探偵の調査方法はプライバシーの侵害にあたる?調査の違法性について解説

探偵が行う調査では、尾行、張込み、聞き込みといった方法が利用されますが、尾行や張込みといった行動は、ストーカー行為やプライバシーの侵害になるのではないか?という疑問を持っている人も多いと思います。そこで、今回の記事では、探偵調査とライバシーの侵害や違法性について、詳しく解説していきたいと思います。
探偵は個人情報を取り扱う業務

身辺調査や浮気調査など、探偵が求められるシーンは数多く存在します。探偵業務では、主に個人情報を取り扱うため、「個人情報保護法」に違反してしまう危険性を持った職業の一つと言えるかも知れません。ここで、個人情報とプライバシーについて確認していきましょう。
個人情報保護法
個人情報保護法は2005年に作られた「個人情報を守るための法律」で、5000件以上の個人情報を取り扱う業者の規則として確立されました。個人情報保護法は2017年に法改正し、「個人情報を取り扱う時点」で、法律が適応されることになっています。
また、2022年4月には、新たな法改正が試行され、権利保護の強化や、法令違反に対する罰則の強化など、さまざまな点が改正されています。
「2022年4月より改正される変更ポイント」
- 本人の権利保護強化
- 事業者の責務追加
- 特定分野団体を対象とする認定団体制度の設立
- 個人データのデジタル化促進
- 法令違反の罰則強化
- 外国事業者の検査、罰則強化
なお、探偵は業務を行うにあたって、「探偵業法」という法律を守る義務があるため、個人情報の取り扱いとともに、探偵専門の法律を守る必要があります。
プライバシー権とプライバシーの侵害
プライバシー権とは、個人の容姿、生活情報などの事柄を守るために定められた権利のことです。以下の条件に全て当てはまった場合に「プライバシーの侵害」として、民事上で裁判を通して争うことができます。
※刑法で定められているわけではないので、プライバシーを侵害したとしても犯罪になることはありません。
- 個人の私生活やその他の情報開示(本人の意思と関係なく)
- 誰にも知られていない情報
- 第三者に情報が開示されたことで、本人が不快に感じている
個人情報保護法は法律で定められていることに対し、プライバシー権には法的拘束力がありません。プライバシーの侵害行為をされたからといって、逮捕することはできず、民事上で争う以外の方法は存在しません。
探偵調査はプライバシーの侵害行為にあたるのか

探偵が行う調査方法は、探偵業法に則って行う「正式な調査方法」です。探偵側が法律に準ずる調査方法を行なっている場合は、プライバシーの侵害にあたることはありません。ただし、違法な調査方法や、法律違反を犯してしまった場合はその限りではありません。
探偵調査でプライバシーの侵害に該当してしまうケース
前述した通り、プライバシーを侵害するためには、三つの条件が必要となります。探偵業務において、この条件に該当してしまう行為は全て「違法行為」のみです。具体的に解説していきます。
個人情報を第三者や不特定多数の人に公開する行為
探偵業務において、調査対象者の生活状況やプライベートな情報は必ず手に入ります。しかし、それらの情報を第三者に口外することは決してありません。それは探偵業法に違反した行動であり、探偵業を運営する上で絶対にやってはいけないことの一つです。
また、依頼者側に関しても、調査によって知り得た情報を公開することは「違法行為」であるため、調査前の契約書にて確約することになります。
誰にも知られていない情報を公開する行為
これについても、上記と同様で、探偵業者にとっては「違法行為」であるため、絶対にやってはいけない行為です。これらの行為を行う可能性があるのは「悪徳業者」や「反社会的勢力」と繋がりのある探偵業者のみです。真っ当な運営を行なっている探偵事務所では、こうした行為は絶対に行いません。
第三者に情報を知られたことで当人が不快になる状況
探偵業務において、情報が漏れてしまう可能性があるとすれば、「調査失敗」による二次災害です。調査対象者を尾行して気づかれてしまったなどの場合に、二次災害で情報が漏れることもあります。しかし、探偵業務は「対象者に知られてしまった時点」でやめなければいけないという規則があるため、それ以上のトラブルになることはありません。
探偵にプライバシーの侵害をされないための対処法

探偵業務は法律に則って行う正規の業務です。しかし、中には悪徳な業者や反社会的勢力との繋がりを持った探偵もいるため、そういった業者に個人情報を悪用される可能性も否定はできません。そこで、ここでは、そういった探偵業者を避けるための対処法を解説したいと思います。
実績のある大手の探偵事務所に依頼する
大手の探偵事務所は「違法な調査」や「信用を落とす調査」を行うことはほとんどありません。また、個人情報などの取り扱いにも細心の注意を払っており、専属弁護士などによって、法的トラブルにも対応できるため、初心者の方でも安心できるのがポイントです。
個人情報の取り扱いやプライバシーに関しての相談も請け負っているため、依頼前に相談をして下調べをするのもいいかも知れません。
違法調査を行う探偵は避ける(反社会的勢力など)
個人経営の探偵は、違法な調査や強引な調査を行うことも多く、GPSや盗聴器を使った調査なども行なっている場合があります。(これらの調査は違法です。)また、反社会的勢力の人間が運営している事務所も数多く存在するため、依頼者が事前にチェックしておく必要があります。口コミや実績などをネットで調べる、直接相談するなどして対応状況を調べるのも有効です。
まとめ
今回の記事では、探偵の調査がプライバシーの侵害にあたるかについて、解説させて頂きました。基本的に、探偵の調査がプライバシーの侵害に該当することはありません。しかし、違法な調査方法を利用していたり、悪徳な業者であった場合は、簡単にプライバシーを侵害する行動を取る可能性も否定できません。調査を依頼する際には、必ず「探偵業者の選定」を行なって、個人情報の取り扱いに注意してください。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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