採用調査は「意味ない」でしょうか?採用調査の意味を詳しく解説

企業は、採用活動においてまず、応募者をスクリーニングします。
スクリーニングは、その基準を設けて面接などの前段階での絞り込みです。
具体的には、採用選考で行われる筆記テストやエントリーシートをいいます。
最も多いスクリーニングの基準として、「学歴」が指標として使われます。
その後に、各企業ごとの採用基準から評価されていきます。
この時、外資系企業などでは「採用調査」が導入されることがあります。
採用調査とは、応募書類や面接においての虚偽や詐称がないかを調査するものです。
また、会社との適合性を診断し、早期離職者や社内不正の雇用リスク対策としても使われます。
採用時のスクリーニング手法

ここではまず、採用時の代表的なスクリーニングの手法を詳しく紹介します。
履歴書(エントリーシート)の確認
多くの企業は、まず、応募者に履歴書や職務経歴書の提出を求めます。
スクリーニング手法のひとつは、提出を受けた履歴書などからのふるい落としです。
履歴書や職務経歴書から学歴や実績などの情報、また、自身が作る職務経歴書から作成者の文章作成能力などを分析します。
昨今では、自己PRを動画にまとめたエントリーを求める企業も増えています。
動画のエントリーでは、応募者の声や表情などからより多くの情報を得られるためです。
適性検査の実施
筆記試験の実施も、スクリーニング手法のひとつです。
受験者の性格と能力を測定するSPI総合検査、心理検査であるクレペリンテストを導入している企業も増えています。
- SPI総合検査は、言語(国語)・非言語(数学)に関する基礎的な問題などの出題から、一般的な基礎知識を測る試験です。
- クレペリンテストは、計算能力や集中力、注意力などを測るテストです。足し算などのシンプルな作業から、「能力面の特徴」と「性格・行動面の特徴」から働きぶりを測ります。
適性検査によって、スクリーニング対象の能力や性格を可視化します。
専門職では、適性検査に加え、専門知識を問うテストもあります。
会社によっては、学力をあまり重視せず、SPIやクレペリンテストなどに重点を置く場合もあります。
最終的な合格基準は、その企業次第も言えます。
調査機関への依頼
スクリーニングの手法には、自社だけでなく外部の専門機関を利用することがあります。
自社では事実確認が困難な、応募者の経歴や社会的評価などを調査機関に依頼します。
採用する際の応募者からの提出書類は、あくまで応募者の自己申告のため、必ずしも正しいとは限りません。
調査機関へ依頼することで、応募者の申告や人間性に問題がないかを確認します。
また、経歴や過去の職場での勤怠、勤務態度、性格などといった情報を取得することで、採用後のリスクを軽減する目的もあります。
スクリーニングのメリット
- 採用担当者の負担や人件費の削減
スクリーニングを行わなければ、すべての応募者と面接して採用の有無を決定することになります。
採用の見極めには、面接で効果的な質問をする必要があり、応募者の情報を引き出すスキルも必要です。
さらに、応募者との面接日時の調整業務なども発生します。
このように、採用担当者の負担は大きいものになります。
そこでスクリーニングによって、事前に面接する応募者を絞ることができます。 - 選考に時間をかけられる
スクリーニングで応募者をふるいにかけることで、選考過程においての人数を絞ることができます。
そうすることで、一人あたりにかける時間も増やすことも可能です。
残った応募者の中から重点的に選考できるため、より自社にマッチした人材を採用しやすくなります。
採用調査・バックグラウンドチェックとは

日本の採用調査の利用率は、諸外国と比べてあまり高くはありませんが、昨今の経歴詐欺や職務放棄が増加する背景から、企業の採用調査への関心が高まっています。
探偵や興信所等の採用調査では、
- 「要件」の判断(能力を証明する資格の有無など)
- 「適性」の判断(人物の実際の能力や評判など)
を目的として行われます。
採用調査(バックグラウンドチェック)について
企業の経営面での重要課題の一つに、「良質な人材の採用」が挙げられます。
履歴書の書類選考や面接、筆記試験、適性検査などの結果だけでは、職能や人柄等を把握する事は困難です。
近年では、応募者も多くの情報やマニュアルを利用して、採用を勝ち取る方法を心得ています。
その影響もあり、履歴や退職理由の虚偽申告者が増えている実態も見受けられ、各種ハラスメントや労働問題、金銭トラブル等の問題を繰り返す事例も少なくありません。
応募者の経歴の虚偽、過大申告、素行悪、健康面、退職理由を含めた過去のトラブルを把握することで、採用企業は危険分子の入社を水際で防ぐことができます。
また、ネガティブな意味の調査利用だけでなく、応募者を深く知る事により、人材の適材適所への配置が可能となるなど、ポジティブな調査利用も可能です。
【主な調査内容】
- 経歴
- 勤怠
- 能力
- 性格、素行(破産歴など)、交友関係
- 健康状態
- 退職理由
- その他指定事項
バックグラウンドチェックの方法
バックグラウンドチェックは、応募者から提供された経歴情報を裏付けする調査です。
書類選考や面接において、応募者が提示する情報は、応募者本人の主観でしかありません。
応募書類の記載内容を証明できる他の書類の提示を求めたり、事実を知る人物にコンタクトを取ってヒアリングを行います。
例えば、学歴の場合、応募書類に記載の学校へ実際に通っていたのか、入学や卒業年度に誤りがないかなどの確認のため、卒業証書の提示を求めたり、学校へ在籍の事実を確認することもあります。
また、職歴の場合は、在籍期間、雇用形態、担当の職務内容などについて、前職勤務先に確認を取ります。
勤務態度については、応募者の前職の上司や同僚などにヒアリングを行います。一般的に、リファレンスチェックとも呼ばれます。また、ヒアリングの対象は、応募者が指定するケースもあります。
その他にも、反社会的勢力との関係の有無、金融・保険業界などでは、破産歴・民事訴訟歴についても調査されることがあります。
近年は、インターネットでの調査ケースもあり、
ネット上で何らかの事件に取り上げられていないか、SNSなどで社会人として不適切な言動を行っていないか、などの確認をします。
バックグラウンドチェックのメリット
バックグラウンドチェックは、採用失敗のリスクを減らせることが最大のメリットです。
応募者の情報量を増やすことで、適切な採用を可能にします。
適切な採用が行えれば、会社にメリットが発生します。
【主なメリット】
- 有能な社員による業務の効率化
- 人間性の良い社員による自社評判の向上
- 在籍社員や顧客への影響力
- 採用後の社内雰囲気の向上
などが考えられます。
まとめ
欧米では、当たり前に行われている採用調査ですが、日本ではプライバシー保護の観点から、実施する企業は欧米ほど多くはありません。
しかし、昨今の社会情勢を考えると採用調査は企業にとって安全な採用活動と採用コストの削減につながるものとなります。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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