探偵興信所を開業するための許可手続きとは?詳しくご紹介
探偵業として事業を始める場合、「資格」は要りませんが、「届出」は必要です。ここでは、「届出」の手順を解説いたします。
公安委員会への届出
探偵として開業する場合は、「探偵業届出証明書」を取得する必要があります。この証明書は、実際の営業開始日前までに、警察署を経由して公安委員会へ届け出る事で発行されます。いわば、この証明書の発行が探偵業を行う為の「許可書」というわけです。
届け出る際は、「探偵業開始届」という書類を提出します。この書類の提出は、必要な事項の記入だけですので特に難しい手続きではありません。そして、それと合わせて必要となるその他書類があります。
その他の必要書類は、個人と法人によって分かれます。
個人の場合
個人で探偵事務所を開業する場合、準備が必要なものをご紹介します。
1.履歴書
2. 誓約書
3.住民票の写し
4.市区町村発行の身分証明書
5.法務局発行による登記がない事の証明書
6.未成年の場合は、以下の区分に応じた書類が必要です。
※ただし、婚姻によって成年に達した(成年擬制)とみなされる場合は除かれます。
①探偵業に関して、営業許可を受けている未成年者
・法定代理人の氏名、及び住所を記載した書面。
・当該営業の許可を受けていることを証明する書面。
②探偵業に関して、営業許可を受けていない未成年者
・法定代理人に係る上記1.~6.までに掲げる書類。
法人の場合
法人にて探偵事務所を開業する場合、準備が必要なものをご紹介します。
1.法務局発行の登記事項証明書
2.定款謄本
3.すべての役員に係る以下の書類が必要です
4.履歴書
5. 住民票の写し
6.市区町村発行の身分証明書
7.誓約書
8.法務局発行の登記されていないと言う証明書
以上のものが必要となりますが、管轄によって違いがありますので、必ず事前に各営業所を管轄する警察署で問い合わせをする等して、確認を取ってください。
届出が不認可になるケース
ここでは、探偵業の許可がおりない場合を説明いたします。次の項目に該当する場合は、届出が認められません。
1. 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が欠格事由に該当するもの
2.禁固以上の刑を受けた、もしくは法律の規定に違反し罰金刑を受け、その日から5年経過 していない方。
3.暴力団員、もしくは元暴力団員で辞めてから5年以内の方。
4.過去5年間の間で、公安委員会より廃業処分や営業停止勧告を受けてしまった探偵の方。
5.破産者であり、尚且つ復権を得ていない方。
6.「心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの」として「精神機能の障害により探偵業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」
以上のことは、探偵業法で定められたものです。
探偵業は他人の依頼を受けて、ある特定人物の個人情報を取扱ったり、依頼者自身の素性を知る事になります。その為、探偵業法で業務の適正化を図っています。
開業までの将来設計
ここまで、探偵になるには資格は必要なく、届出をして探偵業届出証明書が発行されれば、探偵業として事業が開始できると説明してきました。
しかし、そもそも探偵としての経験がまったくない状態で、いきなり探偵として開業することは可能なのでしょうか?
これに関しましては、事業の内容や持っている知識等によっても変わってきます。そのへんを踏まえ、シミュレーションしておきましょう。
専門知識の習得
探偵としての資格は必要ありませんが、探偵になってみたいという動機だけで、開業するのはかなり無謀な行為です。安易な理由で開業しても、そんな所に依頼者が来ることは難しい話です。
まずは、探偵業を行う上でどのような知識が必要なのかを考え、探偵業として出来る事を考えましょう。
そして、どのような業務を行っていくのか、方向性を検討しなければなりません。
探偵に関する知識を学ぶために、専門の学校に通ったり、独学で勉強して知識をしっかりと身に付けることで、未経験でも開業できる可能性は高くなります。
探偵学校に通うメリット
探偵学校では、探偵業に必要な知識と技術を学ぶことができます。学校の運営は探偵会社が行っており、カリキュラムの内容には国が定める規定がない為、学校によって大きく異なる場合があります。
授業を行う講師は、現役探偵または元現役探偵が教えてくれるので、現場の声が聞けることも探偵学校のメリットです。そして、直接質問して探偵の内情や裏話なども聞くことのできる機会も多いでしょう。
テキストは、その探偵会社がこれまで培ってきたノウハウが凝縮されたものです。
テキストのボリュームと内容は、学校選ぶ際の判断材料となります。
そして、学校に通えば、探偵会社での報告書作成業務を含めた事務仕事・パソコンの基本操作も学ぶことができます。
実際に探偵がどのような業務をしているのかを知ることで、業務開始前に心構えをする余裕も生まれます。
また、探偵学校を卒業して、その学校を運営している探偵会社への就職のチャンスもあります。
探偵学校の費用は、授業のカリキュラムによって10万円~40万円ほどのばらつきがあります。
学校で学べる主な内容は、以下のとおりです。
1.撮影機材の使用方法
2.聞き込み方法
3.聞き込みによる素行・浮気調査の方法
4.法律の基礎知識
5.盗聴器の基礎知識
もちろん、現役探偵の中には学校に行かずに探偵業務に就く方もいますので、必ず学校に行か
なければならないということはありません。
他の探偵事務所等に一旦就職する
また、実際の探偵業者や事務所等に一旦入社して実務経験を積んで、独立開業をするという場合があります。
実際の現場や依頼元など、探偵業に関する全般的な知識が身につき易いので、将来の探偵事務所開業への近道になるのではないでしょうか。
ただし、悪質な探偵事務所や、企業等に就職してしまった場合は、デメリットにもなりかねませんのでご注意ください。
なかには、ストーカー行為をしている側の調査依頼や、調査後の高額な不法請求、調査対象の物件への不法侵入等、ほんの一部の業者ですが実際に存在しています。
探偵業の開業費用
次に、探偵業として開業する際の必要な費用に関してです。
探偵業の場合、仕事柄、問題に巻き込まれる可能性がないとも言えません。
そういった理由から、なるべく職場とプライベートの空間は分けた方が無難です。
その場合、事務所の賃貸料を毎月の必要経費として、見込んでおくと良いでしょう。
また、探偵業務を行ううえで用意しておきたい備品ですが、基本的に車は必要だと考えておくきでます。次に、機材としてビデオやカメラ、そして盗聴発見器や発信機等も事業内容によって必要になります。
また、探偵事務所の看板、宣伝としてホームページも必須となります。
これらを総額すると、大体300万円~400万円程度は必要になるでしょう。
まとめ
探偵業は未経験者でも許可さえ取れれば、開業することは難しくありません。
探偵事務所の業務開始前日までに管轄する警察署へ行き、公安委員会へ必要書類を提出します。
ただし、欠格事由がありますので、自身がそれらに該当していないか確認をしておく必要はあります。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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