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探偵コラム

採用調査の際の「退職証明書」とは?詳しくご紹介

昨今は、人材の流動化が加速しています。
厚生労働省が発表した「令和2年雇用動向調査」によると、令和2年1年間の入職者数は7,103.4千人、離職者数は7,272.1千人で、離職者が入職者を168.7千人も上回っています。
この結果から、自社に固定した業務を強いることは、もう時代遅れといった考え方が現われ始めています。
それに伴い、企業は採用活動をする際に、応募者に対して採用調査を行うケースが増えています。
採用調査は、問題事項の有無や前職での評価などの情報を得る事により、採用リスクを最小限に抑えるというものです。
このような調査の際は、職安法や個人情報保護法、厚労省の採用ガイドラインに制限があるため、実施企業はそれらを遵守して行うことになります。
ここからは、退職から採用調査までの関係書類について解説いたします。

退職に関する手続きと関連書類

中途採用の場合、応募者とは前職の退職者です。
まずは、退職した後の流れを説明します。

退職時に会社から受け取るもの

【離職票】

雇用保険の失業給付時に、必要な書類です。
離職票の手続きには時間がかかるため、退職後に郵送してもらうことになります。
ただし、転職先がすでに決まっている場合は、その必要はありません。

【雇用保険被保険者証】

雇用保険に加入時に、ハローワーク(公共職業安定所)から労働者へ発行される書類です。
多くの場合は、会社で保管されています。
これは、雇用保険の被保険者であることを証明する書類であり、転職先に提出する必要があります。
まだ、転職先が決まっていない場合は、雇用保険の失業給付をする際に利用されます。
自己都合で退職の場合は、申請後7日間の「待機期間」を経て、受給までに2カ月ほどかかります。
失業保険の有効期限は、退職日の翌日から1年間です。
早めに申請すれば、受け取れる期間も長くなります。

【年金手帳】

厚生年金の加入者であることを証明する書類であり、転職先に提出します。
まだ、転職先が決まっていない場合は、国民年金に切り替える手続きが必要です。
退職日の翌日から14日以内に、管轄自治体の専用窓口で手続きを行います。

【源泉徴収票】

前職企業が、1年間に支払った給与支払額や控除した社会保険料の額、特別徴収した所得税の額等が明記されています。退職した後は年末調整を受けることができませんので、転職先で年末調整をしてもらう必要があります。そのため、転職先企業に提出する、もしくは、自身で確定申告を行うときに使われます。

退職後の各種手続き

会社を退職すると、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格を喪失するため、退職から転職するまでの間は、公的な手続きが必要となります。
具体的には、「失業保険の給付」「健康保険の変更」「年金の種別変更」「税金の支払い」などの手続きです。

退職証明書とは

退職証明書は、会社を退職したことを証明する書類です。
利用目的として一般的には、離職票の代わりとして失業給付や国民健康保険の手続きに使用されます。
また、転職活動の際は、その企業から事実確認のために提出を求められるケースもあります。
退職証明書は、退職者からの希望により会社側が発行するもので、労働基準法第22条に定められています。

(退職時等の証明)
第二十二条 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
このように、会社側は退職者に必ず発行するものではなく、あくまで退職者からの請求により発行する義務を負うものです。
この請求を会社側が理由なく拒否することは、労働基準法に違反することになります。

離職票とは

一方、離職票(雇用保険被保険者離職票)は、離職したことを証明する公的な書類です。
退職者が「失業給付金」を申請する際に、必要なものとなります。
離職票の交付手続きは、以下のような流れになります。

  1. 在職中に、雇用保険に入っているかどうかを確認
  2. 退職者が「離職票」の発行を会社に依頼
  3. 会社がハローワークに「離職証明書」を提出
  4. ハローワークが会社に「離職票」を交付
  5. 会社が退職者に「離職票」を送付

ただし、失業給付金を受給する際には、受給要件を満たす必要があります。
一般離職者の受給要件は、以下のとおりです。

  • 一般被保険者で失業している
  • 離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上ある(特定受給資格者、特定理由離職者に該当する場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上ある)
  • ハローワークで求職の申込みを行い、就職の意思と能力がある

