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背任罪の判例をご紹介!構成要件・時効・発覚後の対処法もご紹介

背任罪って一体どんな内容でしょうか。また、どのような構成要件で有罪となるのでしょうか。この記事では、背任罪の判例をご紹介するとともに、構成要件・時効・執行猶予・背任罪を犯してしまった場合の対処法についてもご紹介します。

背任罪とは?

背任罪は、任された事務処理を自己利益のため、または、第三者の利益のために、意図的に任務に背く行為を行うことです。また、自己利益だけでなく、事務処理を依頼した相手に損害を与える目的で、任務に背いたり職権を濫用した場合も、背任罪に適用される可能性があります。

例えば、会社の機密情報を競合他社に、自己利益・第三者利益を目的として意図的に漏洩した場合は、背任罪となる可能性があります。また、やってしまいがちな行動として、自身が働いている会社の商品だからといって、無断で、大きな値引きをして友人に売った場合も背任罪となる可能性があるので注意しましょう。

背任罪の構成要件とは?

背任罪の構成要件は、4つのポイントに分けることができます。

  1. 他人のために事務処理を行なっていること
  2. 自己利益もしくは第三者の利益のため、また、本人に損害を与える目的であること
  3. 該当任務に背く行為であること
  4. 本人に財産上の損害を加えること

この4点が満たされる場合、背任罪となる可能性があります。

ここで注意しておきたいのが、事務処理が財産に関係していることであること、または、任務に背く行為が、本人に対して財産上の損害を与える結果になっていることが、背任罪にあたるかどうかのポイントになります。

例えば、会社に雇われている社員が、財産とは関係のない一般的な事務処理を行なっているだけの場合は、任務に背く行為を行なったとしても背任罪に当たる可能性は低くなります。

背任罪の罰則・時効について

ここでは、背任罪として有罪となった場合の罰則や執行猶予の有無・時効についてお伝えします。

背任罪の罰則

背任罪として有罪となった場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。

また、刑の重さが決まる判断基準としては次のようなことを総合的に判断して決められます。

  • 被害額の大きさ
  • 被疑者の立場や地位・役職 →役員の場合は「特別背任罪」となります。(次の項でご紹介)
  • 犯罪頻度
  • 手段の悪質性
  • 余罪の有無
  • 示談や被害弁償が済んでいるかどうか
  • 被疑者の反省状況
  • 目的や動機
  • 前科の有無

背任罪の時効期間

背任罪の時効期間は、背任罪に当たる行為を行なってから、5年間です。5年が経過すると逮捕や起訴することができなくなります。

背任罪と特別背任罪の違いとは?

背任罪と特別背任罪は、罪を犯した行為者によって違いが分かれます。また、特別背任罪の構成要件は、背任罪と基本的には同じですが、特別背任罪の方が罰則が重くなるので違いについて理解しておきましょう。

まず、行為者についてですが、会社の取締役や支配人など、一定の地位にある人が背任罪に当たる行為をすると特別背任罪に問われます。

会社にとって、影響力のある地位にいる人たちなので、罰則も背任罪に比べて重く、「10年以下の懲役、もしくは、1,000万円以下の罰金、またはこれを併科する」となっています。また、時効についても、背任罪の5年に比べて、特別背任罪の時効は7年と長くなります。

話題になった事例では、カルロス・ゴーン氏の逮捕がわかりやすいでしょう。私的な投資で発生した損失を、会社(日産)の損失として付け替えたとして、特別背任罪が成立すると判断されました。

混同してしまいがちな背任罪と横領罪!その違いとは?

背任罪と横領罪は、似ているようで全く異なります。まず、背任罪は、任された事務処理を、利益や損害を与える目的で背いた場合に課せられる罪です。

これに対して、横領罪は、他人のものを占有している状態で、本人に無断で他者に売却したり、貸したり、譲渡したりすることによって、損害を与えた場合に課せられる罪を言います。

罰則にも大きな違いがありますので、背任罪と横領罪の違いには注意しましょう。

背任罪の判例をご紹介!

ここでは、背任罪の判例についてご紹介します。どのような内容で実刑が課されたのかについてチェックしてみてください。

伊藤萬(イトマン)株式会社代表取締役社長による巨額融資

この判例は、伊藤萬株式会社の代表取締役が、経営危機で自らの地位が危ぶまれる危機を脱するために、子会社への巨額融資やプロジェクトの遂行、また、それに係る伊藤萬株式会社からの融資の流用を認めるなどして、会社への損害につながることを認識していながらも、無理矢理、増収の事実を作ろうとした事例です。

判決では、「被告人が本件融資を実行した動機は,イトマンの利益よりも自己やA(第三者)の利益を図ることにあったと認められ,また,イトマン に損害を加えることの認識,認容も認められるのであるから,被告人には特別 背任罪における図利目的はもとより加害目的をも認めることができる(参照元:最高裁判所判例集)」として、裁判官全員一致で上告が棄却され、実刑判決となりました。

農業協同組合の組合長の地位の濫用による、約束手形の発行と資金の流用

この判例では、農業協同組合の組合長が組合長という地位を濫用し、組合名義で約束手形を交付し、さらに、その支払いを組合の当座貯金から引き出して支払ったという事例です。

判決では、約束手形の振出交付・支払いは、組合名義・計算で行われる必要があるが、組合長は、地位を濫用し、先に約束手形の振出交付・支払いを行なったとして背任罪が認められました。

背任罪が犯してしまった場合に、できる限り罪を軽くするためにできる対処法

背任罪を犯してしまった場合に限らず、被害者との示談が成立していること・被害弁償が済んでいることで、実刑が軽くなる可能性があります。ここでは、背任罪が発覚してしまった後に取るべき対処法についてお伝えします。

できる限り早く、会社や被害者との示談交渉を行う

示談が成立すれば、被害届の提出や刑事告訴を思いとどまってもらえる可能性が高まるため、まずは、誠意を示し、示談交渉を行うようにしましょう。被害届や刑事告訴されなければ、逮捕される可能性は大幅に低くなります。

弁護士に相談

背任行為が発覚した場合は、できる限り早い段階で弁護士に相談し、指示やアドバイスを受けるようにしましょう。示談交渉をする際も、弁護士を通して行うことで、スムーズに進めることが期待できます。また、逮捕・勾留となった場合にも、その後の対処法やアドバイスをもらうことができますし、無罪を主張する場合にも弁護士の力が必要になります。

まとめ

背任行為が発覚した場合は、自分の判断で動くのではなく、まず弁護士に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。罪を犯した事実は消すことはできませんが、誠意を持って対応し、少しでも処罰を軽くできるよう行動することをおすすめします。

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