社員の背任行為を見つけたときにやるべきこととやってはいけないこと

信頼していた社員が会社に対して背任行為をしていることはとても残念なことです。しかし、そのままで会社に損害が出てしまう事態にもなりかねないため、早急に調査を行う必要があります。
そこで、今回の記事では、社員の背任行為を見つけてしまった、または疑惑が浮上したときにやるべきことと、やってはいけないことを解説していきたいと思います。
社員の背任行為を見つけたときにやるべきこと

横領であれば、お金や財産部分に大きな変化が現れやすいため、比較的犯行に気づく可能性があります。一方で、背任行為の多くは、会社に与える損害が見つけにくい方法で行われていることが多く、表面上はちゃんと仕事をしているように見えるため、計画性の高い犯行と言えます。
そのため、背任行為の可能性が浮上したらしっかりと見極めることが重要です。
やるべきこと1 損害を受けた金品、情報等が会社のものであるかのチェック
背任行為は判断の難しい罪の一つと言われており、社員の行動や損害の事実、情報が正確であることが求められます。背任行為があった場合、はじめにやるべきことは、損害を受けた金品(お金、財産)や情報(機密情報等)が会社の所有物であるかということです。
これらの情報に少しでも不備があると、背任行為として社員に与えた処遇や、疑ったことに対する法的措置などを取られてしまう可能性があります。まずはその情報が本当のことなのか、それがはっきりと分かるまでは社員に対して行動を控えなければなりません。
やるべきこと2 背任行為によって出た損害の確認
損害を受けた内容が会社の所有物だと分かったら、次は被害の確認です。背任行為によってどれだけの被害額(財産、情報含む)が出ているか、正確に割り出していきます。ここでもざっくりと想定した被害総額を出すようなことがあると、裁判などにおいて不利になってしまうこともあるため、確実な被害額を出すようにしましょう。
やるべきこと3 社内規則(規定)の確認
社員の行なった行動が社内規定に違反しているか、背任行為にあたるのかを確認します。冒頭で解説した通り、背任罪は解釈が難しい部分があり、背任行為にあたる場合と当たらない場合の判断が難しいところがあります。
そこで、社内規定を確認し、社員の行動が規定違反であるかを確認することで、背任行為に該当するかをチェックします。明らかな裏切り行為である場合でも社内規定を確認することは重要です。
背任行為の調査は社員やその仲間にバレないようにしなければならない
背任行為を立証するまでには、いくつかの調査を行わなければいけないため、ある程度の期間が必要になります。その間に犯人が無断欠勤や無断引越し(夜逃げ)などで行方をくらましてしまうこともあるため、調査中は絶対にバレないように注意する必要があります。
社員の背任行為を見つけたときにやってはいけないこと

社員の背任行為を調査する際にやってはいけないことがいくつかあります。これらの内容は、背任行為をした社員を野放しにしてしまう可能性があるため、調査の際には十分に注意しておく必要があります。
やってはいけないこと1 社員一人一人に事情聴取する(犯人特定)
これは絶対にやってはいけないことの一つです。背任行為は単独犯だけではなく、複数で組織的に犯行をおこなっているケースもあるため、一人一人に聞き込みを行うという行為は相手に「犯人探しをしています」と教えているような物です。
もし犯人が複数だった場合、結託して別の人間に犯行を押し付ける可能性もあるため、真犯人を見極めるのが非常に困難になります。
やってはいけないこと2 監視カメラの映像から犯人を特定する
背任行為は計画的な犯行が多いため、監視カメラ映像のような物的証拠では不十分なことが多く、カモフラージュのために別の人間が映るように仕向けている可能性もあるため信用性が低いと言えます。
また、十分な証拠が揃っていないにも関わらず、カメラの映像から犯人を特定してしまうと、従業員に不信感を与えるきっかけを作ることにもなってしまうため避けるべき行為です。
やってはいけないこと3 証拠不十分な状態で社員を解雇(または処罰する)
背任行為の疑惑がある、または可能性が高いなど、証拠が十分ではない状況で社員に対して罰則を与えることは非常に危険です。証拠が曖昧な状況で解雇したり、休職、停職、減給などの措置をとれば、不当だとして訴訟を起こされる可能性があります。
またこれらの出来事は他の社員に対してネガティブなイメージを与えるきっかけとなり、会社に対しての信頼も失ってしまいます。
やってはいけないこと4 証拠不十分な状態で信用調査会社に依頼する
信用調査会社はヒアリングによる調査が多いため、犯人の特定や証拠を掴む前に社員に逃げられてしまう可能性があります。また、信用調査会社は社内不正調査に対する対応力が低いことが多く、調査が長期化してしまい、費用だけが嵩んでしまうということもあります。
社員の背任行為を行わせないために

背任行為や横領などの不正を行わせないためには、社内環境を整えることが重要です。ここでは社員が背任行為をしない方法をご紹介します。
不正社員のマーク、排除を徹底する
会社の中に不正を行う人物が一人いると、その人物から他の従業員を利用して不正行為を行うということが発生しやすくなります。定期的に従業員の内部調査を行い、モチベーションに問題はないか、会社への不満や不安を抱えていないかなど、社員に対するケアと不正社員の排除を徹底する必要があります。
権力を一点に集中させない
特定の幹部や従業員に権力が集中していると、横領や背任行為を行う原因を作ることになってしまうので、権力は分散させて、一人では会社の情報を利用できないような対策をすることが重要です。また、情報管理責任を各社員にしっかり持たせることも不正行為の抑制に役立ちます。
まとめ
今回の記事では、社員の背任行為を見たときにやるべきこととやってはいけないことについて解説させていただきました。社員の横領、背任行為は対策を行ったとしても起きてしまう可能性のある問題です。しかし、これらの問題の多くは「会社との信頼関係」であり、社員を大切にしているか、企業と社員の関係性がうまくいっているかなどが大きく関わります。本記事では、背任行為に対する対策を紹介しましたが、それ以外にも社員との信頼関係を構築するためのプロセスをもう一度見直し、人と人との繋がりをうまくできるように企業側も対応していくことが大切です。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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