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探偵コラム

従業員が個人的にリベートを受け取っていた…これは背任にあたる?

従業員が個人的に取引先からリベートを受け取っていた、もしくは要求していた場合背任行為に当たる可能性が高いです。もしリベートを受領していた場合、会社としてはどのような対処が可能になるかについて、ここでは詳しく見ていきます。

まずはリベートについて理解しよう

リベートという言葉はなんとなく知っているけれども、詳しいことはわからないという人もいるでしょう。そこでここではリベートとは何か、違法性のある行為なのかについてみていきます。

リベートとは

リベートとは日本語に訳すと「割り戻し」という意味です。売り手側から買い手側に対して、返金することを指します。「キックバック」と呼ばれることもあります。いくら戻すかはあらかじめ決めることが多いです。代金に対するパーセンテージの場合もあれば、金額が具体的に決められている場合もあります。リベートそのものは、日本の産業界では一般的に行われています。ですから会社の指示によって行われているものであれば、これは違法性に問われません。

違法性の問われるリベートとは

リベートで問題になるのは、会社の関知しないところで従業員が個人的に取引先からキックバックをもらっているケースです。もし取引先と従業員が共謀して、リベート分を前もって上乗せした状態で請求させます。そして取引が行われた後で、上乗せ分が従業員の方に戻された場合は問題です。この場合、会社に対する不法行為で民事、詐欺や背任で刑事両方に問われる可能性があります。刑事上の責任はどの程度リベートをもらっていたかによって変わってきます。もし多額のリベートを会社に黙って受け取っていたのであれば、初犯でもいきなり実刑ということも十分あり得ます。

民事における問題

リベートが会社に対する不法行為だったと認定されるためには、会社の有する権利が侵害されたことを立証しなければなりません。この場合、従業員が取引先からリベートを受領したことで、会社が本来受け取ることのできたはずの利益を侵害したという関係性の立証です。上で紹介した従業員と取引先がグルになって、リベート分を上乗せした金額を会社に請求させた場合民事上問題です。会社からしてみれば、リベート分は本来支払う必要のないお金です。そのお金を支払わせて、会社に損害を生じさせたとなるわけです。

刑事における問題

刑事上の問題として、詐欺罪や背任罪、業務上横領罪に問われる可能性が出てきます。詐欺罪は従業員が金銭を取得することで取引先とグルになって、会社に本当の金額を隠してリベート分を上乗せして支払われたとします。これは明らかに会社をだまして、不当な金額を支払わせたことになります。詐欺行為として取引先と実行した従業員は共同正犯となるでしょう。

また中にはリベートを受け取った社員が金額や支払いそのものの決定権を持っている場合もあるでしょう。この場合には背任罪に問われるかもしれません。背任罪とは会社のために事務担当しているものがその任務に背き、会社に損害を与えたと判断されるからです。

業務上横領になるのは、会社も感知したキックバックだった場合です。会社もキックバックを受け取ることを承知していたのですが、担当者が会社が受け取るべきお金を自分の懐に入れてしまった場合です。会社に支払われるべきリベートを従業員がかすめ取った関係が成立するわけです。

社員が個人的にリベートを受けていた場合の会社の対応とは?

もし社員が会社に黙ってリベートを受け取っていた可能性がある、と疑われた場合どのように対処すればいいのでしょうか?対応を誤ると、逆に当該社員から反撃を食らう恐れがありますので注意が必要です。

まずは関係の把握を

リベートを社員が個人的に受け取っている場合、まずは本当にそのようなことが行われているのか確認することです。関係各所へのヒアリングや関連する書類の収集など、証拠集めを進めていきましょう。その上で違法性があるのか、会社がどの程度損害を受けているのかについて分析してください。特に後者については、具体的な金額を出すことです。後々対象の従業員に対してその補填を求める根拠になるからです。

話し合いの場を設ける

一方的に従業員を非難するのではなく、対象の社員に申し開きの機会を与えることも大事です。そこで社員と話し合いの場を設けましょう。そして会社の受けた損失をどういう形で穴埋めするのかを決めていきます。もし合意が成立すれば、合意書などを作成してきちんと内容を記録として残すことが大事です。合意書があれば、社員に対して金額の支払いを義務付けることができます。

金額によっては、個人が一括ではとても支払えるような額ではない可能性もあります。繰り返し長期間にわたってリベートを受け取っていた場合には一括支払いは難しいでしょう。その場合には弁済方法に関しても書類に残しておきましょう。分割回数や1回あたりの支払額、支払期日などを明記しておきましょう。従業員が逃げる可能性もありますので、分割の回数は無理のない範囲でできるだけ少なくすれば、資金をしっかり回収できるでしょう。また支払いを滞納するリスクを回避するために、保証人や物的な担保を提供するように求めてもいいでしょう。

もし損害の回収の見込みの立たない場合、金額が大きくて悪質と認められるのであれば、刑事告訴も視野に入れたほうがいいです。刑事事件にするかどうかは、弁護士などと相談の上で結論を出したほうがいいでしょう。

まとめ

リベートそのものは日本の産業界では一般的に導入されている手法です。売上高や取引達成の見返りとして、売り手側が買い手側に対してキックバックを支払う形です。しかしそれが会社に黙って個人的に社員が受け取っていた場合に話は別です。民法上の不法行為だけでなく、詐欺や背任などの刑事的責任に問うこともできます。

もし従業員が個人的にキックバックを受け取っているようであれば、その証拠を集めましょう。その上で会社が受けた損害をどのような形で賠償させるか、当人と話し合うことです。このような問題は先延ばしにすると会社の受けるダメージも大きくなりがちです。発覚次第、速やかに対応することが求められます。

投稿者プロフィール

この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。

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