反社の子供も反社になる?まともな道を進むのは難しいか?
反社会的勢力に属している人の子供といわれると普通の人はびっくりするかもしれません。しかし親が反社といっても子供はまた別人格です。子供が反社とは手を切りたいと思った場合、果たしてまっとうな道を歩むことはできるのでしょうか?
反社の親はどう思っているか?
反社をやっている親御さんは子供にどうなってもらいたいと思っているのか気になりませんか?とあるサイトでヤクザ1000人を対象に、「子供が自分の職業になりたいといった場合どうするか?」というアンケート調査が出ていました。その結果、65%の人が「本人の意思に任せる」と答えました。一方「応援する」「跡を継がせる」といった好意的な回答をしたのは全体の10%弱でした。親から見ると、子供には同じ道を歩んでほしくないという思いが強いようです。
しかもこのアンケートが取られたのは2000年代とのことです。今と比較して、反社に対する締め付けもそれほどきつくありませんでした。暴排条例などが制定されていて、反社の活動の取り締まりが今まで以上に厳しくなった現代では、応援するといった回答をする人はもっと少数派になっているかもしれません。
子供は不良になる傾向に
実際に反社の子供はどう成長していくか、全員がそうとは言いませんが親がそうなら子供も道から踏み外してしまう傾向があるようです。反社になった人は社会からつまはじきにされますし、そのような人を選ぶ女性も少しエキセントリックな発想の持ち主の方も多いです。さらに反社の場合、結婚しても後に離婚するパターンも多いです。幸せな家庭環境に恵まれないので、いわゆる不良になってしまう人が多いようです。
反社チェックの結果親が反社だった場合の対処法
反社の子供は不良になる傾向があると言いますが、中にはきちんとした大学を出て普通に就職を希望する場合ももちろん少なくありません。現在反社の排除の動きが強まっているので、取引開始したり採用したりする際に反社チェックを行う企業も多いです。ここで問題になるのは調査の結果、親が反社であると判明した場合です。原則論でいうと、たとえ親が反社であっても別人格の子供が反社に属していなければ、それを持って不採用にするのは合理的ではありません。
また面接などの際に「親が反社などよろしくない人物ではありませんか?」と尋ねて、「違います」と答えたとします。ところが後日反社チェックをした結果、親が反社に関係しているとわかった場合はどうすればいいでしょうか?一見すると「相手が重要な経歴を詐称した」ということで、採用取り消しできるような気がするでしょう。しかし使用者に不利益が生じた、業種の勤務内容など総合的に判断しなければなりません。
反社の関係者と認定できる?
親が反社の場合、子供もその関係者ということで不採用にできるのではないかと思う人もいるでしょう。しかしこれだけの理由で採用を取り消すことも難しいです。というのも親子はじめ親族関係は当人の意志ではどうすることもできません。まさに「子供は親を選ぶことはできない」わけです。ですから親がそうだからと言って、子供が反社の関係者だということはできません。
例えばある人物を採用した後で、親が反社に属すことになったとします。この場合でも懲戒解雇にはできないでしょう。会社によっては「親族が反社に属していないこと」という就業規則を設けているところもあるかもしれません。しかし上で紹介した親族は選択のしようがないので、そもそも規定自体が合理性がないものと裁判では判断される可能性が高いです。
ただし当人が「自分の親が反社会的勢力だぞ」と直接的もしくは間接的に言っている場合は話が違ってきます。その結果、業務に支障をきたしているとか、職場の風紀が乱れたというのであればそれを理由にして懲戒解雇は可能です。
反社の子供というだけでいろいろな問題が
上で紹介したように、親が反社であるという理由だけで不採用にしたり懲戒解雇にしたりするのは難しいです。原則採用するにあたって全ての人を平等に取り扱わないといけないからです。しかしこれはあくまでも理論上の話です。実際には反社の子供というだけで、なかなか就職活動はうまくいかないと言われています。やはり反社の子供が社員にいるとなると、風評被害が怖いのでしょう。また社内の雰囲気がおかしくなる可能性があります。その人をはれ物に触るかのような扱いをしてしまう恐れも出てきます。
ヤクザに関するドキュメント映画が2016年に公開されました。その中でとある指定暴力団の会長の子供が、「ヤクザの子供」という理由だけで幼稚園への入園を拒否されるというエピソードが語られました。これは何もこの会長だけでなく、結構入園を拒否された幹部も少なくないようです。
確かに暴力団対策法や暴排条例などで、暴力団の好意に関して厳しい規制が取られています。しかし入園については就職同様、反社関係者ではなく子供の問題です。子供は別人格であり、子供には子供の人権があります。何度か紹介したように子供は親を選ぶことはできないので、自分ではどうすることもできない不可抗力を理由にして不利な判断をするのは差別になります。少なくても国公立の幼稚園であれば、反社の子供だけの理由で入園は拒否できません。平等原則という憲法違反を問われかねないからです。
私立では成立する可能性も
ただし私立の幼稚園の場合、反社の子供を理由にして拒否できるでしょう。そもそも子供を入園させるかどうか、契約するかどうかは当人の自由です。ですから一般論として、私立の幼稚園であれば入園拒否が許される可能性はあります。先ほどの平等違反を持ち出しても、「特色ある幼稚園経営をするのも自由」と言われてしまうと覆すのは難しいでしょう。
まとめ
親と子供は別人格、親が反社の関係者でも子供は関係ないというのは確かに原則です。しかし反社の子供を幼稚園などに入れたり、社員として採用したりするのは現実問題として難しいというのが実情です。どうしても良からぬ評判を立てられ、経営が厳しくなるリスクがあるからです。反社の家族にとっても昔と比較してますます生活するのが厳しくなっているようです。その結果、子供も道を踏み外しやすくなっているので、どう手を差し伸べるかが社会に課せられた今後の課題かもしれません。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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