「不貞行為の慰謝料」支払いは遅れてもいいの?詳しく解説

不倫や浮気によって慰謝料を支払うことになっているのに「お金が準備できていないから支払えない。」「払いたくないから逃げたい」などの理由で支払いが遅れてしまうとどうなってしまうのでしょうか。
そこで、今回の記事では慰謝料の支払いを遅延してしまった場合、どんな罰則などがあるのかを解説していきたいと思います。
支払いが遅れると遅延損害金が発生する

不倫や浮気といった不貞行為は、夫婦関係に亀裂を生むだけではなく社会的地位を失ってしまう可能性もあります。また、慰謝料という形で金銭的にも損害を被るようになるわけですが、慰謝料の請求を拒む行為や、踏み倒す行為にはさらに罰則が課せられるようになっているのです。
遅延損害金とは
遅延損害金とは決められた請求額に対して、約束の期日通りに支払われなかった場合に損害賠償として支払うためのお金です。これは借金やローンなどの支払いが滞ってしまった際に発生する延滞料に近いシステムですが、慰謝料の場合は示談書を作成する際に「延滞した際には遅延損害賠償を請求します」といった内容を記載していない限りは適応されることはあまりありません。
しかし、慰謝料の支払いで取り決めを行なっていなかったとしても、被害者側から遅延損害金の請求をされる可能性はあります。
また、そういったケースでは「示談書に記載していない」という理由で支払いを拒否することは出来ないので注意して下さい。
遅延損害金の利率
慰謝料の遅延損害金延金は上限が定められており、下記の通りとなります。
・慰謝料10万円未満の場合、最大(年間29.2%)の利率
・慰謝料100万円未満の場合、最大(年間26.28%)の利率
・慰謝料100万円以上の場合、最大(年間21.9%)の利率
遅延損害金の利率はこのようになっていますが、示談書に記載していない場合でも法廷利息の5%を請求することができるため、遅延損害金の約定をとっていなくても請求することが可能です。
遅延損害金は年間の利息として加算されることになるので、慰謝料を支払うことになっているのであれば早めに完済することを心がけましょう。
不貞行為の慰謝料を高額にするための証拠集めとは?
慰謝料を多く受け取るためには、確実な証拠が重要です。不貞行為があったことを証明するためには、どのような証拠が必要なのでしょうか?ここでは、慰謝料を高額にするための効果的な証拠集めの方法を解説します。
肉体関係を証明する証拠が重要
慰謝料の請求には、単なる疑いだけではなく、相手が肉体関係を持っていたことを示す証拠が必要です。メールやメッセージのやり取り、ラブホテルの領収書、二人が一緒にいる写真などが有力な証拠となります。
証拠の収集は探偵の力を借りる
自分で証拠を集めるのは困難であり、場合によっては危険も伴います。そこで探偵を雇い、不貞行為の証拠を確保するのが最も確実な方法です。探偵は、合法的な手段で証拠を集めるため、後々の法的手続きでも有効に活用できます。
遅延損害金を踏み倒すとどうなる?

遅延損害金はどんな状況でも「支払わなければいけないお金」の一つです。基本的に逃げることはできず、放置すれば遅延金が加算されていき、裁判所などからの通知を受ける可能性もあります。慰謝料は「被害者に対する謝罪」の意味も含まれているお金です。それを遅延させ続けるという行為は被害者に対してさらに抗戦的な態度を見せていることにもなってしまうのです。
当人同士の話し合いによる慰謝料支払いの場合
この場合は、慰謝料を支払えない事情を説明することで猶予してくれる可能性はあります。しかし、慰謝料を支払えない事情が自己中心的な内容である場合は、即座に遅延損害金を請求されることもあるので注意が必要です。
裁判で慰謝料の支払いが決まっている場合
この場合は、遅延損害金の確約を行なっていないとしても、法廷利息の年率5%が適応されるため、慰謝料を支払わない状況が続くと自動的に請求されることになります。また、支払わない理由が悪質である場合にはさらに多くの遅延損害金を支払うことにもなりかねないので、どうしてもやむを得ない事情があって支払えない場合以外は、慰謝料の支払いを拒否するという行為は行わないようにしましょう。
支払いに不安を感じた時点で請求者に相談する
もし、現在の生活が困窮して支払いが難しいと感じるようであれば、支払いが出来なくなる前に請求者に連絡することをお勧めします。慰謝料を請求する側も「慰謝料が入ってこない」方が嫌なので、支払いが滞るよりも支払い金額の変更などで対応したほうがいいと考えています。そのため「支払う意欲のある人間」にはそれなりの対応をしてくれるはずです。慰謝料を請求されるような状況を作ってしまう事自体が問題ではありますが、今後支払いを円滑に続けていくためにも、最悪の事態になる前に相談しましょう。
遅延損害金が発生するタイミング

遅延損害金の請求は年率で計算されますが、その支払いが発生するタイミングが気になるところですよね。そこで遅延損害金の支払い義務が発生する時期や請求されるタイミングなどを解説していきます。
●遅延損害金は支払い期日の翌日から発生する
例えば慰謝料が4月25日までの支払いであった場合、遅延損害金は翌日の4月26日から発生することになります。そのため、請求者から請求の通知がくる時期が遅くなったとしても、請求される日は慰謝料の支払い期限の翌日からだということを理解しておきましょう。
●遅延損害金の訴状を送る場合には、訴状送達の翌日として請求することがある
遅延損害金を請求した際に「遅延損害金が発生した日」を争点として裁判で金額を争うことがあります。遅延損害金の発生タイミングを訴状の翌日からという風に取り決めしてしまうことで、慰謝料問題以外の余計なトラブルを回避するといった目的があります。
しかし、この方法では訴状を送った日よりも前の遅延損害金を請求することができず、訴訟前から話し合いなどで慰謝料の支払いが滞っていた場合などは損をしてしまうことになります。
●慰謝料の遅延損害金には相手側の弁護士費用も含まれていることがある
請求者側の弁護費用は、慰謝料の中から成功報酬として受け取っている額も含まれており、慰謝料に遅延損害金が発生するということは、その弁護士費用にも遅延損害金が発生することを意味しています。弁護士費用についても、慰謝料と同じ時期から遅延損害金が発生します。
まとめ
不貞行為を行なった結果、慰謝料を支払うことになってしまうのは仕方のないことです。悪いことをしてしまった責任として償うしかありません。しかし、慰謝料の支払いを遅延させてしまうという行為は相手側に「謝罪の意思がない」と思われても仕方のない行為です。
遅延損害金という形で新たな罰則を与えられることもありますが、人としてさらに質を下げてしまう行為になるということも理解しておく必要があります。生活に苦しんでいる状況下であれば、その旨を請求者に伝えて、誠意のある対応を心がけて下さい。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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