の「社会への再統合」とのバランスの取るため、「消滅前科」という考え方があります。

刑の消滅

 刑法34条の2第1項は、 
「禁錮以上の刑の執行を終わり、又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり、又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。」
と規定しています。
「消滅前科」とは、刑の執行を終わってから何事もなく10年を経過すれば、法律上、前科のない人と同じように取り扱われることをいいます。

刑の消滅の要件

  1. 執行猶予のついた懲役・禁固刑
    執行猶予を取り消されることなく、猶予期間を経過したときに、刑が消滅します。例えば、猶予期間が8月3日までの場合、翌日の8月4日に刑が消滅します。
  2. 執行猶予のつかない懲役・禁固刑(実刑)
    刑の執行が終了したときから、罰金以上の刑が確定することなく10年を経過したときに刑が消滅します。
  3. 罰金刑
    刑の執行が終了したときから、罰金以上の刑が確定することなく5年を経過したときに刑が消滅します。「刑の執行が終了したとき」とは罰金を納めた日のことです。

しかし、刑が消滅しても前科が消えるわけではありません。
前科とは「過去に有罪の裁判を受けた事実」を意味します。
刑が消滅したとしても、そのような事実自体がなくなるわけではないからです。
刑が消滅した後に、別の犯罪を起こして刑事裁判になった場合に、消滅した刑に対応する前科を量刑の資料とすることも許されています。
経歴詐称等で前科の不告知が問題になった裁判例の中には、会社が前科を聞くことは問題ないが、消滅前科まで告知しなければならないわけではないという判例もあります。

マルヤタクシー事件【仙台地裁昭60.9.19労働判例459-40】

タクシー乗務員として採用されるにあたり、刑の消滅した前科を秘匿し、また職歴にも3ヶ月間の稼働期間の違いがあった事案です。
判決では、「前科」は賞罰欄に記載すべきであるが、刑の消滅した前科については、その存在が労働力の評価に重大な影響を及ぼす特段の事情がない限り、告知すべき「信義則上の義務」はなく、また、3ヶ月間の職歴の稼働期間の違いでは、労働力評価を誤らせるということはできないとして、解雇を無効としました。

まとめ

日本での犯罪歴(前科)の情報は、警察が管理しており調査そのものが困難です。
会社は、採用後に犯罪歴(前科)を知っても、それを理由に解雇することはできません。
採用前に犯罪歴を知りたい場合は、「賞罰欄」がある履歴書を提出してもらう方法がありますが、賞罰欄に記載する「罰」とは、裁判で有罪判決が出されたものを指しています。
執行猶予の期間が経過したものや、すでに刑の執行を終えて10年以上経過しているものは犯罪歴として記載する必要はありません。これにより、履歴書に記載がなくても「経歴詐称」には該当しないことになります。

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