結婚前に素行調査をされたら、債務整理はバレる?

結婚は人生の一大イベントです。結婚前にはお互いの両親に顔合わせや、新しい住まい探し、親類との顔合わせなど、やるべきことが沢山あります。そんな中、結婚相手やその親類に素行調査をされてしまう状況が増えています。その結果、調査によって相手には伝えていない情報や、借金などの事実が発覚することによって、「結婚が白紙なる」事態にもなりかねません。
そこで、今回の記事では結婚前の素行調査によって、債務整理などの信用情報がバレてしまう可能性があるのか、解説していきたいと思います。
実は多い?結婚前の債務整理相談

独身時代は適当に生活してきた人も、結婚という人生の転換期によって「真っ当に生きよう」と思うようになるものです。しかし、身から出たサビで、昨日までの自分をいきなり帳消しにすることは出来ません。その結果、そうした暗部を「結婚相手に隠す」という行為に走ってしまうのです。
債務整理とは
債務整理とは、現在支払っている月々の借金を減額調整し、支払いに猶予を設けることで精神的苦痛を減らし、債務者が確実に安心して借金返済できるような環境を作ることを言います。
債務整理の中には4つの手続き方法があり、債務者の生活状況や支払い状況に応じて適切な方法を選びます。
1.過払金の請求
消費者金融や、クレジット会社、ローン会社には定められた金利比率があり、その金利を超えるような金利手数料を請求していた場合には過払金となります。そうした過払金の返還請求をすることで、払いすぎたお金を債務者にと返すことができる手続きとなります。
2.任意整理
任意整理は借金を減額させ、金利の引き直しや支払い期間の交渉を行うことで、毎月の支払い額を生活に支障のない程度まで減額させる方法です。任意整理によって過払金が発生していたことが分かることもあり、債務者にとって非常にメリットのある方法の一つと言えます。
3.民事再生
現在の借金を返済することが不可能であるということを裁判所に認めてもらい、許容範囲まで減額された借金を5年程度で分割支払いする手続き方法です。場合によっては借金が10分の1まで減額され、住宅や財産を保持したまま借金整理が可能なため、自己破産よりもメリットのある方法です。
4.自己破産
自己破産は債務整理の最終手段で、「財産が無いために借金を支払えない」ということを裁判所で認めてもらうことで、法律上借金支払いの義務が免除される手続き方法です。この方法で借金は全て無くなりますが、住宅をはじめ、車、バイク、その他の財産的価値のあるもの全てを手放す必要があるため、リスクの大きな方法となります。
また、自己破産では破産した記録が信用取引として共有されるため、クレジットやローンはもちろん、特定の職につけないなどのデメリットが生じます。
結婚相手に知られたくない
借金によって生活が困窮している状況などを、「これから結婚する相手に知られたくない」という思いから、結婚前の債務整理相談に来る方が増えています。借金問題は夫婦生活を崩壊させる原因にもなる、大きな問題です。そうした問題を密かに解決したいと思うのは、当たり前のことなのかもしれませんね。
結婚相手に素行調査を行うケース

子を持つ親であれば「子供の幸せ」が何よりの喜びです。それは男性、女性どちらであっても同じことでしょう。そんな時に結婚相手に不安を感じる部分を見つけてしまうと、親として安心して子供を任せることが出来ません。そこで、探偵業者に依頼をして、結婚相手の素行調査を行うという流れになります。
経歴詐称の可能性がある
誰もが羨むような経歴を持っているような相手の場合に素行調査を依頼する方は多いようです。その主な理由として、「経歴が完璧すぎる」ことと「それらを裏付ける証拠を全く見せない」ということが挙げられます。結婚する人の中には、より自分を大きく見せておきたいという願望から嘘をつく人もいるため、経歴については注意が必要です。場合によっては結婚詐欺を目論んでいることもあるので、素行調査によって個人を特定するのは有効な手段と言えます。
結婚相手から借金をしている
「結婚したら返す」などの口実で、結婚前から結婚相手に対して多額の借金をしているようなケースでは、親から素行調査を依頼することがあるようです。恋人や婚約者から借金をする人の多くは、他の金融機関でも多額の借金をしていることが多く、すでに債務整理を行なっていることもあります。
別の異性との関係が疑われる
結婚前から他の異性と関係を疑われている場合には、結婚相手本人や親から素行調査の依頼をすることがあるようです。結婚後に他の女性と不倫をしていたとなると、離婚や慰謝料といった多くの問題が発生してしまうため、そういったトラブルを未然に防ぐためにも結婚前の素行調査を行うということでしょう。
素行調査で債務整理はバレるのか

借金トラブルを防ぐためにも、結婚前の素行調査によって「債務記録を調べたい」と考える方は多いと思います。しかし、債務整理などの信用記録は一般に入手することは出来ず、探偵業者が取得するのは違法な行為です。実際に債務整理が素行調査によってバレることはあるのでしょうか?
過払金や任意整理がバレる可能性は低い
過払金や任意整理の手続きは、ほとんどの手続きを司法書士にお願いするだけなので、結婚相手に知られることはほとんどありません。しかし、探偵に調査されている間に司法書士事務所を訪れていると、そこから任意整理の事実が発覚する可能性があるので、調査前に手続きを行なっていることが重要になります。
個人再生や自己破産はバレる可能性が高い
自己破産などの手続きをするには多くの資料が必要になり、国が発行している官報にその情報が掲載されてしまいます。(住所、指名、破産状況を掲載した記事)官報を一般の人が閲覧することはほとんどありませんが、探偵業者に調査を依頼している場合には、露見する確率が非常に高くなります。
また、自己破産に伴って、財産を放棄する必要性があるので、その異常な状況に結婚相手が気づいてしまう確率も大いにあり得ます。
まとめ
いかがだったでしょうか。探偵業者による調査であっても、過払金や任意整理などは調査を免れる可能性がありますが、自己破産などの場合はバレてしまう可能性が高くなります。結婚相手に知られたくないという気持ちはわかりますが、今後何十年と人生をともにするパートナーであるならば、自分の悪い所もしっかり見せていく必要があるのではないでしょうか。