解雇理由証明書について

もし、解雇による退職の場合には、「解雇理由証明書」を請求することができます。
解雇理由証明書は、会社が必ず交付しなければならない書類ではありません。解雇された労働者から請求があった場合に、遅滞なく交付する義務を負うものです。(労働基準法第22条2項)

退職証明書の内容

退職証明書の記載項目を以下に示します。

  1. 使用期間
    退職者の自社に在籍した期間を記載します。
    なお、試用期間を経て正式採用になった場合は、試用期間を含め記載するかは、その会社によって異なります。
  2. 業務の種類
    退職者が担当していた仕事内容を記載します。
    「事務職」「営業職」「企画職」といったような職種を記載します。
  3. 会社の地位
    退職者が就いていた役職を記載します。
    退職する時点での役職を記載するのが一般的です。
  4. 賃金
    退職者に給与をどのくらい支払われていたか記載します。
    一般的には、「退職時の基本給や手当金額」、「前年の年収」などを記載します。
  5. 退職の事由(事由が解雇の場合は、その理由)
    退職者が、仕事を辞めた理由が記載されます。
    【退職の事由例】
    ・自己都合による退職
    ・当社の勧奨による退職
    ・定年による退職
    ・契約期間の満了による退職
    ・解雇

しかし、労働者側が解雇理由の記載を希望しない場合は、退職証明書に解雇理由を記載することはありません。また、上記5項目の記載も労働者が請求した場合に限るもので、請求しない事項については法定項目であっても証明してはならないものとなります。

採用調査での「退職証明書」の役割

転職先が退職証明書の提出を求める理由としては、下記のようなことが挙げられます。

  • 専門的な職務のため、前職での実務経験を確認したい
  • 以前の会社の退職理由を確認したい
  • 履歴書の記載事項の真偽を確認したい
  • 経歴詐称の有無を確認したい

退職証明書の提出が必要な業種

経歴詐称などの採用調査が入りやすい業界として、

  • 金融業
  • 警備業
  • 法律職 など

その他に、専門職や一定の職務経歴が法律で定められている業種が考えられます。
企業によっては、退職証明書の提出がないという理由で、内定取り消しになる場合もあります。

転職先から提出を求められたとき

転職先は、転職者が提出した履歴書や職務経歴書などを参考に、自社が求める人材を選定して内定を出します。
しかし、肝心の履歴書などに虚偽の記載があると、虚偽の記載を信じて内定を出した後、大きなトラブルになるだけでなく、採用にかけた時間やコストまで無駄になってしまいます。
このような事態を避けるために、転職者に「退職証明書」の提出を求めるケースがあります。
退職証明書は、前会社が発行するため、業務や職位、退職理由などの記載内容への信頼度が高いからです。
転職先は、転職者の正確な情報を把握し、内定を判断します。

退職証明書が入手できないケース

退職証明書の発行は、退職後にしか発行できません。
そのため、退職証明書の請求は、最短でも退職日の当日になります。
また、前職の会社は、退職から2年間は退職証明書の発行義務がありますが、2年を経過した場合は退職証明書の発行義務が消滅します。
その場合は、退職証明書を入手できないこともありますので、転職先にその旨と理由を説明し、対応を検討してもらう必要が出てきます。
転職会社によっては、雇用契約書のコピーや給与明細の提出で代替できる場合もあります。

退職日を証明する書類

退職日が証明できる書類として、以下の3つがあります。

  • 退職証明書
  • 離職票
  • 資格喪失証明書

ただし、「離職票」は退職後12~13日後、「資格喪失証明書」は企業による社会保険の資格喪失届提出後でなければ入手ができません。

まとめ

「退職証明書」は採用企業が、面接や書類の情報に嘘がないか、会社に不利益を与えるリスクがないかをチェックする材料の一つです。
また、「離職票」と異なり、公文書では無いため、限られたケースに利用されるものです。

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