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探偵コラム

盗まれた!は警察、盗まれたかも?!は探偵にお願いしよう

身の回りでトラブルが起きてしまったとき、警察に相談するべきなのか、それとも探偵に依頼するべきなのか、判断が難しいケースがあります。
ケースによって、どこに相談すれば良いのかを把握していないと、警察に相談してもなかなか捜査に踏み切ってもらえなかったり、高い費用を支払って探偵に依頼しても、トラブルを解決できないということにもなりかねません。
そこで、警察と探偵の依頼ケースについて解説します。

トラブルの違いで相談先を考える

警察と探偵の大きな違いが、扱うトラブルの内容です。
基本的には、警察は「刑事事件」、探偵は「民事事件」を扱います。
刑事事件とは、殺人、傷害、窃盗、詐欺などを始めとする犯罪を疑う事件をさします。
法律では、刑事事件に該当する犯罪者に対して、その被害者が私的な制裁を行うことはできません。
そのため、被害者に代わって法律に則り国が、犯罪者に刑罰を科します。
このとき、国の捜査機関として警察が介入することができます。
また、刑事事件では、個人と国が裁判で争うのに対して、民事事件では、基本的に私人同士でトラブルを解決します。
警察には「民事不介入」という原則があるため、民事事件での捜査を行うことができません。
民事事件は、離婚や遺産相続などの家族間の問題、交通事故による損害賠償などのトラブルをいいます。
そして、民事事件の調査を行うのは、探偵・興信所の業務になります。

警察の捜査対象

  • 殺人、傷害事件
  • 窃盗事件、強奪事件
  • 交通事故
  • 行方不明者の広域捜査
  • 詐欺、恐喝
  • 薬物事件
  • 性犯罪
  • 組織犯罪

警察には、刑事事件での捜査を行う法的権限があるため、強制処分に踏み切ることも可能です。
強制処分の1つに、「逮捕権」があります。
現行犯であれば、一般人でも逮捕をすることが可能です。
しかし、それ以外でのケースで犯罪者を逮捕することができるのは、警察などの「逮捕権」を持った機関に限ります。
また、犯罪の証拠を確保するための家宅捜索や差し押さえなどの手段も強制処分になります。
このようにして、警察は法的権限を用いて犯罪や事故の捜査・取締を行っています。
しかし、警察は犯罪の疑いがないと捜査することができないため、捜査の依頼があった場合、事件性や犯罪の証拠の有無を確認する必要があります。
そのため、実際に捜査を開始するまでに時間がかかってしまうことが多く、
例えば、ストーカー被害が最終的に殺人事件へと発展してしまうケースもあり、警察の初動の遅さが問題視されることもあります。
ストーカーによる被害は、民事事件と刑事事件のどちらにも当てはまり、その判断が難しいことが原因ともいえます。

探偵の調査対象

  • 恋人や夫婦の浮気調査
  • 家出や失踪者など人探し
  • ストーカーやいじめ、いやがらせなどの実態調査
  • 盗聴器や盗聴カメラの発見、撤去
  • 婚約者や社員の素行調査
  • 企業の情報漏えいや産業スパイの特定

探偵の調査は、法的権限を有しているわけではありません。
しかし、探偵は警察に出来ない、事件が起きる前や犯罪の証拠の有無にかかわらず、探偵業法によって認められた、尾行、張り込み、聞き込みなどの調査が可能です。
探偵への依頼の多くは、浮気調査や素行調査、人探し調査などの強制処分を必要としない調査活動になります。

探偵への調査依頼

警察は、犯罪の有無について調べてくれるわけではないため、依頼者側が犯罪の証拠を警察に示さなければなりません。
そのため、刑事事件でありながらも犯罪の証拠が不十分などで、警察に捜査してもらえない場合は、探偵に調査を依頼することが必要です。
探偵には、警察のような強制処分を用いた捜査はできませんが、探偵業法で認められた調査方法であれば、刑事事件の調査を依頼することもできます。
探偵に依頼し、犯罪の証拠を集めることで、警察の捜査を早められることもあります。

ストーカー事件

ストーカー事件は、恋愛のもつれなどの人間関係トラブルとして、民事と考えられますが、殺人や重大な傷害事件などに発展することもあり、最近では警察も「警告」などで動いてくれる場合があります。
しかし、動いてもらうためには証拠が必要です。
メールや、電話であれば被害者自身で記録をとることができますが、つきまとい行為などは、自分で立証することが困難です。そのような場合、探偵に依頼することで、客観的な証拠を集めることが可能です。

イジメや嫌がらせ

最近、探偵の依頼ケースとして増えているのが、イジメや嫌がらせの調査です。
特に、イジメは暴力行為などが潜んでいても、生徒同士の喧嘩と甘く見られがちで、学校が隠蔽しする傾向もあるため、事件が表面化せず警察が動くのは事件が起きてからになることも少なくありません。
文部科学省が2020年に発表した「2019年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、イジメの認知件数は過去最多の61万2,496件となっています。
また、インターネットの発展などで、低年齢化しており、小学校低学年でのイジメも増加傾向にあります。
また、イジメは子供社会だけでなく、大人の社会にも起きているものです。
子供のイジメにしても、大人のイジメにしても、学校や会社は「見て見ぬふり」をする傾向にあるため、イジメの証拠を自力で掴む必要があるとも言えます。

盗聴器・盗撮カメラの発見

盗聴や盗撮は、立派な犯罪です。
しかし、警察が盗聴器や盗聴カメラを探すことはありません。
警察は、盗聴器や盗聴カメラが仕掛けられていることが発覚した後に、その犯人探しや逮捕に動くことになります。
探偵が、盗聴器や盗聴カメラの発見調査を行い、仕掛けられた盗聴器やカメラを見つけた場合は、報告書の作成や説明により警察の捜査に引き継ぎます。

家出人や失踪などの人探し

身近な人がいなくなった場合に、警察に「捜索願」を出すことがあります。
しかし、捜索願を出しても警察が積極的に捜査してくれるとは限りません。
行方不明になった家族が、何らかの事件や事故に巻き込まれた可能性がある場合や、幼い子どもや高齢者などの緊急性がある場合を除き、警察の捜索の可能性は低いと言えます。
現在、毎年8万人もの行方不明者の捜索願が届け出されており、行方不明となった原因は、家出、夜逃げ、拉致・誘拐事件など様々です。
その届出の多さから、警察としても優先順位をつけて、捜索に当たらざるを得ない状況となっています。
実際の行方不明者は、10万人以上にものぼると推測されています。

まとめ

探偵は、公安委員会・警察への開始届出を提出して開業しますが、特別な権限が与えられているわけではありません。しかし、公的機関からの業務委託は事実としてあります。
逮捕者を出すに至った探偵業務の報告は、業務上協力関係にあると言えなくもありません。
しかし、多くの探偵は、公的機関との連携は無いものと考え、ケースに応じた相談先を検討ください。

投稿者プロフィール

この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。

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