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探偵コラム

筆跡鑑定は拒否できる場合とできない場合がある?

差出人不明の手紙や、偽造文書判別の際に、筆跡鑑定を依頼する場面があると思いますが、もし、自分が疑われてしまった場合、筆跡鑑定は受けなければいけないのでしょうか?
そこで、今回の記事では筆跡鑑定を拒否できる場面と、そうでない場面について解説していきたいと思います。

筆跡鑑定とは

筆跡鑑定とは、複数の筆跡を比較して、その文字を書いた人物が同一人物であるか、別人であるかを判別する鑑定方法です。筆跡の照合には鑑定人による鑑定と共に、機械による精密な照合も行うため、非常に精度の高い鑑定が可能となっています。

筆跡鑑定人はプロ揃い

筆跡鑑定は、元々警察内部組織である、文書解析係から進化したものであり、現在でも科捜研などをはじめ、現在でも捜査の第一線で使われている鑑定方法です。ベテラン筆跡鑑定人の多くは、警察官や科捜研出身であり、信頼性も高く、裁判でも筆跡鑑定によって勝訴している鑑定人が多数存在します。

増え続ける「えせ筆跡鑑定人」

上記の通り、ベテラン筆跡鑑定人の多くはプロフェッショナルとして信頼されており、裁判でいくつもの実績を残しています。しかし、そうした鑑定士を差し置いて、技術も実績もない「えせ鑑定士」が増え続けているのです。こうした問題の背景には下記のような理由があります。

筆跡鑑定士は公式な資格が存在しない

プロの筆跡鑑定人は、国家資格として資格を保有してもいいほど有能な方々ばかりです。しかし、現在の日本では筆跡鑑定に関する公式な資格が一切存在しません。そのため、筆跡鑑定人になりたい人が、「今日から筆跡鑑定人です」と言えば、筆跡鑑定人になれてしまうのです。

筆跡鑑定人になる条件は特にない

筆跡鑑定人になる条件は全くないのです。これは、素人がいきなり筆跡鑑定人を名乗っていいことと同じで、非常に大きな問題です。もちろん、素人であれば筆跡鑑定など出来るわけがないので、鑑定結果は適当になってしまいます。素人による筆跡鑑定によって、実際にトラブルが起きた事例もあるのです。

筆跡鑑定は調査の一部

筆跡鑑定は、依頼者の人生を大きく左右する可能性のある鑑定方法ですが、多くの場合は、他の調査と同時進行で行われることが多く、物的証拠の一つとして処理することも少なくありません。そこで、身辺調査を行う一部の探偵業者などは「副業的に筆跡鑑定も行なっている」ことが多く、えせ鑑定士を増加する要因の一つともなっています。

裁判所では筆跡鑑定を証拠として採用しないことも

実績のある有名な筆跡鑑定人であれば、証拠採用しないということはありませんが、実績もなく、鑑定内容に不備があるような場合は、裁判所で証拠として採用しないケースも増えています。その結果、「筆跡鑑定は裁判で使えない」というイメージが広まっており、悪循環を及ぼしていると言えるでしょう。

筆跡鑑定は拒否できる

筆跡鑑定は法律で定められたものではありません。捜査や個人調査の一環として行われる鑑定なので、鑑定対象者は鑑定を拒否することが出来ます。ただし、鑑定拒否することで生じてしまうデメリットもあるため、時と場合によって臨機応変に対応する必要があります。

知人、友人からの鑑定依頼

付き合いの長い友人や知人である場合は、鑑定する理由をしっかり確認した方がいいでしょう。一方的に鑑定を拒否することで、これまでの友情に亀裂が入ってしまうこともあります。逆に自分を陥れるために、筆跡鑑定を依頼している可能性もあるので注意が必要です。「何のための筆跡鑑定なのか」をしっかり精査し、対応しましょう。

会社からの鑑定依頼

会社から筆跡鑑定を依頼される時点で「何らかの疑いを掛けられている」可能性があります。筆跡鑑定を受ける前に、その疑惑について会社側に説明を求めてください。ここで一方的に拒否すると、会社に不利益を与えたとして、何らかの制裁を受けてしまう可能性があります。(会社側不正の可能性もある)
疑いを晴らすために、筆跡鑑定を受けてしまうのもいいかもしれません。

家族からの鑑定依頼

家族からの鑑定依頼であった場合、「なんらかの疑い」の他に、「潔白を証明させるため」にあえて筆跡鑑定を受けてほしいという願いが込められていることもあります。ここでも一方的な拒否は行わず、筆跡鑑定をするための理由について、しっかりと話し合いを行ってください。

筆跡鑑定を拒否できないパターン(拒否しない方がいい)

基本的に筆跡鑑定を拒否することで、社会的マイナスになるような問題はあまり起きません。ただし、一部の状況下では筆跡鑑定を拒否できない可能性があります。ここでは、その状況下について解説したいと思います。

裁判所からの筆跡鑑定依頼

裁判所から筆跡鑑定依頼を受けた場合は、筆跡鑑定を拒否できない可能性があります。裁判所で筆跡鑑定を依頼する理由には下記の理由があります。

裁判の証拠として採用するため

裁判中であれば、証拠として提出してもらうことが理由となっており、裁判の進行状況にもよりますが、この時点で鑑定拒否してしまうと、裁判で敗訴してしまう可能性もあります。(訴訟を起こした側である場合)

相手側から民事訴訟を起こされたため

民事訴訟によって、筆跡鑑定が裁判と争点となっている場合は、裁判所から筆跡鑑定を依頼することがあります。ここで筆跡鑑定を拒否すると、裁判では不利な状況となってしまうため正確な判断が必要になります。

警察からの筆跡鑑定依頼

警察からの筆跡鑑定などは任意であるため拒否することが出来ます。ただし、鑑定拒否を行うと犯人の疑惑を持たれてしまうため、最悪の場合礼状をとって、強制的に筆跡鑑定を行わせることもあります。そうした状況下では非常に不利なため、心当たりがなく、潔白なのであれば筆跡鑑定を受けてしまった方が安全です。

まとめ

いかがだったでしょうか?筆跡鑑定を拒否すること自体は何の問題もなく行えることですが、拒否したことによって起こる事象が、時と場合によって大きく異なるため、その後の状況に応じて対応する必要があります。何も悪いことをしていないのであれば、堂々と鑑定を受けてしまう方がいいのかも知れません。

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