風俗店従業員が横領をした場合の対処法と逮捕されないケース
風俗店だけでなく、会社や店の売上を自分のものにしてしまう行為は立派な犯罪です。しかし、横領罪には逮捕されるケースとされないケースがあり、経営者側は事件が発生した際にどういう流れになるのか、しっかりと理解しておく必要があります。
そこで、今回の記事では、風俗店従業員が横領をした場合の流れと、横領させないための対処法などについて解説していきたいと思います。
従業員が横領しても逮捕されないケース
信頼していた従業員が横領している、という事実は非常にショッキングなものですが、野放しにすれば他の従業員に迷惑がかかるだけでなく、店舗経営に影響が出てしまう可能性もあるため、見つけ次第迅速に対応する必要があります。
「業務上横領」は被害者が被害届を出して初めて成立する
ネットやテレビで、「業務上横領で逮捕」などという文面を見たことがあると思います。横領罪は刑事責任を問われる犯罪行為で、事実が発覚すれば警察に逮捕されることになります。しかし、逮捕され刑事責任を取らせるためには被害者が「被害届」を提出していることが前提になっており、届出を出していない場合は加害者が逮捕されることはありません。
また、業務上横領は内容が複雑なため、警察に掛け合ってもすぐに対応できないことが多く、被害届や告訴状を提出するまで時間がかかってしまうことがあります。
どんなに悪質な横領行為があったとしても、被害者が申告しないと法的措置を取ることができず、逮捕や起訴するまでに時間がかかってしまうことがあるため、被害者は「業務上横領」時の対処法について、事前に理解しておく必要があります。
「業務上横領」で逮捕するには特定の条件が必要になる
横領罪で逮捕されるには、被害者が被害届を出しておくことがマストになりますが、実はそれ以外にも条件がいくつか存在します。業務上横領罪で逮捕するための条件は以下の通りです。
- 被害者から警察に「被害届」「告訴状」を提出していること
- 被害額が200万円以上であると可能性が高い
- 示談交渉を行なっていないこと(当人同士の解決)
被害届を出していても、示談交渉が成立している場合や、加害者が罪を認め、身元がしっかりわかっている場合には逮捕されないケースがあります。
「お金が戻ってこない」という理由で示談交渉を優先する方もいらっしゃいますが、実際には逮捕された場合でも横領したお金の返還請求は可能です。逮捕後の裁判において、被害金全額と年利5%の遅延損害金が認められているため、法的措置を取りながらお金の返還請求もしたいという人でも安心して被害届を出すことができます。
交渉するためにあえて被害届を出さないこともある
逮捕後でもお金の請求はできるものの、加害者の社会的状況が大きく変わるため、財産を保有していない場合は物理的にお金を取り戻すことが難しいケースも考えられます。
そういった場合にはあえて逮捕させず、現状でお金を返還させるために示談交渉を行うことがあります。加害者としても犯罪歴や汚点を残すことなく解決できるため、示談を希望するということは少なくありません。
風俗で横領が行われていた実例
ここでは、実際に風俗店であった横領の実例についてご紹介していきたいと思います。
風俗店員が割引チケットを利用して売上からお金を騙し取っていた例
このお店では風俗店をリピートしてくれる客に2割引のチケットを配布するというキャンペーンを行なっていたが、そこで勤務する男性店員がそのチケットを破棄して客から正規の金額を受け取り、キャンペーンで割引された2割分のお金を騙し取っていたことが発覚した。
男性店員は総額150万円の横領しており、店長の知り合いが客として利用したことで、この横領が発覚した。その後、男性店員は店長と示談交渉を行い、騙し取ったお金150万と慰謝料30万の計180万円を返済と解雇という処分で示談が成立した。
このケースでは、横領の被害額が200万円以下であったことと、男性店員が初犯であり、それまでは真面目に仕事していたことなどが考慮され、警察に被害届は出されずに、お金の返済と懲戒解雇という形で幕を閉じました。
横領罪の決定的証拠(物的証拠)
まずは横領罪に該当する決定的証拠を集めることが先決です。被害届として受理されるもの、解雇理由に相当する証拠をしっかり集めましょう。証拠になるかわからないということであれば、弁護士に相談するのもおすすめです。
風俗店店長が売上金を持ち逃げした例
普段は明るく真面目で、誰にでも優しく、従業員から慕われていた店長が、ある日突然店のお金を持ち逃げしたという事件が発生した。持ち出したお金は総額500万円以上で、従業員が連絡をするものの電話に出ることはなく、オーナーは仕方なく警察に通報して被害届を出した。
警察による捜査は行われるものの店長は見つからず、痺れを切らしたオーナーは探偵に調査を依頼した。調査から1週間後、店長の居場所がわかったため、持ち出したお金の返金と損害賠償請求の交渉を行ったが、店長は拒否したため、警察に告訴手続きを行い、裁判を行うことになった。
この例では、風俗店店長がお金を持ち逃げするつもりで逃げており、見つかってからも返すそぶりが全くなかったということで、オーナーはもっとも罪が重いと思われる方法を利用することとなった。
風俗店で従業員に横領されないための対処法
従業員に横領された場合の対処法について解説しましたが、できれば「従業員からの裏切り行為」は避けたいものです。そこで、ここでは横領されないための対処法を解説していきたいと思います。
従業員と信頼関係を作っておく
風俗に限らず、どんな職場でも「人間関係」あってこその仕事です。最近ではネットワークやAIの進化によって、人間同士の関係性は希薄になりつつありますが、今でも人と人のつながりが重要なのは変わりません。お互いが信頼できる関係性であれば、不要な心配は必要なくなり、裏切り行為も激減するはずです。ほとんどの亀裂は「信頼関係の崩壊」から始まっています。
どんな仕事でも人を軽視せず、一人一人が協力して仕事を行う環境づくりを、経営者が意識的に作っていくことが大切です。
横領できない金銭システムを構築する
お金に関するトラブルは人間関係を悪化させる原因になります。お金の管理をする人間が横領できないシステムを構築しておくことで、トラブルを大幅に減少することが可能です。従業員が「仕事」だけに集中できる環境づくりを考えるのも非常に大切と言えるでしょう。
まとめ
今回の記事では風俗店従業員が横領した場合の対処法と、逮捕されないケースについて解説させていただきました。風俗店を題材にしていますが、今回の内容はどの会社や店舗でも通じるものがあるので、横領された場合の対処法や、横領されないための対策として、この記事を参考にしていただければ幸いです。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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