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筆跡はどうやって鑑定してる?筆跡鑑定を解説!

犯罪や事件の人物特定や、行方不明者の捜索に利用されることもある「筆跡鑑定」ですが、筆跡から同一人物を特定するだけでなく、筆跡からその人間の性格や、その時の感情などを読み解くことも出来る有力な証拠の一つです。そこで、今回の記事では筆跡鑑定とはどんなものなのか、詳しく解説していきたいと思います。

筆跡鑑定とは

筆跡鑑定とは、いくつかの筆跡から同一人物、別人かを識別するための方法で、主に当事者の書いた文章やメッセージなどを解析します。筆跡から人物の性格、感情、人格などを予測することが可能で、事件や捜査の有力な手がかりとして利用されることがあります。

筆跡鑑定には5つの分野が存在する

文字を扱う研究は古くから行われており、筆跡に関することでも5つの分野が存在します。

  1. 形態、筆記法の研究
    法科学と筆跡学を統合した研究
  2. 形音義の研究
    (読みやすさ、書きやすさ、美しさなどの直感的、主観的に捉える教育で、書家、古筆家、国語教師などが該当する)
  3. 法科学
    筆跡を比べて同一人物か、別人かを鑑定するもので、筆跡鑑定に一番使われる分野(偽札、偽造印刷鑑定にも利用される)
  4. 筆跡学、心理学
    筆跡から性格や心理を探る研究で、筆跡鑑定に利用されることも多い
  5. 情報工学
    機械やAIによるも認識、人物識別、書写教育などの分野で利用されることの多い研究。今後、筆跡鑑定をAI化するという流れもあり、これからも発展する可能性の高い分野

これらの研究を行う学会は、国の公的機関「日本学術会議協力学術研究団体」に、正式な学会として認められています。ただし、筆跡学、心理学に関しては学会が存在せず、国が学問として認めていないため、研究としての認知度は低くなっています。
筆跡鑑定はこの分野から独自の方法で行なっていることが多く、扱う分野によって筆跡鑑定方法は異なるという点を覚えておきましょう。

筆跡学、心理学の鑑定

筆跡学、心理学はヨーロッパ系ラテン文字の書相学が発展したものと言われています。世界では「擬似科学」や「似非科学」などと呼ばれており、筆跡鑑定の世界では全世界に認められた筆跡学と言えます。
米国司法では、「筆跡心理学から、心理的な証明は可能だが、筆者識別の科学的証拠能力はない」として、筆跡鑑定と筆跡学が区別されています。
日本では、筆跡鑑定の世界にいくつかの問題が存在するため、証拠能力としては低く、筆跡学や心理学が裁判で認められる可能性が低くなっています。

法科学による筆跡鑑定

法科学による筆跡鑑定は、筆跡鑑定方法の中でも一番ポピュラーなものと言えます。法科学で判明することは下記の通りです。

  • 筆跡が同じであるか
  • 自分の筆跡を隠している、他人の筆跡に寄せている(偽造)
  • 使用した筆記用具
  • 偽造、抹消、改ざん、隠蔽などの不正行為
  • ハンコなどの印影証明、偽造の判別
  • 印刷物の偽造確認など

筆跡鑑定によって偽造を調べることも出来るので、契約書の改ざん、偽造サインなどを調査するために使用することもあります。

日本の筆跡鑑定

このように、筆跡鑑定では当事者の筆跡から様々なことを調べることが出来ます。契約書の偽造や改ざんはもちろん、場合によっては筆跡から行方不明者を特定することも出来るかもしれません。しかし、日本の筆跡鑑定はいくつかの問題を抱えているのも事実です。

筆跡鑑定には特別な資格が必要ない

現在の日本では、筆跡鑑定士になるための条件として、特別な資格が必要ありません。その結果、知識も経験も浅い「にわか筆跡鑑定士」が増加し、裁判所としても証拠として扱わないケースが急増しているのです。
昨今、浮気や不倫調査に探偵業者が利用されるのは常識となりましたが、そういった業者の中には「筆跡鑑定」を請け負っているところもあります。ですが、そういった業者に正式な筆跡鑑定士がいるわけではなく、「自称筆跡鑑定士」や「にわか鑑定士」が在籍しているだけということもあります。
その結果、筆跡鑑定の質は大きく下がり、裁判所としても「証拠に値しない」という判断を下すに至っているのです。(筆跡鑑定自体が証拠にならないわけではありません。有力な筆跡鑑定書が採用されることもあります)

エセ鑑定士による詐欺事件

元探偵が以前調査の過程で、筆跡鑑定まがいなことをしていたこともあり、資格を必要としない筆跡鑑定士へと転身しました。しかし、まともに勉強していなかったこともあり、その鑑定書はデタラメで矛盾が多いものでした。そうした鑑定書を不審に感じた依頼者が弁護士に相談したことがきっかけで、詐欺罪が適応され、元探偵は逮捕されることとなりました。
こうした詐欺行為を行う筆跡鑑定士が増えおり、依頼する側も事前に調査を行わなければいけない状況が増えています。

筆跡鑑定を依頼するには?

「自称筆跡鑑定士」や「エセ筆跡鑑定士」に遭遇しないためにも、依頼する側で信頼のできる鑑定士を探す必要があります。そこで、ここでは信頼のできる筆跡鑑定を依頼する方法をご紹介したいと思います。

法科学鑑定を行なっている専門機関へ

探偵業者でも筆跡鑑定を請け負っているところがありますが、法科学を軸に実績のある鑑定を行ってくれる機関へ依頼することをお勧めします。裁判所から鑑定委託されているようなところであれば、信頼性は確実なものと言えるでしょう。
費用が安いからといって、怪しい鑑定士に依頼することはリスクが高いのでおすすめ出来ません。

複数の業者に問い合わせてみる

実績のある業者や鑑定士であれば、回答に矛盾はなく、親身に回答してくれるはずです。筆跡鑑定はその特殊性から費用的にも高額になりがちです。しかし、実際に裁判等に証拠提出しているような実績のある業者であれば、費用と鑑定内容が比例しているはずです。そういった点を見極めるためにも、いくつかの業者に問い合わせ、詳しい話を聞くことをお勧めします。

筆跡鑑定歴の長い鑑定士に依頼する

筆跡鑑定は時代が変化しても、その鑑定方法に大きな変化がないことから、長年にわたって多くの経験と実績を積んだ鑑定士が優れているといっても過言ではありません。10年以上の実績がある鑑定士を探すようにしてみましょう。証拠能力の高い裁判実績が多ければ、なお、お勧めです。

まとめ

今回の記事では、筆跡鑑定はどのようにして行われるのか、日本の筆跡鑑定の現状について解説させて頂きました。今後も自称、エセ筆跡鑑定士が増えていくようになるかも知れません。しかし、長年の経験から素晴らしい技術を持った鑑定士が多いことも事実です。筆跡鑑定を依頼する際には、信頼のある鑑定士を納得のいくまで探すようにしてください。

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