筆跡鑑定に必要なもの4つ!筆跡鑑定をするべきケースも解説
筆跡鑑定の精度を上げるために必要なものは、「原本」、「書いた時期が近い書類」、「似た状況で書かれた書類」、「同じ種類の書類」、の4つです。必要なものをどの程度揃えられるかで、筆跡鑑定の精度が変わってきます。今回は筆跡鑑定に必要なものと併せて、筆跡鑑定が必要なケースについて、それぞれ詳しく解説します。
筆跡鑑定が必要なものとされる4つのケース
筆跡鑑定に必要なものを確認する前に、そもそも筆跡鑑定が必要とされる状況について、下記の4つのケースをご紹介します。今回は、遺言書における事例を確認しましょう。
- 本人が書いたものとは思えない内容
- 本人の自筆か疑わしい
- 相続者の一人が偽造を主張してきた
- 文章を書ける状況でないのに作成された
本人が書いたものとは思えない内容
遺言書の内容が、本人が書いたものとは到底思えないケースです。本人が生前に話していた内容を照らし合わせて、まったく辻褄が合わない遺言書になっていることもあります。
たとえば、事業や家を長男が継ぐことが話し合われていたのに次男になっていた、あるいは縁を切っており音信不通だったはずの子どもが遺産の全額をもらうことになっている、といった事例が当てはまります。
この場合、遺言書の中で遺産を受け取ることになっている人物が遺言書を偽装した可能性も否定できません。
本人のものか疑わしい筆跡
遺言書を読んでみて、本人の字か疑わしい場合は筆跡鑑定をした方がよいでしょう。身内であれば、ほとんどの場合、本人の字を目にしたことがあるはずです。そして、筆圧や字のクセを把握しているもの。少しでも違和感を感じたら、筆跡鑑定を依頼しトラブルを回避することをおすすめします。本人の財産を狙う、自分以外の相続者が書いたり、本人を脅すなどして無理やり書かせたことも考えられます。このようなケースでは、筆跡鑑定により偽造者の特定も可能です。
自筆かどうか疑わしいレベルではなく、明らかに別人の字と思われる遺言書についても、筆跡鑑定をおこないます。相続者の何人もが「本人の字ではない」としても、第三者に別人のものであると証明してもらう必要があります。
相続者の一人が偽造を主張してきた
自分は遺言書の信憑性に疑いを持っていなくても、他の相続者が「偽造ではないか」と言ってきたケースでも、筆跡鑑定をした方が良いといえます。遺言書が偽造であると訴えられた場合、本当に故人が書いたか証明しなければならないからです。
文章を書ける状況でないのに作成された
故人が認知症を患っていたなど、通常文章を書くのが難しい状況にあるのに遺言書が書かれた、といった場合も筆跡鑑定をするべきでしょう。遺言書は、頭の中で内容を整理し、書き間違えないように集中して書く必要があり、重度の認知症などがある場合にはかなり難しい作業となります。このような場合は、遺言書の作成日の確認も欠かせません。
筆跡鑑定に必要なもの4つ
筆跡鑑定にあたって準備しておくべき、必要なものは下記の4点です。
- 遺言書などの原本
- 書かれた時期が近い書類
- 似た状況で書かれた書類
- 同じ種類の書類
原本以外は、いずれも鑑定を依頼する文書に、書かれた時期や文書の種類や書かれた状況が「近い」もしくは「似ている」ことが共通しています。
ここからは、筆跡鑑定に必要なもの4つについてそれぞれ解説します。
遺言書などの「原本」
筆跡鑑定の精度を上げるために欠かせないもの、それは遺言書などの「原本」です。コピー機の性能がかなり高くなってきたとはいえ、筆順や筆圧などが本人のものか検証するためには原本を用意することが基本になります。
筆跡鑑定では文書上にある3次元的要素が重要な役割を果たすとされています。3次元的要素とは、下記の3点です。
- 運筆や筆順
- 文字構成の上下
- 改ざんした文字の有無
コピーでは文字が劣化し、これらの3次元的要素を見極めることは難しいとされます。
書かれた時期が近い書類
精度の高い筆跡鑑定に欠かせないものとして、書かれた時期が遺言などと近い時期の文書があります。遺言が書かれる前と後、両方の書類が揃えば、より正確に本人の字か否かを判別できるとされています。
似た状況で書かれた書類
遺言などが書かれた状況と近い環境下で書かれた書類も、筆跡鑑定の際に用意した方がよいものの一つでしょう。たとえば筆圧は、机で書いのかこたつで書いたのかによって変わりますし、筆記具もボールペン、万年筆、鉛筆など様々で、それにより字の状態が微妙に異なります。
遺言などは人目につかない場所で静かに書くようなケースも多く、そもそもどのような状況で書かれたのか想像するのが難しいこともあります。故人が書いた状態がある程度わかるような場合には、なるべく準備すると良いでしょう。
同じ種類の書類
筆跡鑑定する書類と同じ種類の書類を用意することも重要です。同じ人物でも、書類によって慎重に丁寧に文字を書いたり、ある程度崩してスピーディーに書いたり、さまざまです。たとえば手紙を筆跡鑑定する際には、同じ相手との別の手紙があれば、それを用いるのがベストです。
筆跡鑑定される書類としては遺言が多いですが、遺言については他に同様の遺言が何枚もあるといったケースは考えにくいといえます。そのため、遺言を書いた時期に近い日付で書いた手紙など、他の文書を用意するのが現実的かもしれません。
まとめ
今回は、筆跡鑑定が必要とされるケース、筆跡鑑定に必要なものについて解説してきました。内容や筆跡が本人のものと思えないようなものだったり、他の相続者が偽物だと主張してきた場合には、早めに筆跡鑑定を依頼しましょう。また、精度の高い筆跡鑑定に必要なのは、原本と、鑑定する書類に時期や種類、書かれた状況などが「似ている」あるいは「近い」文書です。筆跡鑑定の精度が高ければ、相続者間でのトラブルを最小限にし、長引かせずに済むかもしれません。筆跡鑑定を検討している方は、実績数や顧客からの評判などをよく確認し、安心できる鑑定業者に依頼することをおすすめします。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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