素行調査で相手の給料を調べることは可能か

「相手の給料を知らない夫婦が多い」ということを、みなさんはご存知ですか?お互いの給料を知らなくても、お互いがしっかりとお金を管理することができていれば、大きな問題に発展するとほとんどありません。
しかし、実際には給料を知らないことで、お金の使い方によるトラブルになるということも少なくないのです。
そこで、今回の記事では、素行調査で相手の給料を調べることができるのか、について、様々な角度から解説していきたいと思います。
そもそも素行調査で相手の金銭状況を調査できるのか

基本的に、個人の資産や金銭情報は「個人情報」や「プライバシー」に該当するため、他人が調べてチェックするということは出来ません。資産や金融情報を不正に入手すると、プライバシーの侵害や名誉毀損といった理由で訴えられる可能性もあります。
素行調査で間接的に給料を調べることは可能
探偵調査では、探偵業法で許可された範囲内の方法(尾行、張り込み、聞き込みなど)であれば、対象者に関する情報を入手することが可能となっています。例えば、対象者の借金状況、給料の金額、戸籍や経歴は、公的機関や信用機関に直接情報提供を求めることで正確な情報を得ることができますが、「本人の同意(許可)」が必要になるため、探偵調査においては基本的に利用することが出来ません。
そのため、尾行、張り込み等で「間接的な情報」を集めることが基本となりますが、調査によっては有益な情報を得られることもあるため、給料を調べる上では非常に有用な方法の一つと言えます。
調査方法によっては本人に無断で行うと違法になる可能性も
給料は「個人情報」や「プライバシー」に該当するため、正規の方法で情報を得るためには「本人の同意」が必要となります。探偵や興信所に依頼する場合、調査をするのは「赤の他人」となりますので、万が一本人の許可なく、公的機関や信用機関から情報を入手、または不正に入手した場合は「違法行為」として犯罪になってしまったり、相手に訴えられてしまうという危険性も考えられます。
より正確な情報が欲しい場合は、探偵の素行調査ではなく他の方法も検討する必要があるかもしれません。
普段の素行から給料を予測することもできる
素行調査では、直接的に給料や貯金の有無などを確認することはできません。しかし、「どこで何にお金使っているか」などをチェックすることができるため、お金の使い込み状況から「大体の給料」を予測することは可能です。
また、素行調査の結果、浮気や不倫の事実や借金、隠し財産の事実などがわかることもあるため、金銭面における総合的な判断をする目安になるというメリットがあると言えるでしょう。
個人でパートナーの給料を調べる方法

素行調査を行うことで、「大体の給料」を把握することは可能です。しかし、調査の結果、浮気や不倫の事実、金銭トラブル、対人トラブルなど、そのほかの問題が発覚してしまうこともあり、そこまで知りたくなかったという人がいるのも事実です。
そこで、ここでは、素行調査をする前に個人でできる給料のチェック方法について見ていきたいと思います。
個人で出来る給料のチェック方法
探偵に調査を依頼することで、より有益な情報が得られるのは確実ですが、それに伴って、予期せぬトラブルが起きるリスクが増加するのもまた事実です。素行調査をする前に、給料をチェックする方法をご紹介していきたいと思います。
パートナーの給与明細、預金通帳をチェックする
パートナーが貰ってきた給与明細の確認、銀行預金通帳をチェックする方法です。紙媒体であれば、本人の目を盗んでチェックするという方法や、直接頼んで見せてもらうという方法が利用できます。
ただし、最近はペーパーレス化によって、オンライン上でしかチェックすることができないというケースも多いため、スマホやPCで給与明細をチェックする場合には以下のことに注意する必要があります。
- パートナーのスマホ、PCのパスワードを解除して勝手にログインする
- 寝ている隙に指紋認証、顔認証を勝手に解除する
- 給与明細、銀行サイトに勝手にログインする
上記のことを行うと、「不正アクセス禁止法」に接触してしまう可能性があり、夫婦間であっても不法行為として訴えられてしまったり、離婚原因にされてしまう可能性があります。
役所で課税証明書を入手する
課税証明書には、個人の所得や扶養状況、住民税などが記載されており、最大で3年前までの情報を取得できるため、給料をチェックするために有効な方法の一つです。
また、課税証明書は本人でなくても、同居中の親族(夫婦)であれば、役所で申請することが可能であるため、本人の許可がなくても給料状況を把握することが可能です。
ただし、課税証明書には社会保険料などの記載がないため、年間所得と課税額から「大体の給料を予測」するという形になります。それでも、かなり現実的な金額を割り出すことが可能となるはずです。
素行調査で給料チェックを依頼する際に注意すべきこと

前述した通り、素行調査では「間接的な調査」による給料の把握しかできません。そのため、調査から正確な金額を判断するのは困難であり、大体の予測をつけることになります。
また、素行調査では別の問題やリスクも発生しやすいため、それらのリスクも理解しておく必要があります。
給料以外の事実がわかる可能性
調査の結果、浮気や不倫の発覚、金銭トラブル、隠し子、反社勢力とのつながり、違反薬物の使用など、全く予期していなかった事実が発覚する可能性もあります。給料を調べるだけのつもりが、他のトラブルが原因で離婚や慰謝料請求に発展するというケースも少なからず存在するため、一定のリスクがあるものだと理解しておくほうが良いでしょう。
給料を調べた後の対応方法を事前に用意しておく
どんな理由であっても、素行調査を行えば相手は「勝手に調べられた」という気持ちになります。それが引き金となり、理解を深めるつもりが、大きな溝になってしまうということも十分に考えられます。
まずは、「給料を調べて、どういう関係性を作りたいのか」を明確にしておくことが大切です。勝手に調べたことを謝罪するのも、今後の関係性を深めるために大切な方法の一つと言えるかも知れません。
まとめ
今回の記事では、素行調査で給料を調べることが可能なのか、という点について解説させていただきました。結論を申しますと、素行調査で給料を調べることは可能です。ただし、探偵業法で許可された調査方法で調査を行うため、「間接的な調査」であることと、「確実な証拠」を得るのは難しいという点を覚えておきましょう。
どうしても確実な証拠が欲しいという場合は、探偵や興信所に相談して、証拠の入手が可能なのか問い合わせをするのもいいかもしれません。