指紋鑑定の正確性はどのくらい?指紋の採取方法と判別方法もチェック
犯人を特定するための方法の1つが指紋鑑定です。
指紋は人によって異なり、変わることがないため個人を特定するのに有効な手段です。
しかし、人によって異なるとはいえ、似ている指紋などで間違われる可能性などはないのでしょうか?
指紋鑑定の正確性と採取方法、判別方法について調べてみました。
1.指紋は個人を特定できるのか?
指紋は個人を特定するためにどれほどの正確性があり、実際に使用されているのでしょうか?
誰しもが持っている指紋の特徴を見ていきましょう。
指紋の性質
指紋とは人によって異なる万人不同であり、生涯形が変わることはない終生不変の特徴を持っています。
10本の指にそれぞれ違う紋様があるため、別人の1本の指の紋様が似ていたとしても、全ての指紋が同じということは本人以外ありえません。
指を怪我してしまったり、皮が向けてしまっても、大きな傷にならない場合は同じ紋様で再生します。
顔がそっくりな一卵性双生児同士でも指紋の特徴は遺伝しますが、全く同じ指紋にはならないので、個人を判別するために大いに役立つものです。
先天的に両手両足の指紋が無い一族が台湾で発見されたという稀な事例もありますが、溝が浅く肉眼では見えないだけで識別器では判別できるようです。
指紋鑑定が使われ始めた経緯
指紋研究の始まりは1648年イギリスのネヘミア・グルー博士の指と手のひらの溝構造に関する論文からで、その後多くの研究により指紋が個人の識別に有効だとされ、1897年にインドで初めて指紋が犯罪記録の管理に用いられるという経歴があります。
日本で事件の犯人を特定するために指紋鑑定が使われ始めたのは1911年からで、ドイツの指紋の分類方式が伝わったのが始まりです。
当時の指紋の照合作業は人の目による作業でしたが、現在はコンピューターによる自動判別により高速かつ正確な判別が可能になりました。
指紋については昔から研究の対象になっていて、多くの研究者が論文や本を出版しており、その研究結果が現代の犯罪捜査の手助けになっています。
指紋の種類
指紋は大まかに分類すると4種類に分かれます。
渦状紋は、円形や渦巻状の線になっている指紋で、人により渦巻の方向性が違ったり大きさが違ったりなどの変化があります。日本人の5割はこの渦状紋という形です。
蹄状紋は、文字通り馬の蹄のような形になっている指紋で、左右どちらかに流れている特徴があります。日本人の4割を占めています。
弓状紋は、弓やり状の線になっている指紋で、三角州のような形が特徴的です。日本人の1割と珍しい指紋です。
このどれにも当てはまらないのが変体紋と呼ばれており、かなり希少な指紋です。
指紋は普段気にしないものなので、自分がどの指紋に当てはまるかを見てみると面白いかもしれません。
指紋の採取方法
指紋の採取方法は4つあります。
それぞれの指紋のとり方の特徴を見ていきましょう。
粉末法による指紋検出
指紋を検出したい物の色に合わせてアルミニウム粉末を定着させて指紋を出します。
物体が黒色の場合は白色のアルミニウム粉末、物体が白色の場合は黒色のアルミニウム粉末、それ以外の場合は黄色のアルミニウム粉末を使用します。
金属やガラス、ビニールなどの個体に幅広く使用でき、アルミニウム粉末を使用した鑑定は最もよく使用されるものです。
液体法による指紋検出
液体の指紋検出薬に物体を浸し、乾燥させることで指紋が見えるようになります。
主に手紙や書類などの紙類、布製品の指紋を検出したい時に使用されます。
気体法による指紋検出
ガス化させた指紋検出薬を密閉空間の中に充満させ、その中に物体を入れて指紋を浮かび上がらせます。
主にプラスチック製品に使用され、アルミニウム粉末が塗りにくいものはこの方法で指紋を検出します。
光法による指紋検出
ALS光源という特殊なレーザー光を使用し、指紋を見えるようにします。
昔は一部の検査施設でしか使えない高価な検出方法でしたが、現在は小型の機器が開発され、現場で使用されるようになりました。
主に紙類やビニール類に使用されます。
指紋の判別方法
指紋が人それぞれ違うのはわかりましたが、特定するためにどのような作業が行われているのでしょうか?
間違いが起きて冤罪があってはいけません。
採取した指紋の判別方法を見ていきましょう。
指紋の鑑定方法の種類
指紋の鑑定方法には3種類あり、汗が出てくる汗腺孔の配置を調べる「汗腺孔鑑定」、指紋の太さ細さを見比べる「隆線縁鑑定」、指紋の特徴的な箇所の位置や距離などを測り鑑定する「特徴点鑑定」があります。
3種類ありますが、特徴点鑑定が主な鑑定方法であり、世界中で最も信頼度が高い方法と言われています。
その理由として、人の指先にある特徴点の数は約100近くあり、それがすべて一致する別人がいることはないからです。
昔は人による目視で判別していましたが、コンピューターの使用により人力より早くかつ精度も高く、見づらい指紋でも資料を鮮明化することで指紋を確認することができるからです。
調べた指紋はデータベース化することで資料として蓄積することができる、コンピューターなのでヒューマンエラーはなく客観的な結果を得ることができるなど、メリットが大きいです。
特徴点鑑定法について
2つの指紋が同一であることを証明するために特徴点鑑定法を用いる時、 隆線が始まる開始線や隆線の終わる終止点、 隆線が分裂している分岐点などの特徴点を抽出し、特徴点が12個一致すれば2つの指紋が同一と証明されます。
世界的にも特徴点12個と基準にされていて、その理由はコンピューターによる膨大な指紋の資料を用いて検証した結果、12個の一致したものの現れる可能性は1兆分の1の確率と算出され、本人以外にはないとされるためです。
まとめ
指紋による個人の判定は確実性が高く、事件の犯人を特定するために大いに役立てられています。
日々の研究の進歩により、機械による判別も正確性を増しています。
もしも自分が何らかの事件に巻き込まれてしまった場合、解決に向けて即座に対応してくれるでしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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