不倫の線引きは人によってさまざま・慰謝料が取れるのはどこからか？
不倫は夫婦関係に重大な局面を迎える大きな出来事です。最悪離婚という事態も十分想定できます。ところでどこからが不倫なのか、これは個人によってさまざまな解釈があります。不倫の定義は一般的にはどうなっているのか、以下にまとめました。
不倫の定義
不倫の定義ですが、民法に規定があります。民法によると「特定の相手と不貞行為を繰り返すこと」となっています。ちなみに不貞とはもっと突っ込んで話をすると肉体関係を持つことです。つまり特定の異性と繰り返しエッチすると不倫に該当するわけです。ただし「繰り返し」という部分についてはケースバイケースで柔軟に対応されています。たとえワンナイトラブでエッチは一度きりでも、きちんとした証拠をつかんでいれば不倫と認定される可能性はあります。
不倫は肉体関係のあることが前提です。つまり2人きりでどこかに出かけたり、食事に行ったりしただけでエッチはしていないのであれば、どんなに繰り返し逢瀬を重ねていても不倫とは認められません。中には「エッチしていなくても2人きりで一緒にいればそれはもう不倫だ！」と思う人もいるでしょう。実際傷ついていて慰謝料を請求したくても、法的に認められることはありません。
一方恋愛感情がなくてもエッチしてしまうこともあるかもしれません。例えばお酒の席で盛り上がってしまって、一度きりのつもりで肉体関係を結ぶこともあるでしょう。しかし恋愛感情がなかったとしても肉体関係があれば、その時点で不貞行為は成立してしまいます。不倫のバレたときに言い訳として「ただの遊びで恋愛感情はない、本当に愛しているのはあなただけ」というセリフをよく耳にするでしょう。しかしこれは民法では認められない釈明です。
不倫と浮気の違い
不倫と似たような言葉で浮気も広く知られています。中には不倫と浮気は同じものと思っている人もいるでしょうが、両者には違いがあります。イメージ的には浮気の中のジャンルの一つに不倫があるといった感じです。つまり不倫よりも広い範囲をカバーしているのが浮気です。不倫は配偶者以外の異性と肉体関係を持つことです。しかし結婚していない恋人同士でもそれ以外の異性と関係を持てば、やられた方は許せないでしょう。これは不倫ではなく浮気です。
浮気の場合、肉体関係のあるなしは関係ありません。肉体関係はなくてもパートナー以外の異性と親密な交際をしていると浮気になってしまうかもしれません。ちなみに「どこからが浮気か？」というアンケートはいろいろなところがリサーチしています。その結果を見ると、手をつなぐなどの過剰なスキンシップがあるとたとえエッチしていなくても浮気ととらえる人が多いようです。中には配偶者に内緒で異性と2人きりで食事に出かけただけでもアウトと思っている人も見られます。浮気の境界で違いがあると後にトラブルになりやすいので、どこから浮気になってしまうのか、しっかり話し合っておいた方がいいでしょう。
不倫が疑われるのなら？
もし自分のパートナーの様子がどうもおかしい、「不倫しているかも？」と思ったのであれば、証拠収集を始めましょう。証拠集めは自分で行う方法もあります。例えば相手に尋ねてみる方法などは自分でもできるでしょう。しかしストレートに「不倫しているでしょう？」といっても、絶対に相手は認めません。そこでやんわりと聞いてみるといいです。例えば不倫相手と会う口実として「出張で…」ということが多いです。そのように言われたら「どこに行くの？」と聞いてみましょう。
そして「出張」から戻ってきたときに、その地域に関する話題を振ってみましょう。場合によっては前に出張先の地名を言った時にその場しのぎで適当なことを言っている可能性があります。すると地名のことを尋ねてもピンと来ていない、場所についてあれこれ尋ねるとしどろもどろになってしまったら、出張は嘘の可能性が高いです。このようにちょっとした会話で相手の浮気の心象を掴める可能性があります。
また相手の持ち物をチェックするのも一つの方法です。できればスマホの中身をチェックできればいいです。しかし不倫をしている場合、ロックのかかっている可能性が高いです。みすみす相手に見られないようにするための対策です。その場合には無理をする必要はないでしょう。次にチェックしてほしいのは財布です。財布の中にレシートなどが入っていれば、その内容を確認しましょう。レストランのレシートで、明らかに2人分の食事であれば不倫が疑われます。また中にはホテルの領収書が出てくることもあるかもしれません。
探偵に依頼する
上で紹介した証拠はいずれも状況証拠です。上の証拠を突き付けて認める人もいれば、「それは違う！」と言い訳する人もいるかもしれません。そこでより決定的な証拠を集めるために探偵を雇うのも一つの方法です。探偵はターゲットを尾行して、不倫の決定的な証拠を集めてくれます。例えば写真や動画です。ラブホテルにほかの異性と一緒に入っていく写真や動画があれば、不倫の証拠になりえます。
また探偵の中にはターゲットの車にGPSを仕掛ける方法をとるところもあります。そうすれば、車がいつどこに行っていたのかリアルタイムで記録が取れます。例えばホテルで一定時間車が動いていないようであれば、不貞行為が疑われます。ラブホテルのような目的の明確なところではない、一般的なビジネスホテルやシティホテルであれば、1時間くらい駐車していることが必要です。30分くらいであれば、客室で肉体関係のあった証拠としては薄いからです。「ホテル内のレストランで打ち合わせのために話をしただけ」と言い逃れをされてしまう可能性もあります。
まとめ
不倫は特定の異性と何度も肉体関係を交わしていることが条件です。何度もという部分は柔軟に対応してもらえますが、肉体関係のあることが前提です。そのことが証明できれば、配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求ができます。自分で証拠集めをするのには限界があるでしょう。より鮮明で決定的な証拠を見つけたければ、探偵のようなプロに依頼したほうがいいでしょう。
