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探偵コラム

意外と知らない、お金の横領と企業の対応とは?詳しくご紹介

横領罪は、テレビや新聞などのニュースで目にする人も多いと思いますが、占有する他人の財物(金銭や物品)を横領した場合に成立する犯罪です。
横領とは、不法に他人または公共の物を自分の物にする行為を意味しています。

横領罪とは

横領罪には3種類

横領罪は、

  • (単純)横領罪
  • 業務上横領罪
  • 遺失物等横領罪

の3種類があります。
横領罪での逮捕は、実刑判決による刑罰を負うことになります。
遺失物等横領罪では罰金刑、(単純)横領罪や業務上横領罪で逮捕、起訴されると執行猶予がつかなければ、懲役刑となります。

単純横領罪とは

単純横領罪は、自分が占有している、もしくは預かっている他人物を勝手に自分の物であるかのように処分してしまうことです。
対して、窃盗とは他人物をその人の意思に反して、若しくは排除して自分の物として利用したり処分する行為を指します。
会社の経理人が預かっている会社のお金を使えば「横領」となり、経理課以外の者が会社のお金を盗めば「窃盗」になります。

業務上横領罪とは

新聞やテレビのニュースで目にする横領罪は、多くの場合、「業務上横領」を指します。
たとえば、社員が出張の旅費交通費を水増し請求する行為は、業務上横領にあたります。
「業務上横領」とは、業務上で自分が占有する会社経費などの他人の物を横領する行為です。
業務上横領の場合、信頼関係が重視される業務の中で、他人の信頼を損なって行われる行為として、単純横領罪よりも罪が重くなります。
業務とは、「社会生活上の地位に基づき反復・継続して行われる事務」のことを指し、 職業上の活動に限らず収入の伴わない、家庭生活上の活動以外の行為とされています。
会社などでの仕事・作業、町内会やPTA、クラブ活動などの仕事も含まれます。

遺失物等横領とは

「遺失物等横領罪」とは、「占有離脱物横領罪」とも呼ばれ、遺失物や漂流物などのような、他人の占有を離れた物を横領する行為です。
たとえば、落とし主の不明な財布を拾って、自分のものにした場合などが挙げられます。

その他の法律用語(補足)

  • 【事務】
    仕事とほぼ同義。生活上の人間の利益に影響を及ぼす行為。
    法律行為や事実行為を問わず、不作為は含まれない。
  • 【職務】
    国、公共団体その他の団体の職員等がその地位に応じて担当する当該団体の事務。
    国家公務員については、「国家公務員の職階制に関する法律」(昭二五法一八〇、平二一廃止)において、職員が遂行すべきものとして与えられた仕事と定義されています。
  • 【事業】
    一定の目的をもって、反復し継続的に遂行される同種行為の総体を指します。
    また、営利の要素は必要とせず、営利目的は問いません。
    会社法上では、個人商人における営業に対応するものとして、その会社の行う活動を一般に「事業」と呼んでいます。
  • 【業務】
    社会生活上、反復継続して行われる事務又は事業。
    利益を伴わないものも含まれます。
    業務は正当に行われることが重要であり、法律では、これに対する妨害を処罰し、業務を行う者に特
    別の義務を課しています。

横領行為の対応

ここでは、業務上横領を犯した社員への対応について述べています。

企業の対応

企業の規定である就業規則に基づいての制裁罰を、「懲戒処分」といいます。
横領に対する懲戒処分では、懲戒解雇と懲戒減給が一般的です。

  • 【懲戒解雇】
    就業規則に基づく懲戒処分として、従業員を解雇することです。
    能力不足や病気などを理由とする普通解雇とは異なり、一種の制裁罰として行う解雇であり、悪質な行為の処分として執行されます。
  • 【懲戒免職】
    懲戒免職は、公務員に対する強制解雇のことを指します。
  • 【懲戒減給】
    就業規則に基づき、当該従業員の給与を減少させることです。
    減給処分では、労働者の生活に及ぼす影響が大きいため、労働基準法第91条において、懲戒減給の限度額を規定しています。
    懲戒減給の限度は、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超えないことと、減給の総額が賃金の総額の10分の1を超えない程度になります。

