信用調査で債務整理したかはわかる?わからない?
信用調査で過去に借金を返せなかった、長期延滞していたことがわかるのではないかと不安に思う方、もしくはわかるのなら調べたい方もいるでしょう。そもそも信用調査とは何か、債務整理と関わりがあるのかなど解説します。
信用調査とは
信用調査には2種類あり、どちらも資産や支払い能力の有無など経済状況をメインにした調査といえます。
企業信用調査
ひとつは企業と企業の間で行われる企業信用調査です。
新規取引や既存取引先との事業拡大、もしくは縮小を行うにあたって経営状況、債務の有無について調べます。調査方法としては、以下の4つで行われることがほとんどです。
- 自社で保管している経理などの書類確認や担当社員への聞き取りを行う社内調査。
- 取引先に面会、メールなどで聞き取り、決算書を入手する直接調査。
- 商業登記簿で資本金の増加率、不動産登記簿で所有者および抵当権者の数、インターネット検索などの間接調査。
- 信用調査会社による依頼調査。
信用調査会社に依頼すると必然的に間接調査や直接調査も行われることが多いため、コストはかかっても時間と労力の削減につながります。
個人信用調査
もうひとつは個人信用調査です。この場合はローンやクレジットカードの申込時に行われる金融会社などが行う調査と、採用調査から結婚や離婚、遺産関連などで行う調査があります。
金融会社による返済能力を確認する信用調査ならば、ローンなどの契約、返済状況が記録されている信用情報の開示が可能です。しかし、調査機関による個人信用調査の場合、会社のように決算書などがあるわけではなく、信用情報は本人か加盟会員でなければ開示できないため、借金の有無や金額については官報のチェックや聞き取りによる調査と併せて推察することになります。
債務整理は大きく3つ
消費者金融からの借入、ローンなどの借金、いわゆる債務の返済が難しいときに行うのが、債務整理という手続きです。返済能力によって主に3種類あります。
無理なく返済する任意整理
債務を減額しつつ、3〜5年かけて無理のない完済を行うのが任意整理です。具体的には、債権者と毎月の返済額や返済方法を交渉し、合意に至れば返済合意書、和解契約書などを作成します。
あくまで債権者との話し合いによるものなので、他の方法と比べると減額度合いは多くなく、すべての債権者が合意に応じるかわからない、信用情報に記録されるというデメリットがありますが、裁判所を通さないため準備や手間が少ない、借入理由の制限がない、家族に知られることなく手続きしやすいというメリットも大きいでしょう。
大幅減額する民事再生(個人再生)
継続的な収入はあるものの完済は難しく、持ち家を残したいときに行うのが、大幅減額できる民事再生(個人再生)です。返済額や方法をまとめた原則3年で完済する再生計画案を債権者集会で決議し、裁判所が認めれば最大80~90%の減額が可能で、借入理由の制限もありません。
債務者にとってはありがたい制度ですが、デメリットとしては申立書以外に債権者一覧、収入証明書、財産一覧、家計の状況などの各書類を揃える労力、家族に知られずに手続きをするのは難しく、信用情報だけでなく官報に住所や氏名が載ることが挙げられます。また、再生計画案による返済が滞ると取り消しとなり、元の借金を全額返済する場合もあります。
借金免除の自己破産
返済が不可能な場合に行うのが、自己破産です。裁判所に破産申立書を提出し免責許可が下りれば、税金や養育費、給料の請求権などの非免責債権以外は全額免除となります。
ですが、免責許可が下りるには収入、借金の額はもちろん、借入理由についても調査され、場合によっては許可されないこともあります。
デメリットとして手続き中は警備員など就けない職業があり、免責後は破産法第34条などによって手元に置ける現金や預貯金の金額、所持できる家具、家電の制限、同法第37条で居住地の変更には裁判所の許可が必要、官報に住所、氏名が掲載されるなどがあります。メリットも大きいですが、デメリットも少なくありません。
上記の3つ以外には、債権者との調整を行う特定調停や消滅時効の援用などもあります。収入と借入額、債権者の数などを考慮して、最も最適な方法を選択しましょう。
債務整理が及ぼす影響とは
債務整理を行うと、周囲にバレたり会社を解雇されるんじゃないかと思う方もいるかもしれません。影響がまったくないわけではありませんが、基本的に裁判所や弁護士からの郵便物を目にする機会がある家族以外に知られることや債務整理によって会社で処分されるようなことはないといえます。
信用情報に記録される
任意整理、個人再生、自己破産、どの手続きを行っても、必ず信用情報にはその旨が記録されます。これは返済状況を示す項目があり、延滞や裁判所が決めた破産手続きなどがあると異動、事故情報として記録されます。
情報の保有期間は手続き方法と信用情報機関によって違いはありますが、概ね5年~10年程度です。信用情報は返済能力を調査するためのものなので、当然、そうした情報が保有されている間はローンやクレジットカードなどの審査が通りにくくなるでしょう。
ただし、信用情報の開示は本人か加盟会員のみ、返済能力の調査に限定されているため、それ以外では開示できません。
官報に掲載される
個人再生と自己破産の債務整理を行った場合には、官報という国の公的伝達手段として発刊されている機関紙に住所、氏名、内容、日にち、手続きをした裁判所などが掲載されます。
ちなみに掲載のタイミングは、個人再生の場合は個人再生手続きが決定したとき、書面決議、意見聴取が決定したとき、再生計画の認可が決定されたときの計3回、自己破産は破産の手続きが開始されたとき、免責許可が下されたときの2回です。
官報は普通の雑誌のようにコンビニ、書店での販売はなく、官報販売所や国会図書館、インターネット(直近30日分は無料)で見ることができます。誰でも購入、閲覧可能ですが、金融や警察、保険などと無関係の知人がたまたま官報を見て債務整理していたことが発覚する可能性はかなり低いといえます。
まとめ
企業信用調査においては商業登記簿をはじめ公開されている情報があるため、経営状況や債務についてもある程度把握できますが、個人信用調査の場合はそうはいきません。信用情報は家族であっても法定代理人でなければ開示できないため、探偵などの調査機関に依頼し、細かい情報を積み重ねたうえで判断したほうがいいでしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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