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探偵コラム

企業における背任行為を解明する!詳しく解説

社員の不正は、貴社の不利益に直結する大きな問題です。
このような事象が起こった場合、企業は二度と繰り返さないための策が必要になります。
そのためには、社員の背任行為について理解しておくことが大切です。

業務上の横領・背任行為について

背任罪

刑法247条(背任)
「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
背任罪は、他人から事務を任されている者が、自分や第三者の利益を図るために、任されていた任務に背き、その相手に損害を与えることで成立します。

業務上横領罪

刑法253条(業務上横領)
「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。」
業務上における背任行為について、裁判所はその責任を重く見る傾向にあり、原則として、懲戒解雇事由に該当すると考えられています。
背任行為についての懲戒処分は、以下の要素を考慮し判断が下されます。

  1. 背任行為の金額・回数・期間
  2. 背任行為を行った者の地位
  3. 業務関連性

特別背任罪

会社法 第960条(取締役等の特別背任罪)
次に掲げる者(一定の権限を有する者)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
「特別背任罪」は名前の通り「背任罪」の特別な類型で、権限を与えられた役員等を対象としています。
法定刑は、背任罪が「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に対し、特別背任罪は「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方」と非常に厳しい処罰が科せられます。

<株式会社における対象者>

  • 一 発起人
  • 二 設立時取締役、設立時監査役
  • 三 取締役、会計参与、監査役、執行役
  • 四 仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者
  • 五 一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役、代表執行役の職務を行うべき者
  • 六 支配人
  • 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人
  • 八 検査役

<特別背任罪が成立する構成要件>

  1. 行為の主体
    特別背任罪の主体は、会社から大きな権限を与えられた社会的責任のある役員等に限定されているのが特徴です。
  2. 行為の目的
    ・自己若しくは第三者の利益を図る目的(図利目的)
    ・株式会社に損害を加える目的(加害目的)
    特別背任罪の判断には、その目的が重要な構成要件になります。
    もし、会社に損害を与えたとしても、会社の業績向上を目的として行った場合は、成立しないことにもなります。
  3. 任務に背く行為
    任務に背く行為を「任務違背行為」といいます。
    具体的には次のようなケースが考えられます。
    ・会社に無承認で行う不正融資、不正取引
    ・回収の見込みが無いにもかかわらず、十分な担保をとらずに行う不良貸付
    ・会社と取締役間の不正な取引
    ・不正に経費を水増し等する粉飾決済
    ・貸付限度額を超過する不当貸付
  4. 会社の財産上の損害
    財産上の損害とは、任務違背行為により財産価値の減少、あるいは増加するはずの財産価値が増加しない場合を言います。

背任行為による逮捕

社員の背任行為では、社内での事実確認の後、背任行為の事実があったことが判明すれば、その社員に対して会社の損害を賠償してもらう必要があります。
背任行為が刑事事件となった場合は、主に在宅事件として日常生活を送りながらの捜査や裁判を行うことになります。
在宅事件、身柄事件いずれの場合も、取調べ等の捜査を経て、起訴・不起訴が決定されます。

警察による取り調べ

在宅事件の場合、警察は被疑者を呼び出して取り調べを行い、捜査の後、検察官に送致するべきと判断すれば、検察官に事件が送致されることになります。(書類送検)
他方、警察が取調べした結果、微罪処分に該当すると判断すれば、検察官に送致することなく、警察限りで事件を処理して終結されます。

身柄の勾留

勾留とは、被疑者・被告人が逃亡したり、証拠を隠滅するのを防ぐ目的で、警察署の留置施設等に身柄を拘束する手続きをいいます。
勾留するためには、勾留の理由・勾留の必要性があることが条件になります。
勾留は最大20日間と長期間となるため、被疑者は仕事や私生活への影響が大きくなります。

検察への送致・送検

検察へ事件が送致された場合は、被疑者の身柄、事件の証拠や資料などとともに、検察官へ事件が引き継がれます。
検察官は、事件の送致を受けてか24時間以内に被疑者に対して勾留請求するかどうかを判断するための取調べを行います。
検察官が裁判官に対して勾留を請求し、裁判官が勾留決定すると、この勾留状に基づいて検察官が被疑者を勾留します。
被疑者は、最大20日間留置施設に拘束されることになります。

起訴・不起訴の決定

勾留が満期を迎える日までに、検察官は起訴又は釈放の決定をします。
証拠不十分や罪に問う必要のない事情と判断されれば、不起訴処分により釈放されます。
起訴の場合は、刑事裁判に移行します。
起訴されると、被疑者は「被告人」の立場となり、さらに勾留を受け、刑事裁判を待つことになります。
検察官によって、裁判の開廷を提起することを起訴といいます。
起訴された事件は、原則的に裁判が開廷され、多くは有罪判決となります。
不起訴処分は、検察官が被疑者を起訴しないと判断した場合です。
捜査の結果、事件の犯人ではない「嫌疑なし」又は、犯人だと言うには疑いが残る「嫌疑不十分」と判断された場合に不起訴処分となります。
また、犯人である疑いは濃厚であるが、犯罪の情況などに鑑みて「起訴猶予」になるケースもあります。

刑事裁判

検察官により起訴された場合は、裁判になります。
裁判の種類には2通り、正式裁判と出廷する必要のない略式裁判があります。
検察官が懲役刑を求刑する場合は正式裁判となりますが、罰金刑を求刑する場合は、略式裁判となることがあります。略式裁判は、100万以下の罰金や科料に相当する事件を対象とした裁判手続きです。
また、刑事裁判において有罪判決が言い渡された場合であっても、当該判決の内容に不服がある場合、被告人は判決を言い渡された日から14日以内に高等裁判所へ控訴を申し立てることができます。
控訴の申し立てがなく、判決から14日経過すると有罪判決が確定します。
そして、実刑判決が下されると、刑務所に収監されることになります。
実刑判決とは、執行猶予が付かない有罪判決のことをいいます。
執行猶予は、有罪判決にもとづく刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再度罪を犯さないことを条件として、刑罰権を消滅させる制度です。
しかし、執行猶予期間中に再犯した場合、猶予していた期間の懲役刑に新たな懲役刑の期間が付加され判決が言い渡されることになります。

まとめ

企業などの組織での背任行為は、経営陣だけでなく会社全体が一丸となって、会社を守るといった日頃からの共通認識が大切です。

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