アルバイトの横領はどう対処すべき?探偵に頼んで証拠集めをする場合もある

もしも、あなたの会社やお店で雇っているアルバイトが横領事件を起こしたら、どのように対処すべきでしょうか。なるべく穏便に済ませたいので、示談に持ち込みたいと思っても、証拠がなければ、弁護士に相談できません。まずは探偵に相談して証拠集めをする必要があります。この記事では、そんなアルバイトの横領の対処のしかたを横領と窃盗の違い、アルバイトの横領の事例を踏まえてご紹介します。
横領と窃盗の違い

アルバイトの横領の対処について触れる前に、混乱しやすい横領と窃盗の違いについて説明します。横領と窃盗は、それぞれどんな行為か、違いはどんなことか挙げてみましょう。
横領は管理を任されている他人のものを自らのものにする行為
横領とは、管理を任されている他人のものを自らのものにしてしまう行為です。どういうことなのか、具体的に説明します。
たとえば、あなたが毎週月曜の朝7時~12時までコンビニでアルバイトしているとします。そうしますと、アルバイトしている時間は、お店の商品やレジのお金を店主から任されているということです。仮に、あなたがレジのお金を一部でも自分のものとして持ち出してしまうと、それは横領罪になります。
窃盗は他人の財物を盗んで自分のものにする行為
窃盗は、ただ単に他人の財物を盗んで自分のものにする行為のことです。こちらも、具体的に説明しましょう。
仮に、ある人物が電車の中で居眠りをしている人のカバンの中から、そっと財布を抜き取り、自分の物にしてしまったとします。この場合は窃盗です。
違いは管理を任されているかどうか
横領と窃盗の違いは、管理を任されているかどうかということです。
上の例で説明しますと、コンビニのアルバイトの場合は、アルバイトとして雇われているため、バイト時間においては、店の商品とレジのお金の管理を任されています。しかし、電車の中の窃盗は、管理を任されている物を盗んだわけではなく、居眠りしていた人が所有する財布を盗んだということです。ここに大きな違いがあります。
アルバイトの横領の事例

上記の窃盗との違いを踏まえ、アルバイトの横領の事例を2つご紹介します。1つめはコンビニ、2つめはファミリーレストランです。
コンビニのアルバイトの横領
ある男子大学生がコンビニでアルバイトしていました。このコンビニでは、ある程度の時間がたつとお弁当やお惣菜を廃棄処分にするという決まりがあります。しかし、それをもったいないと思った大学生は、廃棄処分の食品をこっそり家に持ち帰りました。
上の事例は、お金ではありませんが、横領罪にあたる可能性が高いです。アルバイトとして管理を任されているにもかかわらず、店のルールに従わず、所有者に無断で持ち出したからです。刑法における「業務上横領罪」になるでしょう。業務上横領罪は、刑法253条によりますと、10年以下の懲役になります。
ファミレスのアルバイトの横領
ファミリーレストランのアルバイトの横領もご紹介します。ある就職浪人の女性は、ファミリーレストランでアルバイトしていました。
女性は毎週土日深夜に会計を任されていました。店長がレジのお金の計算をすると、毎週土日の深夜に限ってレジのお金の計算が合わなくなります。不審に思った店長が女性に問いただしたところ、レジのお金を毎週いくらか持ち帰っていたことを白状しました。
探偵に依頼してアルバイトの横領の証拠を見つける

アルバイト本人が横領を認めているのであれば、そこから解決策を話し合うことができますが、認めていない場合は、どのように対処すべきでしょうか。そのまま警察に通報もできますが、できれば穏便に済ませたい場合は、横領の証拠見つけに長けている探偵に調査を頼むこともできます。
自分で証拠を見つけるのは大変
たとえば、コンビニなどで明らかにあのアルバイトの仕業と思われる横領があったとしても、証拠がなければ、そのまま逃げられてしまうこともあります。それは何とか避けたいものでしょう。
しかし、業務で忙しい店主などが証拠探しをするのは、なかなか大変です。それに他のアルバイトに頼むことも憚れます。また、いかにも証拠探しをしているというそぶりを見せてしまうと、疑いのあるアルバイトがそのままやめてしまう可能性もあります。
横領事件に強い探偵に相談
上記のようなことを避けるには、第三者に頼むのが一番でしょう。おすすめは、横領の証拠探しに長けた探偵です。
探偵のホームページを調べて、横領時間を多く扱っている探偵事務所を見つけてください。たいていの事務所は無料で相談、見積もりを行うので、活用してみるのも良い方法です。確実な証拠を見つけたら、アルバイトと話し合ってみましょう。
弁護士に頼んで解決方法を考える

ケースバイケースですが、証拠をみつけて弁護士に依頼することもできます。アルバイトが横領した額にもよるでしょう。大きな額であれば、場合によっては警察に訴えることも考えられますが、弁護士に相談して示談にもっていくこともできます。
証拠を見つけたうえで弁護士に相談
弁護士は証拠がないと、動けないので、探偵に見つけてもらった証拠を見せた上で、相談すると良いでしょう。
こうしたアルバイトの横領を扱ったことのある弁護士事務所をホームぺージや知り合いの評判などから、探してみてください。こうなった経過や証拠があることなどを話せば、弁護士の方も対応しやすいです。
示談にするかどうか考える
弁護士や加害者と話し合い、初めての犯行であれば、会社が損害した分を弁償してもらうことで示談にすることも考えられます。しかし、会社で厳重注意をしても何度も繰り返す、懲戒処分にしてもやめないというケースだと、被害届や告訴などを検討する必要があります。
このように、アルバイトの横領は弁護士に入ってもらうことで、解決できるケースも多いです。たとえアルバイトであっても、横領罪に問われるケースがあることをよく理解しておきましょう。
まとめ
アルバイトでも横領罪になることがあります。横領とは、管理を任されている他人のものを自分のものにする行為です。たとえコンビニの廃棄弁当であっても、アルバイトが店主に無断で持ち帰るとなると、横領罪にあたる可能性もあります。
店の商品のようにわずかな額であれば、厳重注意のみで終えることは多いです。しかし、額が大きい、本人が認めない、悪質と思われるのであれば、確実な証拠を突き付けて認めさせる必要があります。そのためには、探偵に証拠集めを頼むのもおすすめです。証拠があれば、弁護士に依頼して示談にすることもできるでしょう。