バックグラウンドチェックを行わないと怖い理由とは?詳しく解説
企業が採用活動時に、バックグラウンドチェックを利用する理由は様々です。
- 即戦力として採用したい
- パワハラ行為などの人格に問題がないか
- 早期退職の回避
面接や試験では見抜けなかったことが、採用後に発覚すると問題になるケースもあります。
バックグラウンドチェックから、ネガティブな情報が報告されるケースは、全体の5~10%ほどあるようです。
「バックグラウンドチェック」について
日本ではあまり聞かないバックグラウンドチェックですが、アメリカの約70%の企業が、採用時に行っています。また、アメリカでは、従業員が仕事中に事故を起こし第三者に怪我をさせた場合、雇用側の指導や管理不足だけでなく、ネグリジェント・ハイヤリングだと判断され、訴訟問題に至るケースもあります。
そのため、雇用企業などは会社や従業員を守るため、バックグラウンドチェックを行います。
よく行われる調査としては、犯罪歴、学歴、過去の職歴調査になります。
また、金融・経理業種ではクレジットチェック、倉庫やトレーディングに関わる業種では、ドラッグチェックが入ることもあります。
雇用主はネグリジェント・ハイヤリングの観点以外にも、「雇用機会を均等に与える法律」に準じて採用活動を行います。そのため、企業の方針やポジションに合わせた調査項目が設定されます。
バックグラウンドチェックの目的
バックグラウンドチェックの目的には、大きく3つあります。
1. 応募者の背景を把握する
バックグラウンドチェックは、応募者に関する正確な情報を得るために行います。
提出書類や面接だけでは、真偽を確かめられないこともあり、不適切な人物を雇用してしまう可能性があるからです。現在では、個人の転職回数が増えたことに加え、雇用形態が多様化しています。
そのため、応募者の経歴が複雑になっています。記入漏れや記入間違いも起きやすい状況です。
自己申告していない重要な事実が、潜んでいるかもしれません。
例えば、自己破産歴がある人は、一定期間、就けない仕事が存在します。
税理士・公認会計士や弁護士、警備員などの他人の資産や金銭を扱う仕事では、制限がかかります。
税理士の採用の場合、応募者は、復権する(3ヶ月〜半年程度)まで業務が行えません。
「自己破産歴は、法的に認められた行為のため、履歴書の賞罰欄に書く必要はない」とされており、把握することが難しい項目です。
2. 応募者の虚偽確認
虚偽の報告を見つけて、虚偽申告する人の採用を回避します。
採用候補者の経歴を調査し、経歴詐称がないかをチェックすることができます。
万が一、反社会的勢力との関わりのある人物を採用した場合などは、会社の信用性を傷つけ経営上の不利益にもつながりかねません。
応募者から提供された経歴情報が、真実であるかどうかを裏付けするために、バックグラウンドチェックが行われます。
3. 応募者の能力・適性の見極め
採用活動では、会社が求める人材を見つけることが重要です。
コミュニケーション能力や協調性がある人物など、応募者が持つ能力や適性を見極めることもできます。
法律の範囲内での調査
調査内容は、法律に抵触しない範囲で行うことも大切です。
職業法規にも明記されているバックグラウンドチェックは、「業務の目的達成に必要な範囲内」での個人情報収集になります。
職業安定法(第五条の四)では、求職者等の個人情報の取扱いとして「その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。」と規定されています。
<厚生労働省の指針>
職業紹介事業者等は、その業務の目的の範囲内で求職者等の個人情報を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならない。ただし、特別な職業上の必要性が存在すること、その他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りでない。
- 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他の社会的差別の原因となる事項
- 思想及び信条
- 労働組合への加入状況
また、バックグラウンドチェックは、コンプライアンス面に十分留意して取り組む必要があります。
企業独自で取り組むには、法的なリスクが発生しやすく、専門調査会社の利用をおすすめします。
バックグラウンドチェックから想定されるケース
候補者の経歴詐称が発覚
候補者の中には、採用に少しでも有利に働くよう経歴を誇張したり、偽っている人もいます。
詐称するつもりはなく、軽い気持ちで事実を曲げているケースも少なくありません。
もし、このような経歴詐称が採用後に発覚した場合、社内問題となり、場合によっては解雇することもあります。経歴を偽る行為は、社内の規則や法律を守ることへの意識も低いという見方もできます。
申告内容に嘘や誇張があると、基本的な信頼関係を構築することが難しくなります。
候補者の人物像が会社にマッチしない
近年の企業採用では、採用の定着率を高めるため、カルチャーマッチを意識した採用が増えています。カルチャーマッチとは、企業のカルチャー(社風や理念、考え方、価値観等)に、応募者が共感したかどうかを採用基準に設ける方法です。
カルチャーマッチを採用基準に設けることで、早期離職に伴う金銭的、機会的なコストを削減できます。
また、従業員エンゲージメントや社内コミュニケーションの活性化など、労働生産性の向上にもつながります。とくに、候補者の短所や長所、コミュニケーションスキルなど、人柄に関する聞き取りが必須です。
企業が、一緒に働きたいと思える人物かどうかを確認することができます。
前職での職務遂行に関する質問や、実績確認、課題解決能力、トラブル対処力、リーダーシップの有無などが挙げられます。
候補者の人物像や人柄、これまでの勤務状況が企業側の求めるものかの判断材料になります。
候補者の話と事実の乖離
候補者が面接時に話したことと、聞き取り調査での結果が大幅に乖離している場合があります。
たとえば、面接で実績を誇張して話すケースや、携わっていない業務に対して経験があるといったケースです。虚偽の話をするつもりはなくても、都合の悪い事実は面接で伝えにくいものです。
実際にはないものを「ある」として話したことが判明すると、マイナス要素になることは当然ともいえます。
この相違が、企業と候補者のミスマッチになります。
まとめ
日本では、アメリカなどの諸外国ほどのバックグラウンドチェックは行えませんが、雇用リスクを小さくするという目的のためには有効な方法です。
また、応募者にとっては、その情報が真実のみであれば、情報の裏付けとなり歓迎するものとなります。
採用に失敗したくないと考えれば、バックグラウンドチェックを導入することが必要です。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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