【公安】悪徳探偵に依頼しないためにやるべきこと
探偵業務を行うためには、「正規の届出」を行っておく必要があります。しかし、中には届出を行わず、不正な調査方法で調査費用を請求する悪質な探偵業者も存在しており、依頼する側も、「信頼できる探偵」を見つけておく必要があります。
そこで、今回の記事では、悪質探偵に依頼しないためにやるべきことを、解説していきたいと思います。
正規の探偵は公安の届出が必要
探偵業を始めるためには、営業所を管轄している公安委員会に「届出」を行う必要があります。届出を行うことで、公安委員会から「探偵業届出証明書」が交付され、正規の探偵として業務を行うことができるのです。
探偵業届出証明書とは
探偵業届出証明書とは、探偵が業務を行うために必要な許可証で、「公安委員会」から交付してもらう必要があります。届出証明書は探偵業法第12条第2項にあるとおり、営業所内に設置しておくのが規則となっています。
※警察署に届出を行うことで、公安委員会から探偵届出許可証が交付されます。
「探偵業法第12条第2項」営業所の見やすい場所に掲示しなければならない
探偵事務所に足を運んだ際には、届出を確認することで、悪徳な探偵業者に依頼しないようにすることができます。
届出証明書交付にはいくつかの条件がある
届出証明書を交付してもらうためには、以下の条件に全てクリアしている必要があります。
- 破産手続きの決定を受けて復権を得ていない
- 禁錮以上の刑、または探偵業法違反による罰金刑に処せられ、その執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年経過している
- 直近5年間で探偵業法に基づく営業停止、廃止の処分に違反していない
- 暴力団、暴力団員でなくなった日から5年以上経過している
- 心身の故障を理由に探偵業務を停止させていない
- 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が、上記のいずれにも該当しない
- 法人で役員である場合、上記全てに該当していない
このように探偵の届出を行うためには、いくつかの条件をクリアしておく必要があり、「悪徳業者」ではクリアできない項目も多数あります。
届出に必要なもの
探偵の届出は、営業の前日までに「所在地を管轄する警察(生活安全課)」を通して行わなければなりません。届出には以下のものが必要になります。
- 商号、名称または氏名、住所
- 営業所名、所在地
- 広告、宣伝で使用する名称(必要な場合)
- 履歴書
- 本籍記載の住民票写し
- 欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 身分証明書
※法人の場合は「登録事項証明書」 - 届出交付費用
公安に探偵の届出を行わないとどうなるか
届出を行わずに探偵業務を行うと、営業停止はもちろん、さまざまな罰則を受けることになります。悪徳探偵を見つけた際には必ず警察に相談しましょう。
無届で探偵業を行っていた場合の罰則
無届で探偵業を行っていた場合、探偵業法第18条により、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。
「探偵業法第18条」
次の各号のいずれかに該当するものは、「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」
- 第4条第1項の規定による届出をしないで探偵業を営んだ者
- 第5条の規定に違反して他人に探偵業を営ませた者
- 第14条の規定による指示に違反した者
このように無届で探偵業を行った場合、厳しい処分を受けることになります。これらの罰則は「もともと届出を出していない場合」はもちろん、「途中で届出許可を取り消された場合」も該当するため、正規の探偵業者であっても、場合によっては罰則を受ける可能性があります。
反社の場合は届出証明書を偽造している可能性もある
稀な例ですが、反社組織や半グレ関係者で運営している探偵事務所の中には、「届出証明書を偽造している」ところもあります。届出を確認することが優良探偵業者を見つける第一歩ですが、悪質な探偵業者に捕まらないために、届出だけでなく、素行や事務所内の雰囲気、調査員の雰囲気などをしっかり観察しておいた方が良いでしょう。
信頼できる探偵業者に依頼するために
悪徳な探偵業者を見つけるために「届出証明書の確認」は非常に有効な方法の一つです。ここでは、届出を確実に行っている探偵の確認方法をご紹介したいと思います。
届出証明書を確認する方法
確実な方法は、実際に探偵事務所を訪れて「届出証明書」をチェックすることです。自分で確認できない場合は内部の人に設置場所を聞き出してみるのもいいでしょう。確認のために写真を撮らせてもらうなどの方法も有効です。(偽造したものは拒否する可能性があるため)
また、見るだけでは不安という方は以下の方法でチェックすることも可能です。
営業所在地管轄の警察署に確認する
探偵は必ず管轄内の警察署に届出を提出しているため、警察署に問い合わせることで照合してもらえる可能性があります。ただし、通常業務に問題が無いにも関わらず、悪徳探偵を排除するなどの目的で連絡していると断られてしまう場合もあるため注意してください。(明らかに不正な調査、不誠実な対応などがあった場合に相談しましょう。)また、都道府県によって届出の照合を行わない場合もあります。
独自の規制団体に所属している可能性
加入義務はありませんが、信頼や信用を得るため、「業界団体」などに所属している探偵業者も存在します。全国調査業協同組合では、より安心で安全な業務を行える環境を作っているので、これらの団体に所属しているかを確認してみるのもいいでしょう。
まとめ
今回の記事では、悪徳探偵に依頼しないための方法について、公安委員会の届出を中心に解説させて頂きました。反社や半グレ組織で活動している人は基本的に届出証明書を交付してもらうことが出来ないので、「届出=安全」という図式が出来ます。
ただし、前述したように、届出を偽造して正規探偵事務所を装っている悪徳業者も存在するため、依頼する場合は注意が必要です。届出の確認、接客の対応、調査費用、事務所の雰囲気など、さまざまな点からチェックして、悪徳な探偵業者に依頼しないように気をつけましょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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