リファレンスチェックとバックグラウンドチェックの違いについて解説
リファレンスチェックやバックグラウンドチェックという言葉をご存じでしょうか。この2つの言葉は似ているようですがちょっと違います。特に企業で採用選考に関わる人であれば、この2つの言葉の意味は知っておいた方がいいでしょう。そこでこちらの記事では、リファレンスチェックとバックグラウンドチェックの内容、調査方法、メリットとデメリットまで、違いを解説していきます。
リファレンスチェック、バックグラウンドチェックとは
リファレンスチェックとバックグラウンドチェックは同時に説明されることが多いです。そのため、その内容が混ざって覚えられてしまうこともあるかと思います。しかし、この2つははっきりとした違いがありますので、分けて考えてみましょう。以下で詳しく解説しますので、しっかり理解してください。
バックグラウンドチェック
バックグラウンドチェックとは、企業の採用選考時に、応募者の学歴や職歴などに虚偽がないか、また問題がないかを調査で明らかにするためのものです。採用調査、雇用調査などと呼ばれることもあります。仮に採用したときに問題を起こす可能性がある、不利益をもたらす可能性がある者を防ぎ、利益をもたらしてくれる、企業にマッチした者を採用するという目的のもと実施されるものです。調査される項目は幅広く、学歴、職歴の他に破産歴、反社との関係の有無、民事訴訟歴の有無などが調査対象になっています。最近ではSNSの投稿内容もチェックされることがあるのです。
リファレンスチェック
リファレンスチェックとは、企業と応募者との相性をはかるための調査です。バックグラウンドチェックの一部であるともいわれ、目的もバックグラウンドチェックとほぼ同じであると考えられています。バックグラウンドチェックでは「その人のこと全般」を調査するのに対し、リファレンスチェックでは「その人の仕事関連」を調査するというとわかりやすいのではないでしょうか。過去の上司や同僚からヒアリングを行い、当時の実績や勤務態度、人柄などを調査します。
調査の流れについて
紹介している2つの調査について、調査方法の流れも少し違うのです。どのような点が違うのかについて解説していきます。
バックグラウンドチェックの流れ
まずはバックグラウンドチェックの流れについてご紹介します。
- 応募者に調査の実施について同意を得る
- 企業が調査会社にバックグラウンドチェックを依頼する
- バックグラウンドチェックの実施
- 調査結果を企業の採用関係者のみで共有
リファレンスチェックの流れ
リファレンスチェックの場合、流れとしては二通り存在します。それは「応募者自身がリファレンス(聞き取り対象者)を選ぶ場合」と「企業の採用担当者、または調査会社がリファレンスを選ぶ場合」です。調査を依頼する先を応募者が指定し企業に紹介する場合、応募者には「前職の方から応募者自身の情報を聞き出す旨」「応募者の方から前職の方に調査について説明する旨」「リファレンスチェックの目的は何か」について承諾を得る必要があります。依頼先を企業または調査会社が指定する場合は、応募者から前職の方に連絡してもらうことはありません。手順にそれほど違いがないように見えますが、かかる手間は変わってきます。
応募者がリファレンスを指定する場合
- 応募者に調査の説明をして調査の承諾を得る
- 応募者に聞き取り実施者の連絡先を教えてもらう
- 聞き取り相手に連絡し、調査日時を調整
- 調査内容の決定
- リファレンスチェックの実施
- レポート作成
採用担当者または調査会社がリファレンスを決定する場合
- 応募者に調査の説明をする
- 聞き取り相手を探す
- 相手に連絡して調査日時を決定
- 調査内容の決定
- リファレンスチェックの実施
- レポート作成
リファレンスチェックとバックグラウンドチェック、どちらを選ぶべき?
最終的に企業が選ぶべきなのはリファレンスチェックなのか、バックグラウンドチェックなのか、これもまた悩ましい問題かと思います。しかしながら、リファレンスチェックとバックグラウンドチェックにはそれぞれメリットとデメリットがありますので、企業の求めるものに合わせて選ぶことが一番です。バックグラウンドチェックでは、応募者と依頼先それぞれへの忖度なしに、客観的な意見を聞けるところがメリットであると言えます。しかし、最近では個人情報保護を理由に調査を断わる企業も増えました。これにより、思ったような調査ができないというのがバックグラウンドチェックのデメリットです。一方リファレンスチェックでは応募者が指定した依頼先を調査できるので、バックグラウンドチェックでは断られるような企業のことも知ることができます。ただ、応募者が依頼者に、不利になるような情報は言わないでほしいなどと根回しする可能性が出てくることは、リファレンスチェックのデメリットと言えるでしょう。調査は人間が行うものですから、完璧なものなどはありません。企業の求める形、予算の都合、応募者の様子などから総合的に判断してください。リファレンスチェックだけ行う、バックグランドチェックだけ行う、両方とも行うなど方法はいくつかあります。どうしても迷うようでしたら、外部の調査機関に相談してみるのもいいでしょう。
まとめ
リファレンスチェックとバックグラウンドチェックは似ていますが、少し違います。リファレンスチェックはバックグラウンドチェックの一部と言われますし、行う目的もほぼ同じようなものなので、その違いが分かりにくいのです。バックグラウンドチェックは応募者の学歴や職歴、破産歴に民事訴訟歴など、応募者自身のことを幅広く調べます。リファレンスチェックでは応募者の元上司や元同僚などに調査を依頼し、前職での勤務態度や出勤状況、一緒に働いたことでわかった人柄など、仕事周りのことを調べるものです。つまり一番大きな違いは調査する範囲ということになります。リファレンスチェックかバックグラウンドチェック、もしくはその両方を行うか、それは企業の考え方や応募者の経歴、予算の都合など、企業が総合的に見て判断すべきことです。もし判断がつかなければ調査会社などに相談してみるのもいいでしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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