興信所で住所を調査するのは可能?その方法と注意点

「行方不明になった家族の居場所を特定したい」「転居した相手からお金を返してもらいたい」という場合には興信所や探偵に調査を依頼することになるかと思います。
しかし、住所など個人を特定するものは、「個人情報」となってしまうため、調査方法を間違えると「違法調査」になってしまうため、興信所に調査を依頼する場合でも、そのリスクを理解しておく必要があります。
今回の記事では、興信所で住所を調査する方法と、依頼する際の注意点などについても、詳しく解説していきたいと思います。
興信所が住所を調査することは可能か

結論から言いますと、住所を調査で特定することは可能です。しかし、法的な観点から「直接的な情報収集」はできないため、間接的な方法を駆使する必要があります。また、強引な調査は違法調査となってしまうこともあるため、依頼人からの要望であっても対応できないケースもあります。
住所調査は依頼内容によって対応できるか異なる
住所調査は個人情報保護法をはじめ、さまざまな問題が起こりうる調査です。そのため、依頼内容によっては調査をお断りするとケースもあり、全ての場合で調査が行われるわけではありません。例えば、以下のような理由で住所を特定したいという場合は調査を断られる可能性があります。
「お金を貸した相手が、お金を返さずに引っ越しして行方が分からなくなった。」
上記の内容では、借用書の準備、弁護士への相談、裁判所への申し立てが行われているかが重要なポイントとなります。これらの手続きを行わず、興信所で住所を調査してしまうと、「恐喝行為」や「つきまとい行為」、「不正個人情報取得」といった違法行為に発展してしまう危険性があるためです。
興信所に住所調査を依頼する際には「住所を調査する理由」によって、できる場合とできない場合があることを覚えておきましょう。
直接的な情報収集ができない理由
興信所が行う調査は、探偵業法にある「尾行、張り込み、聞き込み」が基本です。それ以外の調査方法は違法行為となってしまうリスクが高いため、興信所で採用することはほとんどありません。
実際のところ、役所のデータベースや、電話会社の個人情報、警察のデータベースを利用することができれば、ほとんどの人の住所を特定することが可能になります。しかし、これらのデータは個人情報に該当するため、本人の許可なく開示できないのはもちろん、一般の人がアクセスすることは不可能(探偵や興信所も例外なくアクセスできない)です。
個人情報保護法の問題と、データベースへのアクセス権を持っていないという理由で、興信所では住所を直接的に調査することができないということになります。
興信所で住所調査を検討するべきケースとは

どのような場合に住所調査を依頼すべきなのか、ここでは該当するケースをいくつかご紹介していきたいと思います。
行方不明になった家族の捜索
蒸発してしまった子供の居場所が知りたい、生き別れになった家族を探したいなど、居場所はもちろんのこと、生存しているかも分からないという状況であれば、探偵や興信所に調査を依頼することをお勧めします。
警察では、事件性の低い行方不明者を捜索するケースは少なく、事件性の高いものから対応することが多いため、家族の捜索は難航する場合があります。
そうした場合には興信所に依頼することで、居場所や生活状況などを知ることが出来るかもしれません。
浮気相手の住所、勤務先の調査
浮気相手に対して、内容証明や損害賠償請求などをする場合には住所が必要になるため、こうした場合にも興信所に依頼するのがおすすめと言えます。ただし、損害賠償請求などをする場合には、事前に弁護士へ相談し、相手の住所特定方法に関して、探偵や興信所を利用することが合理的だと判断された場合に利用することをお勧めします。
※個人の判断で依頼をすると、トラブル回避のために興信所によっては調査をお断りする可能性もあります。
お金を貸した相手が行方不明になってしまった
借用書を交わしてお金を貸した相手が、行方不明になってしまったので、住所を特定し、法的措置を取りたいという場合であれば興信所に調査を依頼することがお勧めです。ただし、前述した通り、お金を貸した状況や、調査理由、調査後の対応などに問題やトラブルの危険性がある場合は、調査を断られる可能性もあるため、依頼する場合は「正当な理由」と「調査後の対応」などについて、しっかりと説明するようにしましょう。
興信所で住所調査できない場合の対処法

情報が少ない、調査が難しい案件だった場合などには、調査を断られることもあります。そこで、ここでは調査を断られた場合に個人で出来る調査方法について解説していきたいと思います。
ネット、SNSから情報を探す
ネット上で知り合った人や、友人関係の人であれば、SNSやネットを調査することで、居場所や出現場所を特定することができる可能性があります。また、ネット上に共有の知人などがいる場合は、その人を通じて住所調査を行うといいでしょう。
ただし、ネット上では偽名や架空名を利用している人も多く、人違いになってしまうこともあるため、十分に注意してください。
弁護士に相談する
相手に対して法的な問題を抱えているということであれば、弁護士に相談することで居場所を特定できる場合があります。弁護士は、弁護士法により、依頼者から委任を受けた場合に戸籍事項証明書や住民票を取得できる権利を持っています。
ただし、法的に関係のない事案では対応してもらうことはできず、弁護士照会を使ったからといって確実に情報が得られるわけではない(開示を強制できない)ため、結局居場所がわからないという可能性もあります。
まとめ
今回は興信所で住所を調査する方法と、調査を依頼する際の注意点などについて解説させていただきました。記事をまとめると以下のようになります。
- 住所調査は可能だが、内容によっては断られる可能性もある
- 弁護士、警察で対応してくれない案件は興信所に依頼するのがお勧め
- 興信所で調査できない場合は個人での調査も検討する
ネット上では、探偵や興信所がどんな場合でも住所調査できるような内容が書かれていますが、実際は法的な問題や、調査に関するリスクもあるため、調査できないというケースも少なくありません。依頼する場合は、「何のために調べたいのか」「調べた後に何をするのか」をしっかりと明確にし、違法性や安全性などについてしっかり調査する前にしっかりと話し合うようにしてください。