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探偵コラム

横領はどういう行為なのか、具体例をまじえて解説!

ニュースで目にする横領といえば何千万円、億単位という高額事件が多いため、自分とは関係ないと思いがちです。思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、何をしたら横領になるのかをしっかり知っておきましょう。

横領罪の種類と解釈 

横領罪と聞いて、企業犯罪をイメージする人は少なくありません。しかし、実は刑法によって、以下に分類されています。

基本となる横領罪(単純横領)、業務に関わる者が行う業務上横領罪、そして落とし物などの遺失物等横領罪の3つです。それぞれ細かい違いはありますが、「自己の占有する他人の物を横領した者」に対する刑罰という点は共通しています。

自分か他人か

あまり聞きなれない「占有」という言葉が、横領罪のポイントとなります。
民法上の基本的な意味としては「自己のために意思をもって物を所持すること」や「自己の支配下に入れて有すること」とあり、ほぼ所有と同義です。

しかし、横領罪においては若干解釈が広くなるため、通常の解釈とは異なります。
まず、前提として横領罪は「自己の占有する他人の物」であり、「他人の占有する物」を不法に取得した場合は窃盗罪が適用されます。

現金と預金の占有

横領罪の占有の解釈が異なるのは、現金、預金などです。
民法上、現金は占有者=所有権があると認識されており、昭和39年の最高裁判所にて「金銭の直接占有者は特段の事情のないかぎり、その占有を正当づける権利を有するか否かにかかわりなく、金銭の所有者とみるべきである」という判例が出ています。正当にかかわりなく…という点が気になりますが、もし、元占有者に所有権があるとしたら、いつ「そのお金は自分のだから返せ」と言われるかわからず、安心して使えません。現金による交換や支払い機能を維持するためといえます。

しかし、「特段の事情」があれば、占有者であっても所有権は認められません。そのひとつが横領というわけです。例えば友達からチケット代として現金を預かった場合、占有者は自分でも、所有権は友達にあります。

では、銀行の預金はというと、基本的に占有者は預金者となります。所有権はどうかというと、現金同様、すべてにおいてあるとはいえません。自分の口座に入金すれば、自由に払い戻しをして現金化できることからも、占有、所有権ともに事情によっては認められないこともあります。

単純横領のケース

横領の基本ともいえる通称単純横領は、刑法第252条「自己の占有する他人の物を横領した者は5年以下の懲役に処する。2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も前項と同様とする」と定められています。

横領罪には業務などの条件はなく、「自分が預かっている他人の物を、自分の物として不当に取得、扱うこと」で成立します。

友達同士でも成立可能

よくあるケースとしては、友達に借りたゲームや服などを売ったり、捨てたというもの。この場合、返却を求められたときに現物がなく、返せないためバレるという流れが多いようです。少額であれば刑事事件に発展する可能性は少ないかもしれませんが、失った信頼は取り戻せません。高級アクセサリーや希少品の場合は損害賠償、告発ということも十分、考えられます。

また、先述しましたが、友達からチケット代として預かった現金を本来の目的ではなく、私的に使い込みをした場合も横領罪が成立する可能性が高いといえます。

これは現金の所有権はあくまで友達にあるという解釈の上に成り立ちます。もし、民法の解釈通り、占有=所有権という解釈のままだと現金は自分の物となるため、私的に使っても罪に問われないことになってしまいます。

業務上横領のケース

業務上横領は、刑法第523条「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する」と、横領よりも刑罰が重く定められています。

横領と異なるのは、「業務として預かっている者」によって行われた行為であることです。この業務とは企業に限ったことではなく、「社会生活上の地位に基づいて反復または継続して行われる事務」と定義されています。反復か継続して行われているかがポイントで、その行為に対して費用が発生するか否かは関係ありません。

会社や店舗だけでなく、PTAでも成立

多いのがお金を着服するケースで、会社なら経理担当者などが少額の着服を長年に渡って行っていた、店舗ではレジ締めを担当していた者が着服していたなどがあります。どちらも監査や帳簿の確認、担当者の変更時に発覚することが多いようです。

また、利益の発生しないPTAなどでも会計担当者が会費を使い込んだ場合、業務上横領が成立する可能性は非常に高いといえます。実際、PTAの会長や会計担当者、学校関係者による業務上横領が発覚し、懲戒免職、逮捕にまで至ったこともあります。

遺失物等横領のケース

遺失物等横領は、刑法第524条「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する」と、横領よりも軽い刑罰が定められています。

横領と業務上横領が「他人から預かった物」であったのに対し、遺失物等横領は「誰も所持していない、他人の物」が対象となります。誰も所持していないのに他人の物というと、落とし物などが挙げられます。

落とし物、誤配送も注意が必要

遺失物等横領でよくあるのが拾った落とし物を交番に届けず着服するというケースです。窃盗じゃないの?と思うかもしれませんが、道に落ちているということは「占有を離れた」状態であるため、横領が成立する可能性が大きいです。

また、宅配や郵送が誤配送された物を業者に返さずに、売る、捨てるなど自分の物として扱う行為も遺失物等横領が成立すると考えられます。着服するつもりはなく、返すのを忘れていたということもあると思いますが、いらぬ嫌疑をかけられないためにも、まずは業者に誤配送の連絡をするのが先決です。

まとめ

横領には様々な種類があり、大企業だけで起こる犯罪ではありません。
疑惑があっても仕事仲間にしろ友達にしろ信頼している相手ゆえに、言い出しづらいものです。何の確証もないまま本人に伝えてしまうと証拠隠滅されるおそれがあるため、探偵などの調査機関に相談してみましょう。

投稿者プロフィール

この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
この記事の著者:PIO探偵事務所 調査員 T.K
10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。

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