バックグランドチェックで資格が本当かは調べられない?リスク回避のために取れる方法は?
会社が新卒採用や中途採用を行う際、就職希望者のキャリアを把握することは簡単ではありません。
そこで使われてきた手法がバックグラウンドチェックです。
だた、バックグラウンドチェックはプライバシーに関わる部分も調査対象となっていて、チェック方法を間違えると違法となる可能性があります。
ということで今回はバックグラウンドチェックで調査する内容と、法律違反になるリスクを回避する方法について解説していきます。
バックグラウンドチェックでは何を調べるの?
バックグラウンドチェックは雇用前の身元調査のことで、選考中に就職希望者のキャリアをチェックするために行われています。
欧米では当たり前ですが、日本ではあまり馴染みのあるものではありません。
ですが近年、日本の雇用情勢も価値観が変化し、転職回数が増えたことでバックグラウンドチェックを導入する会社も増えてきました。
さまざまなキャリアの人材が採用市場に出てきているので、就職希望者のキャリアを正確に把握しにくくなったからです。
バックグラウンドチェックの実施は、通常は会社が実施することは少なく、調査会社に委託されることがほとんどです。
では、実際バックグラウンドチェックでは何を調査されるのでしょうか。
ここからはバックグラウンドチェック調査項目について説明していきます。
1. 学歴
就職希望者の学歴について調査できます。
履歴書に書かれている内容が事実かを、卒業証明書の提出または学校に在籍確認をすることができます。
2. 職歴
履歴書のキャリアに嘘がないか確認します。
主に雇用形態やどのくらいの期間勤務していたか、従事していた業務内容について、過去の勤務先に電話やメールで確認します。
3. 反社チェック
就職希望者が反社会勢力と関わりがないか確認します。
反社会勢力とは「暴力、威力と詐欺的な手法を使って、経済的利益を追求する集団や個人」のことを言います。
暴力団だけではなく、一般的に不良と呼ばれるグループや詐欺の集団または個人とその関係者までが含まれます。
4. 犯罪歴
就職希望者の過去の犯罪歴を調査します。
警察や裁判所のデータベースで確認できますが、日本は犯罪歴が原則非公開となっているので過去のニュース報道などメディアを調査するのが一般的です。
5. 民事訴訟歴
就職希望者の民事訴訟歴も調査できます。
民事訴訟歴は公的機関ではデータベース化されていません。
そのため主に委託された調査会社が持つ独自のデータベースで確認します。
6. 破産履歴
就職希望者の破産履歴も調査することができ、こちらは官報で公開されている情報を調査します。
7. インターネットやSNS調査
近年ではインターネット上の調査も一般的になっていて、過去にSNSなどで不適切な投稿をしていないかも調査できます。
これらの情報はプライバシーに含まれる部分も多く、違法か合法かの判断が難しいです。
バックグラウンドチェックの効果
バックグラウンドチェックには2つの効果が期待できます。
ここからは、バックグラウンドチェックを実施する2つの効果について説明していきます。
効果①:就職希望者が自分のキャリアについて嘘を言っていないか確認できる
雇用する側はたくさんの候補者の中から、履歴書と職務キャリア書、そして面談で得た情報のみで採用するかを判断することになります。
ですが、ここで挙げられたキャリアはあくまでも就職希望者の自己申告によるものです。
バックグラウンドチェックを行えば、この情報が事実なのかチェックすることができます。
応募書類に嘘を記載していないか確認するための手段としては、とても有効な方法だと言えます。
効果②:就職希望者がどの程度信用できる人物かチェックできる
もう一つは就職希望者の信用性を採用選考時にチェックでき、会社側は安心感を得ることができます。
なぜなら調査範囲は職歴だけでなく、犯罪歴、破産歴、訴訟歴まで調べるからです。
通常得られない情報を念入りに調べることで、会社側に不利益を与える可能性のある人物が入社することを防げます。
バックグラウンドチェックの代わりにリファレンスチェックの導入を
就職希望者のキャリアを調査する方法として、バックグラウンドチェックの他にリファレンスチェックがあります。
それぞれ実施する目的に違いはありますが、調査できる項目は類似するものがあります。
ここではリファレンスチェックの調査内容やメリット・デメリットについて説明していきます。
リファレンスチェックとは
リファレンスチェックは、就職希望者の上司や同僚など仕事ぶりを知っている人から、就職希望者の人となりやスキルを調査する方法です。
バックグラウンドチェックは、トラブルが起きそうな候補者を採用しないよう選り分けることが目的です。
一方でリファレンスは、就職希望者が会社に合うかの相性を見ることが目的になります。
リファレンスチェックの調査内容
リファレンスチェックでは、就職希望者と会社との相性を確認するため以下の内容を調査します。
- 職歴やキャリア
- 退職理由
- 人となりや勤務態度
- 仕事をする能力やスキル
- 採用候補者が活躍するために配慮すべきこと
リファレンスチェックのメリット・デメリット
バックグランドチェックの代わりにリファレンスチェックを行うメリットは、法的リスクが低いことです。
バックグラウンドチェックは、調査項目に差別につながるような「要配慮個人情報」があるので、どこまで調べていいかの判断が難しいところです。
その点、リファレンスチェックでも資格やスキルについては調べることができ、法律に触れる可能性も低いというメリットがあります。
反対にリファレンスチェックのデメリットは、トラブルに発展しそうな就職希望者を選り分けられないことです。
バックグラウンドチェックは、業務に無関係な情報も調査対象となっていることもあり、違法性が指摘されています。
資格の有無はリファレンスチェックでも可能です。
会社側は資格の有無を確認すること関して言えば、法律に抵触する可能性の低いものを選んだ方がいいでしょう。
まとめ
バックグラウンドチェックで就職希望者の資格が事実か調べることは可能です。
ただバックグラウンドチェックに関しては、そのほかの項目で法律に抵触する可能性が高いものがあり、どの程度まで調査をしていいかの判断は難しいところ。
同じく就職希望者について調べることができる方法にリファレンスチェックがあります。
リファレンスチェックは就職希望者と会社のマッチングについて調査するので、業務に従事する資格を持っているか確認しても法律に触れる可能性は低くなっています。
バックグラウンドチェックにもリファレンスチェックにも、それぞれメリット・デメリットがあるので、何を優先するかに合わせて実施してください。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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