新卒・中途採用には卒業資格が必須?バックグラウンドチェックの実態
近年、永久就職の崩壊や、就職難などの波を受けて、学歴不問や、実力優先で人材を採用している企業などが増えています。しかし、その裏でバックグラウンドチェック(採用調査)を行う企業も増えており、「優秀な学歴」や「経歴」がなければ就職できないという矛盾も発生しています。
そこで、今回の記事では、新卒・中途採用のバックグラウンドチェックと、卒業資格の必要性について、解説していきたいと思います。
外資系企業では当たり前「バックグラウンドチェック」
そもそもバックグラウンドチェックは海外ではじまった調査方法で、アメリカでは9割以上の企業が必ず行う採用調査です。バックグラウンドチェックでどんなことがわかるのか、詳しく見ていきましょう。
採用調査とは違う、バックグラウンドチェックとは
国内における採用調査では、対象者の経歴(学歴、職歴、過去のトラブル、スキャンダル)などをチェックしますが、アメリカでは主に以下のようなこともチェックします。
- 過去の事故歴
- 犯罪歴
- 自己破産歴
- 薬物使用歴
- 懲戒処分の有無
アメリカの世界的採用調査協会(NAPBS)のレポートによると、2018年度、約95%の企業がバックグラウンドチェックを行なっているという調査結果が出ており、日本と比較してもほぼ全ての企業が採用していると言えます。
日本国内でも、上記の内容を調査する場合がありますが、個人情報保護法やプライバシー保護の観点から公式の情報を得ることはできず、あくまでも調査の過程で入手できる情報を元に採用判断を行います。
外資系日本支社でも半数以上が採用している
バックグラウンドチェックはアメリカだけでなく、日本に支社を持つ企業での採用率も半数以上を占めており、外資系企業にとっては「当たり前の調査」と言えるかも知れません。近年は外資系以外の企業でも採用の際に調査を導入している企業が増えており(主に海外展開のある企業)、日本だからと言って「調査を受ける必要がない」ということは少なくなりつつあります。
ただし、日本には個人情報保護法があるため、上記で解説したとおり、アメリカや海外とは調査方法が異なる点に注意する必要があります。
採用調査との違い
「採用調査と同じでは?」と感じる人もいるかも知れません。実際、バックグラウンドチェックと採用調査の違いはあまりなく、同じ意味合いで採用している企業もあります。
厳密には違う点がいくつか存在しますが、日本の場合は、「個人情報保護法」という法律があるために、調査できる範囲が制限されるなどの理由から、採用調査や雇用調査と同じ意味合いになることが多いと言えます。
バックグラウンドチェックで卒業資格(証書)が必要になる理由
働き方改革によって、企業は「肩書き」よりも「スキル」を優先する傾向にあり、場合によっては「学歴不問」「職歴不問」というケースも少なくありません。しかし、実際には卒業資格が必要になる場合も多く、スキルだけでは足りないということもあるようです。
バックグラウンドチェックにおいて、卒業資格が必要になるケースにはどんなものがあるのか、細かく見ていきましょう。
採用条件として「卒業資格」が必要なケース
採用の時点から、「〇〇卒業以上の資格」などと取り決めがされている場合は、卒業資格を取得しておく必要があります。例えば、高卒以上、大卒以上、という条件であれば、採用に必要なスキルとして求められているため、バックグラウンドチェックで提示を求められる可能性があります。
反対に、大卒優遇、専門学校卒優遇、といったように、「採用が有利になる条件の一つ」として記載れている場合は、必ずしも卒業資格を提出する必要があるというわけではありません。
虚偽を疑われて提示を求められるケース
採用面接では、卒業した学校での出来事や、学習した内容などに対して回答を求められる場合があります。こうした場合に「適当な回答」や「不自然な回答」など、不審な点が見られると、虚偽の疑惑が生まれてしまい、卒業資格の提示やバックグラウンドチェックの調査を求められることがあります。
採用試験・面接では、成績や対応よりも「誠実さ」や「真剣さ」が重要になるため、不誠実な対応や行動は控えることが大切です。
採用書類(履歴書)の内容が出来すぎているケース
有名大学を卒業している、数多くの資格を取得している、過去の職場は大手のみ、など、あまりにも完成された書類だと、企業側は疑いを持つ可能性が高いと言えます。特に、高学歴、前職が大手なのにもかかわらず、ランクの低い企業への就職を希望した際には、バックグラウンドチェックを受ける可能性が高いと考えたほうが良いかもしれません。
バックグランドチェックで失敗しないための対処法
新卒・中途採用に関わらず、「バックグラウンドチェック(採用調査)はいつ行われてもおかしくない」と考えておいた方が安全です。事前に準備をしておくことで、不測の事態にも対応できるようになり、より採用確率を高めることが出来るかもしれません。
虚偽の報告、記載(履歴書)は行わない
どんなに上手く誤魔化しても、嘘はいずれ必ずバレます。たとえ高待遇で入社出来たとしても、実際の実力に見合わない力を発揮することはできず、期待はずれだったと揶揄されることにもなりかねません。
また、嘘がバレてしまうと最悪の場合、懲戒解雇や損害賠償請求などの事態に発展することもあるので、どんな理由があっても嘘はつかないように気をつけましょう。
やむを得ない事情がない限り、調査拒否は行わない
バックグラウンドチェックは、採用におけるリスク回避であるとともに、採用候補者の正当性を高める方法の一つでもあります。あらぬ疑いがかかっているのにも関わらず、理由もなく調査を拒否すれば、信用を失ってしまい、採用の確率を大幅に下げることにもなりかねません。
調査されることで、家族や親族に迷惑がかかるなど、どうしてもやむを得ない理由がない限りは調査を拒否しないようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、新卒・中途採用における卒業資格の必要性と、バックグラウンドチェックの実態について解説させて頂きました。結論を言いますと、卒業資格が必須な場合以外は、卒業資格を調査されるということはほとんどありません。
ただし、上記で説明した通り、虚偽の疑いがかかってしまった場合に提示を求められることがあるため、いつでも提示できるように準備しておくことが大切です。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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