社会保険に反社は入れるの?民間の保険に関する取り組みは?
暴排法の施行によって反社勢力は、ますます生きづらくなってきていると言われています。一般市民の多くはいざという時のために保険に加入しているでしょう。しかし反社にかかわっている人は保険一つはいるのも難しくなっていると言われています。
保険に加入できない反社
反社に対する風当たりは日増しに強くなっています。政府が暴排法をはじめとして、暴力団などの反社会的勢力の排除に本腰を入れてきているからです。その中の一つに「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」があります。保険業界はこの指針に則った営業活動を行っています。例えば保険契約をするにあたって、契約者と被保険者、受取人が反社に関連のある人物と認定されれば、契約をしない、気づかずに契約をした場合、直ちに解除するとしています。また被保険者が反社と関係のない人物でも受取人が反社であれば保険金の支払いができません。実際暴力団関係者の妻が亡くなったとき、保険金の受取人が反社ということで支払いを拒否されたという事例もあります。結局今まで支払ってきた保険金の返却で話をまとめる方向に進んでいるようです。
生命保険はもともと厳しかったのですが、損害保険についてはさほどだったと言われています。しかし2013年に潮目が変わりました。2013年ごろからほとんどの損保会社が「反社との契約はすべてNG」という方針を固めました。このため、今では反社の関係者と判明すればほとんどの保険に入れない状況です。
自動車保険だけは加入できる
反社は「ほとんどの」保険に入れないと紹介したのは、一部例外があるからです。それは自動車保険です。もし自動車保険も反社が加入できないということになれば、その車両は無保険車になります。こうなると交通事故の被害者が痛い目に遭ってしまいます。
反社の運転する車にはねられた、ぶつけられたとします。車からいかにもガラの悪い人が出てきたら、あなたはどうしますか?被害者が亡くなった、重度の障害を負えば数億円単位の賠償が発生します。しかし相手が素直に応じて支払うでしょうか?下手をすれば「取れるもんなら取ってみい!」のようにすごまれ、泣き寝入りということも十分起こります。実際このような事例も過去にはあったそうです。
そこで被害者保護という観点から、自動車保険の加入を認めることと業界内で決めました。反社の保険への加入について厳しく指導してきた金融庁も、さすがに自動車保険だけは異論を唱えなかったそうです。このため、現在のところ反社の加入できるのは自動車保険だけです。
ただしどの自動車保険でも加入できるかというとそうでもないです。保険会社に具体的な対応は任せているというのが業界の現状だからです。しかし反社だと判明しても数社、自動車保険に加入できるところがあります。その他の保険会社は反社とわかると直接的ではないにしてもやんわりと断るところも少なくないようです。
とあるところでヤクザ100人を対象に保険に関するアンケートを実施しました。「民間の保険に加入していますか?」という質問に対して41人、ほぼ4割の人が「はい」と答えています。「どのような保険に加入していますか?」とその41人に質問したところ、全員が自動車保険でした。このようなデータを見ても、反社が加入できるのは今では自動車保険のみと言って差し支えないでしょう。
2014年9月1日発行の共同通信にも『損保、⾃動⾞保険に限り契約容認 暴⼒団対策、事故賠償を優先』のタイトルで記事が掲載されており、そこには「損害保険各社は、暴⼒団関係者との取引を全⾯的に⾒合わせる反社会的勢⼒への対策を⾒直し、⾃動⾞保険に限って契約を容認する⽅針を固めた。損保関係者が31⽇明らかにした。」と書かれています。
社会保険についても厳しい
反社は社会保険に関してもかなり厳しいと言われています。例えば国民年金について支払っているかどうかアンケートをしたことがありました。その結果によると、支払っているのは全体の1割程度だったそうです。以前払っていたというところまで含めると3割程度に上ります。逆に言えば、反社の7割程度は国民年金を払ったことがないということになります。これも暴排条例が関係しているようです。
条例によれば反社の人は表の仕事ができない決まりになっています。企業もそのような関係者を入社させるわけにもいかないからです。また銀行口座を持つこともできないので保険料の振り込みも、年金受け取りも難しいです。このような事情があるので、なかなか年金を支払うのもままならないようです。年金については申請すれば保険料の免除は可能です。反社は、表向きは無職という扱いです。無収入と判断されるので住民税も健康保険料も最低クラスです。これを理由にして免除をお願いできます。ただしでは支給年齢に到達したところで年金の支給を受けられるかどうかは微妙なところです。
ちなみに厚生労働省の年金局事業管理課の話によると基準さえ満たしていれば、反社でも年金の支給は受けられるようです。銀行口座がないのにどうやって受け取るのかという話もあるでしょう。例えば郵便局に赴けば、現金にて受け取ることは可能です。
国民保険にはほとんどが加入している
反社を見てみると国民保険に加入している人は多いです。特に暴力団員など表に見える反社勢力の人は全員加入していると言っていいでしょう。かつてヤクザの中には健康保険証を持っていない人も結構いたようです。そのような人は10割治療をするか、他人名義の健康保険証を使うかのいずれかでした。しかし今では他人名義の健康保険証を使用するとそれで詐欺罪に問われる可能性が高いです。そのような事情もあって、国民保険に全員加入しているわけです。ただし半グレなどグレーゾーンのような地下にもぐっている反社に関しては、もしかすると一部国民健康保険に加入していない人もいるかもしれません。
まとめ
反社だとわかると日常生活でいろいろな支障が生じると言われています。上で見たように保険一つ加入するのもかなり困難です。国民にとってのセーフティネットになる社会保険についても、年金の支給が受けにくいなどの問題があります。国民健康保険には加入できるようですが、それでも厳しい状況であることに変わりはありません。民間保険では契約するにあたって、かなり厳しく反社チェックを行っています。身分を隠して加入しようとしてもバレる可能性は高いです。反社にとってはますます暮らしにくい社会になっていくでしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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