字が薄くてよく見えない…こんな状態でも筆跡鑑定は可能?
筆跡鑑定を依頼するにあたって、鑑定してもらう文字が不鮮明だと難しいのではないかと思っていませんか?字が薄い、経年劣化して文字がかすれてしまっているなど見づらい文字は鑑定できないと思われがちですが、近年ではいろいろな方法があり、科学的な方法を用いて鑑定も可能です。
多角的に鑑定する筆跡鑑定
筆跡鑑定はただ単に見た目の文字が似ているかどうかだけでなく、多角的に分析を進めます。例えば字画検査があります。字画検査は文字の形だけでなく、止まりや払い、曲げの部分の特徴について細かく検査する方法です。人によって文字の書き方には特徴があります。教科書などで文字を覚えるのですが誤って書き方を覚えてしまった、書きやすい形に自分オリジナルに書き方を変えることで個性が出てきます。たとえ文字が薄くても、この特徴を見つけることで同一人物の書いたものかどうか判別は可能です。
また筆圧検査もあります。筆圧検査は文字の中でどこに力がかかっているか、逆に力の弱いところはどこかで文字の特徴を見つけていく方式です。人は、一つの文字をすべて全く同じ筆圧では書きません。どこかにメリハリが出てきます。このような筆圧の特徴は文字が薄い人にも見られます。この筆圧の変化を見極めることで、文字の鑑定を行います。
まねた文字も鑑定できる?
中には別人の書いた文字を見ながら、その人の文字をまねて書くケースもあるでしょう。このような文字を偽筆と言いますが、筆跡鑑定で見極めることもできます。偽筆で書かれた文字にはいくつか特徴が出てきます。線に震えが見られたり、筆継ぎや留めの部分に不自然な形が残りがちです。文字が薄くても、このような偽筆の特徴が表れる可能性は高いです。ですから字が薄いだけで鑑定できないとあきらめるのは尚早です。
光学解析法で対応する場合も
字が薄すぎて人の目では見えない文字の場合どうする、と思う人もいるでしょう。筆跡鑑定を行っている事業所では光学を用いた解析で対応している場合もあります。具体的には赤外線や紫外線を使った分析です。例えば経年劣化して、文字がかすれてしまうこともあるでしょう。このかすれた文字を復元するために、光学検査が用いられます。
過去にあった事例の中で、とある骨壺の主を鑑定するものがありました。その骨壺、名前が消えてしまってだれのお骨かわからないような状態になりました。目視では難しくても光学機器を用いれば復元も可能です。骨壺の鑑定では、まず赤外線検査が実施されました。その結果、うっすら文字が見えるようになったものの名前までは判明できなかったといいます。
住職にヒアリングをしたところ、名前を骨壺に記載するにあたって朱色と墨色の文字を使っていたとのことで、今度は蛍光検査が実施されました。紫外線を使った検査で紫外線を照射することで傾向に変化したところをピックアップして解析する手法です。こうすることで名前を浮かび上がらせ、誰がどの骨壺の持ち主かが分かったそうです。これは骨壺の名前を判明させるための事例ですが、文字がかすれて不鮮明で人の目では判別できないような文字でも、光学機器を使えば復元させられます。すなわち字が薄くても筆跡鑑定は十分行えます。
改ざんもチェックできる
例えばもともと薄い文字で書かれていたものの上から書き直すことで、内容を改ざんするケースもあるかもしれません。例えば領収書の金額を書き換えるなどです。もともとの字が薄ければ、筆圧の強い字で書き直すと元の痕跡が一見するとなくなるかもしれません。しかし科学的な筆跡鑑定であれば、どのように書き直されたか、もともと何が書かれていたかも判別することは可能です。紫外線解析でどこが後日書き加えられたのか、赤外線解析で元の文字を復元することも可能です。
筆跡鑑定できないケースはある?
字が多少薄くても機械を使って文字を復元して、鑑定することはできます。字が薄い、見えにくいものでも鑑定できるのなら、なんでも鑑定できると思う人もいるでしょう。しかし筆跡鑑定も完ぺきではありません。まずは、当人の筆跡がない場合です。筆跡鑑定は調査対象の文字と提出された特定の人物の文字を比較して、同一人物が書いたものかどうか判断するものです。比較対象のものがなければ、鑑定のしようがありません。また当人の筆跡の数が少なすぎても鑑定が難しくなります。いろいろな文字があったほうが、その人の書き方の特徴がより鮮明になって、同一人物の筆跡かどうか精密に判定できます。
また比較対象の文字が、その人がかなり昔に書いた文字だった場合、鑑定が困難になります。皆さんも心当たりがあるでしょうが、年齢を重ねるとともに同一人物でも筆跡は少しずつ変わってきます。子供のころの書き方を大人になってもずっと維持する人は少ないでしょう。もし筆跡鑑定を依頼するのであれば、できるだけ執筆時期が近いその人の文字を提出するのがおすすめです。
人物特定は難しい
筆跡鑑定では、文字から性別や年齢の判別をするのは困難と言われています。筆跡の特徴を見ることで、高齢者の書いた文字とか手の不自由な方の字など大まかであれば推測はできるかもしれません。しかし性別や年齢をピンポイントで何歳と特定することはできません。筆跡鑑定のスキルは日々進化しています。一見すると判別のできない文字の鑑定はできるようになりましたが、それでも依然として鑑定できない事例もありますので、その部分はあらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
字が薄い、かすれていて何が書かれているのかわからないものだと、鑑定しても判明しないだろうとあきらめてしまいがちです。しかし科学的な鑑定方法も駆使すれば、かすれて文字が消えかかっているような薄いものでも判定は可能です。繰り返しコピーした結果、文字が薄くなってかすれているような状態でも鑑定は可能といわれています。もし薄い文字しかないけれども当人が書いたものかどうか鑑定してほしいと思うのであれば、一度問い合わせてみましょう。相談だけであれば無料で受け付けているところも多いです。できるだけ細かく状況を説明して、アドバイスを受けましょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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