不貞で起こした裁判に負けた場合どうすればいい?諦める前にできる対処法
不貞行為とは配偶者と不倫相手に性的関係があることです。
これは損害賠償として慰謝料が払われ、離婚事由として認められます。
双方に納得のいく内容でなければ裁判という形までもつれ込みます。
しかし、相手の不貞行為を訴えるために起こした裁判なのに裁判に負けてしまうこともあります。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
裁判に負ける原因とその後の対処法を見ていきましょう。
不貞行為に対して起こした裁判に負ける原因
不貞行為は損害賠償の支払い義務の発生や離婚事由になるほどの悪質な行為です。
しかし、裁判を起こしたにも関わらず負けてしまい、慰謝料が払われないことがあります。
なぜ有利なはずの裁判に負けてしまうのでしょうか。
証拠が不十分だった
慰謝料を請求するためには、不貞行為の証拠を集める必要があります。
不貞行為の証拠となるのは、配偶者と不倫相手に性的関係があると認められる写真や音声などです。
この証拠が、確実性があり多いほど裁判官を納得させる証拠となりえます。
しかし、審理の上で証拠から性的関係が認められない、違法な方法で集めた証拠によるものなので認められないなどの理由から、証拠不十分として裁判に負けてしまいます。
探偵を利用せずに自ら集めた証拠だと、このようなケースになる可能性があります。
夫婦生活が破綻していると認められた
夫婦関係が長期間の別居などで破綻していると判断されると、配偶者と不倫相手の性的関係は不貞行為とみなされません。
裁判では破綻が先かどうかで両者の論争になることがあります。
夫婦関係が破綻していると認められてしまうと、不貞行為ではなくなるので慰謝料請求ができません。
長期間の別居が裁判で不利に働くことがあります。
不倫裁判に慣れていない弁護士だった
一言で弁護士と言ってもそれぞれ専門分野があります。
IT関係に強い人や労働法に強い弁護士などがいます。
依頼した弁護士が不倫関係に強い人でなければ、弁護士に依頼したとしても勝つ見込みが低くなります。
また、弁護士は慰謝料を請求する側と請求される側のどちらの弁護も行うのが仕事です。
請求される側の弁護の経験が多いと、自然と知識もそちらに寄ってしまいます。
相談の際に裁判に慣れている弁護士かどうかを見極めないと、裁判に勝てないことがあります。
棄却された時の対処法
裁判で訴訟が棄却されたからといって諦めるのは早いです。
判決の内容が不満な人への救済措置があります。
泣き寝入りするのではなく、できることから始めましょう。
上訴する
日本の裁判は正しい裁判を実現するために三審制度を設けています。
一審判決の不服申し立ては「控訴」、二審判決の不服申し立ては「上告」といいます。
不服申立ての控訴と上告を併せて「上訴」といいます。
訴える側である「原告」と訴えられる側の「被告」ともに敗訴した後に、判決に納得がいかない場合上訴することができます。
弁護士に相談した上で裁判に勝つ見込みがあるなら、上訴すべきでしょう。
不倫裁判に強い弁護士を見つける
不倫裁判は弁護士をつけなくても自分で必要書類や証拠を用意することができれば、訴訟することができます。
しかし、裁判とは複雑なもので素人が裁判に勝つためには大変な労力がいります。
裁判の専門家である弁護士に依頼することで、不倫裁判をスムーズに解決に導いてくれるでしょう。
さらに弁護士にも専門が細分化されているので、不倫、浮気関係の裁判に強い弁護士を見つけることで、棄却対策を取ることができます。
実績のある弁護士を見つけてまずは相談してみましょう。
弁護士への相談は早めに行うこと
訴訟が棄却された時、控訴ができるのは判決が出た翌日から2週間以内です。
棄却された時に自分だけで対策を考えるのではなく、弁護士に依頼することで棄却された原因から対策を練ってくれます。
この対策と裁判に使う書類を作成するのに時間がかかるので、相談は早めに行うのがおすすめです。
弁護士に頼むのは決して安くない費用がかかるのがデメリットですが、裁判に勝つために、裁判を任せることができるという精神的な安心感のために依頼を視野に入れましょう。
裁判で使われる用語について
裁判では日常生活では聞き慣れない言葉をよく使います。
浮気、不倫も法律上では不貞行為という言葉に言いかえられます。
裁判を起こす際は少しでも覚えておくと良いでしょう。
「棄却」と「却下」の違い
棄却とは、訴えの内容を「審理した上で」訴えを退けることです。
裁判所が訴えを受理して内容を詳しく調べた上で、この訴えは通らないと判断を下すことを棄却と言います。
却下とは、訴えの内容を「審理せずに」訴えを退けることです。
裁判所が訴えを受理しない理由は、手続きに不備がある、裁判の必要性がある条件を満たしていないからです。
却下は訴えの内容も見ずに門前払いされているようなものとなります。
どちらも訴えを退けていますが、棄却の方は訴えを受理した裁判所の判断により下される結論なので、こちらの方が敗訴と言えるでしょう。
訴えが却下にならないように、書類や手続き、集めた証拠などをきちんと準備しましょう。
訴訟費用は敗訴側の負担になる
訴訟費用は原則として敗訴側が負担します。お互いの弁護士費用は含まれません。
裁判官により裁判の結論である主文が読み上げられ、その中に「原告の請求をいずれも棄却する」「訴訟費用は、原告の負担とする」などの判決を言い渡されます。
ただし、訴えのすべてを棄却されずに一部が容認されたケースの場合、裁判所が訴訟費用の負担の割合を決めます。
まとめ
不貞行為による精神的苦痛に対する慰謝料を請求することができますが、裁判に負けてしまうとお金も時間も失ってしまいます。
不貞行為は婚姻関係の利益を侵害しているため、違法とされるのでしっかりと制裁を与えるべきです。
裁判による精神的な負担を少しでも軽くするためには、弁護士に相談するのが得策です。
不貞行為に対して裁判を考えているのであれば、1人で悩まずにまずは無料相談ができる弁護士に気軽に相談してみましょう。