懲戒解雇の原則

企業における懲戒処分の判断は、企業が独自で行うことになります。
ここからは、企業が懲戒解雇(免職)を行うための法的な考え方を解説します。

  1. 罪刑法定主義の原則
  2. 適正手続の原則
  3. 相当性の原則
  4. 平等取扱の原則
  5. 個人責任の原則
  6. 二重処分禁止の原則
  7. 効力不遡及の原則

①罪刑法定主義の原則

罪刑法定主義の原則とは、憲法上の大原則で、法律の中で明記がなければ、そもそも処罰できないとい
うことです。
つまり、企業が社員に対して懲戒処分を下す場合、就業規則に懲戒解雇(免職)についての具体的事由が規定されている必要があります。

②適正手続の原則

適正手続の原則とは、適正な手続きによって処分されなければならないことです。
懲戒解雇(免職)を行う場合、就業規則や労働協約に手続きについての定めがあれば、それに従って手続きを行う必要があります。
もし、適正な手続きを履践しない場合は、懲戒解雇が無効になる可能性もあります。

③相当性の原則

相当性の原則とは、懲戒解雇(免職)がその事由と均衡している必要があることです。
処分内容が、重すぎるたり必要限度を超えている場合は無効となります。
背景や経緯、情状酌量の余地なども考慮し、客観的に処分を行わなければなりません。

④平等取扱の原則

平等取扱の原則とは、以前に起こった事案又は、以前と同様の処分の均衡性を考慮することです。
同じ問題行動に対して、毅然とした対応で平等な処分を下す必要があります。

⑤個人責任の原則

個人責任の原則とは、個人の問題行動はあくまで、個人の責任であることです。
処分はあくまでも個人単位です。連帯責任などの責任義務のない者への処分はできません。
ただし、就業規則に具体的な規定があり、管理職の管理責任を処分対象する場合があります。

⑥二重処分禁止の原則

二重処分禁止の原則とは、同一事由に対しての処分を複数回はできないことです。

  • 過去に処分を受けた事由により再び処分を受ける
  • その当時は、処分の対象外とされた事由が後に撤回され処分される
  • 発覚後、処分・検討がされなかった事由が、突然処分される

⑦効力不遡及の原則

効力不遡及の原則とは、新たな処分対象事由を定めた場合に、その規定での処分は、規定前の事案には適用できないことです。
懲戒事由は多様化しており、企業は定期的な事由の見直しも必要です。

刑事上の責任

企業における横領行為では、行為態様によっては詐欺罪や私文書偽造等罪、背任罪などに該当する場合もあります。
ここでは、従業員の横領による刑事上の責任追及を考えてみます。
一般的な方法としては、警察機関に対して告訴状を提出します。
ただし、逮捕・起訴されることで横領事件として公に広く知られる可能性が高まるため、企業としても慎重な対応が必要となります。

横領事実を認め、謝罪の意志がある場合

本人が横領の事実を認め、謝罪・返済の意思を示している場合に、刑事事件にしないケースです。
示談書を作成して、横領金額を特定、その返済方法を定めます。
返済を受けている間は、被害届等を提出しない、又は、不履行があれば期限の利益を喪失して被害届を提出する旨などを定め、企業への損害賠償性を高めます。

横領事実を認めない場合

横領を認めない、返済意思がない場合であれば、まずは、告訴する意思を相手に示します。
示すことで、民事的な解決の方向へ進む可能性があります。
また、警察機関が動き出せば、横領の事実を認めて返済への意思を生じさせるケースもあります。
企業としては、他の従業員に同じような行動をとらせないよう、厳しい態度で臨む必要があります。
しかし、当該従業員のこれまでの功績や今後の貢献にも期待して、考慮するケースもあります。

まとめ

横領行為は、金銭に限らず、個人や会社の預かっている財物を無断で処理する行為です。
組織内部でこのような事件が起これば、会社は迅速な対応と最小限での損害リスク回避を考える必要があります。

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