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探偵コラム

探偵が行う「資産調査」について!詳しく解説

2012年から13年頃から、情報漏洩が社会的に問題視されたため、法規制により情報保護が強化されました。それに伴い、情報取得などの調査が難しい状況でした。

これは、探偵業だけでなく弁護士、司法制度、裁判制度にも関係する問題があります。

資産調査が法的にできないことにより、悪質な債務者は資産の隠匿が可能になり、

勝訴判決を取得したとしても、債権回収がうまくいかないことが多く起こっていました。

強制執行をしようとする場合は、供託金制度により債権者が供託金を預ける必要があります。債権者は、元手を準備しなければなりません。そして、弁護士を雇えば弁護士費用も発生します。

また、差し押さえしたとしても、債務者が破産してしまえば差し押さえは無効となってしまいますので、100%債権を回収できるものでもありません。

個人が差押えの強制執行をすることは、非常にハードルが高いと言えます。

資産調査に関する法律

令和元年、民事執行法が120年ぶりに改正されました。

民事執行法とは、強制執行、担保権の実行としての競売、換価のための競売、債務者の財産開示に関する手続きを定めた法律です。

改正前までは、債権者が裁判などで債務名義を取得した場合でも、債務者の資産を調査する司法や権限はなく、債務名義の実行が難しい状況でした。

本改正では、債権者が債務名義を持っている場合、金融機関、行政機関などに資産に関する情報開示の申し立てができるようになりました。

法改正による情報開示

金融関係では、一般人の銀行口座は銀行協会が、証券口座は日本証券業協会が、生命保険は生命保険協会が、それぞれ参加の金融業者に対して情報開示の権限を持っています。

民事執行法の改正によって、裁判所に申立てをすると各協会への情報開示を請求することができるようになりました。これにより、個人の資産調査をするための情報を収集できます。

しかし、実際の債権の回収については、債務者の銀行口座、ハローワークや年金事務所の給与報告書などでは情報の確認ができないため、回収が困難なことがあります。

債権者は、法的手続きの費用を考えると、法的手続き前に債務者の資産情報を集めたいものです。

今回の民事執行法改正では、債務名義の案件に限り、第三者開示請求が可能となっているため、事前調査は認められていません。

改正法での第三者情報取得手続

改正法による、債務者以外の第三者の情報取得手続と、財産開示の手続について解説いたします。

預貯金債権等の情報

債務者の預貯金債権等に関する情報を、金融機関から取得する制度です。

債権者は、裁判所への申し立てにより、銀行、信用金庫、労働金庫、信用協同組合、農業協同組合、証券会社等から、債務者の預貯金債権や株式、国債等に関する情報を取得することができます。

不動産に関する情報

債務者の不動産に関する情報を、登記所から取得する制度です。

債権者は、裁判所への申し立てにより、債務者の所有する土地又は建物に関する情報を取得することができます。

ただし、申し立ての前3年以内に、財産開示手続が実施されていることが条件です。

給与債権に関する情報

債務者の勤務先に関する情報を、市町村や年金機構等から取得する制度です。

債権者が、養育費等の債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する場合、裁判所への申し立てにより、市町村、日本年金機構等から、債務者の給与債権(勤務先)に関する情報を取得することができます。

ただし、こちらも申立て前から3年以内に、財産開示手続が実施されていることが条件です。

財産開示手続

財産開示手続とは、債権者が裁判所への申し立てにより、債務者を呼び出し、自己の財産状況を陳述させる手続です。

今回の改正では、以下のような見直しが行われました。

1.申し立てに有効な債務名義の拡大

改正前は、強制執行の申立てに必要な債務名義のうち、仮執行宣言付判決、仮執行宣言付支払督促、強制執行ができる執行証書等では、財産開示手続の申し立てが認められませんでした。本改正により、これらの種類の債務名義についても、財産開示手続の申し立てが可能になりました。

2.刑事罰の改定

改正前は、開示義務者が呼び出しを受けた場合、正当な理由なく財産開示期日に出頭しない、宣誓を拒む、財産開示期日に陳述しない、虚偽の陳述をした場合は、30万円以下の過料に処する規定がありました。

本改正では、手続の実効性を向上させるため罰則を強化し、債務者が財産開示手続に協力しない場合、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

資産調査の具体例

差し押えの為の資産調査

被告人が裁判に応じない場合、付郵便送達のために現地調査を行います。

対象の住所に居住し、特別送達による訴状を無視し続けている状況を確認・報告することで、差し押さえの判決を取ります。

そして、現地確認で相手の所有物件、資産、世帯状況などの資産ステータスを計ります。

民事執行法は、債権回収目的での資産調査にはあまり効果なく、強制執行権利を得ていても、その権利を実行する為の資産データにアクセスする法令がありません。

また、専門の調査機関なども存在しません。

現状の資産調査では、相手方の情報の中から、手探りで割り出す総当たりの地道な調査となります。

資産調査の法的手続き

強制執行時の資産調査として、合法的に行える調査手法は以下の3種類があります。

・裁判所の調査嘱託申し立て(民事訴訟法186条)

・弁護士照会(弁護士法23条の2)

・財産開示手続(民事執行法197条)

一つ目と二つ目は、公務所及び公私の団体に対し、第三者開示請求を行うものです。

いずれにしても、完全な強制力があるわけではありません。

また、個人情報保護法の観点から、第三者開示手続きを拒否する団体も増えています。

公開情報やデータベースからの資産調査

所有不動産の特定に関して、納税記録へのアクセス権はなく、法務局では氏名からのデータ検索には対応していない為、独自のデータベースや聞き込み等による調査となります。

法人代表や役員等に関しても、一般的な企業信用データの照会や独自のデータベースを元にした調査になります。

また、株式の所有状況に関しても、上場企業の大株主でない限り、特定は困難です。

行動からの資産調査

追跡により、相手が隠している口座や不動産、勤務先や給与等を明らかにします。

対象者が特殊な職種であることも多く、財産を隠したり、法律に精通した人物の場合、調査が長期間に及ぶ可能性もあります。

まとめ

債権回収において、債権者側は法的手続きの前に債務者の資産情報を集めて、回収の対策を練りたいところです。

法的手続き前に債務者の資産状況を知ることができれば、法的手続きを取りやめる選択肢も生まれるはずです。

それは、債権者の負担を軽減することにもなります。

しかし、民事執行法の改正によっても、事前調査については依然、認められていません。

債権回収の問題に関しては、現状の法律・制度だけでは解決が困難です。

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