探偵調査での、契約書の見方について詳しく解説

契約書を前にすると、細かな字で漢字の羅列が・・・。探偵業者は依頼者との間に、下記の契約を書面で交わすように法律で義務付けられています。今回は、契約書の見方や気をつけるポイントについて詳しく解説します。
契約の流れと各契約書
探偵業者は法律で定められた書面の交付を怠ると、30万円以下の罰金が科せられます。
義務付けされた契約書は、以下の3点です。
それでは、それぞれの契約書を解説いたします。
調査目的確認書(誓約書)
まずはじめに、調査を依頼する前、依頼者は探偵が行った調査の結果を、犯罪行為など
の違法行為に利用しないことを誓約する必要があります。
違法な差別的取り扱いの目的
ストーカー行為などのつきまとい目的
DV法に係る被害者の所在調査の目的
盗聴・盗撮の目的
犯罪行為、その他の法令に抵触する可能性のある調査目的等
上記の他、公序良俗に反する調査目的など
これらの具体的な内容に、該当はないかを確認しましょう。
確認の後、契約に入っていきます。
重要事項説明書(探偵業契約前書面)
探偵業者は依頼者に対し、次に掲げる事項を書面で説明する義務があります。
「商号、名称又は氏名及び住所」。法人にあってはその代表者の氏名
各公安委員会に届け出た、商号・名称若しくは氏名。又は、営業所の名称及び、所在地並びに当該営業所が主たる営業所である場合、その旨
営業所において広告又は宣伝をする場合に「使用する名称」がある場合、その名称
個人情報保護に関する法律、その他の法令を「遵守すること」
提供する「探偵業務の内容」
「委託」に関する事項
対価とその他、依頼者が支払わなければならない金銭の「概算額と支払い時期」
「契約の解除」に関する事項
探偵業務に関して作成、又は取得した「資料の処分」に関すること
「秘密保持」について(第十条の内容)
法律的な用語やわかりにくい説明もあると思います。
不明な点は直接、確認しておきましょう。
調査契約書(探偵業契約後書面)
依頼者は上記の説明をうけた後、調査についての詳しい内容に入ります。
契約を行う場合は、この書面で契約の内容を明らかにします。
探偵業者の商号、「名称又は氏名及び住所」並びに法人にあっては、その代表者の氏名
探偵業務を行う契約の締結を「担当した者の氏名」及び「契約年月日」
探偵業務に係る「調査の内容、期間及び方法」
探偵業務に係る「調査の結果の報告の方法及び期限」
探偵業の「委託に関する定め」があるときは、その内容
探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が「支払わなければならない金銭の額」並びにその「支払いの時期及び方法」
「契約の解除」に関する定めがあるとき、その内容
探偵業務に関して作成、又は取得した「資料の処分」に関する定めがあるとき、その内容
これらが探偵業法上、最低限必要な書面になります。
探偵事務所や契約内容によっては、これ以外の書面が用意さることもあります。
各契約書、確認のポイント

これらの書面を隅々まで確認することは、慣れていない人にとっては非常に大変です。
そこで、事前に見るべきポイントを押さえておきましょう。
調査目的確認書(誓約書)のチェックポイント
依頼者が探偵に「調査依頼する」ということは、他人の様々な情報を知ることです。
使い方によっては、これらを悪用することもできます。
「犯罪行為や違法行為に利用しない」ということを十分、肝に命じてください。
重要事項説明書(探偵業契約前書面)のチェックポイント
探偵調査での料金トラブルの事案は、非常に多いです。
トラブルを避けるために、料金の設定をおおまかにでも、把握しておく必要があります。
探偵業務の説明(調査内容・調査人数・調査地域)
料金説明(追加料金や成功報酬の有無・調査料金の合計額)
契約解除に関する事項(違約金の有無・違約金の金額と支払い時期)
どんな調査なのか?
何にどれくらいの料金がかかるのか?
契約をキャンセルする時、いくらかかるのか?
上記内容をおさえておけば、ある程度の料金の目安はつきます。
実際の請求金額が、大幅に違うことは起こりにくくないます。
調査契約書(探偵業契約後書面)のチェックポイント
「調査契約書」がもっとも重要です!
この契約書には、依頼者側の「依頼内容」と、それを請ける探偵側の「調査内容」
が記されています。
この内容が、トラブルに発展する可能性が高いです。
「追加料金の発生する条件」、「調査期間延長の場合の料金」といった内容はトラブルへ発展
する可能性が高いです。
依頼者が契約書にサインをしてしまえば、この内容で「了承した」ということになります。
実際は、探偵業者の説明が不十分の場合もあります。
「どの調査でいくらかかったのか?」
契約書にサインをする前に、依頼者は疑問点と不明な箇所を解消しておく必要があります。
しっかりと内容と意味を理解してから契約するようにしてください。
契約時のこんなトラブル!

トラブルが起こる原因は様々です。
悪質な探偵業者が、書面内容を提示・説明しない場合。依頼者が契約書面の内容を理解していない場合など、実際に起こったトラブルのケースを見てみましょう。
高額なキャンセル料を請求させられた。
依頼者に対して、浮気調査を約200万円と提示した探偵業者のはなしです。
調査方法や料金の内訳について一切説明なしに、巧みな言葉で、契約を急がせた。
焦りや不安から、依頼者はその場で契約書にサイン。
現金200万円を支払う。
その数時間後、冷静になった依頼者は、調査料金に納得がいかないと契約解除と調査料金の全額返金を申し出る。
しかし、探偵業者は契約書上のキャンセル料として調査料金の半額をとり、残りの100万円のみを返金する。
高額な追加料金を請求させられた。
「勝手に追加料金を請求する事はありません。」探偵業者は、契約時はそう言っていた。
後日、調査完了の報告がきた。
そして、調査が難航したという理由で、追加料金80万円を請求される。
依頼者は納得がいかなかった為、支払いを拒否する。
探偵業者は、支払わないのなら調査報告はしないと告げた。
依頼者は納得がいかなかったが、報告がもらえなければ個人的な損害があった為、追加料金を支払った。
誇大広告と悪質な探偵業者。
依頼者はインターネット上の広告で「浮気調査10万円」という掲載をみて、電話でその探偵
業者に問い合わせをする。
探偵業者は個人情報が流失する可能性があるといって、電話での問い合わせを断る。
そして、事務所での面談を促した。
依頼者はそれに応じ、直接会って話を聞くことに。
広告の料金内容は、一つの例だと誤魔化し「調査料金は150万円」と告げられる。
依頼者が調査の依頼を拒否すると、探偵業者の態度が豹変。
依頼者に罵倒を浴びせ、探偵業者は相談料だと1万円の請求をされ、脅された依頼者は料金を支払う。
まとめ
何事も、事前の準備が大事です。探偵事務所でいきなり契約書を見せられると、だれでも焦ります。以上のことを踏まえておけば、落ち着いて調査の相談ができて、スムーズに契約成立が行えるでしょう。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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