探偵・興信所が行う調査は違法か?合法か?法律に基づいて詳しく解説
探偵や興信所は、法律で定められたルールで営業がおこなわれています。
探偵業法は、探偵業についての規制を定め、業務運営の適正を図り、個人の権利利益の保護を目的として施行されました。
この法律には、探偵・興信所はもちろん、それ以外の者であっても、他人の依頼を受けて人の所在又は行動について、聞き込みや尾行・張り込みなどの実地の調査、その「営業」を行うことは、原則として禁止されています。
また、「営業」を行う場合は、探偵業者としての届出を要するとされています。
合法な調査の方法
探偵や興信所ができる調査は、聞き込みや尾行、張り込み程度であり、特別な権限を持っているわけではありません。
実際のところ、正規のやり方としては、調査員の足での情報収集です。
悪徳の業者では、裏ルートで流出した情報を買い、それで調査する場合がありますが、これらは立派な違法行為です。
探偵・興信所は合法の範囲内で、対象者の行動を尾行し、身元調査などの情報をもとに総合的に組み立て、判断して依頼者に結果を報告しています。
尾行・張り込み調査
尾行や張り込みでわかることは、対象者の立ち寄り先や接触人物など行動範囲内での情報です。
浮気調査であれば、対象者の不貞行為の相手を特定し、接触状況の証拠をおさえて記録します。
社員の素行調査であれば、勤怠上の問題や接触してはいけない人物との密会証拠、架空経費の請求状況などを確認することができます。
このように、尾行・張り込み調査は、現行犯での状況の確認に威力を発揮します。
浮気調査では、探偵が尾行・張り込み調査を行い、証拠を収集していきます。
対象者は浮気している事実を、周囲には話しません。
浮気は秘密裏に行われます。
関係先への取材で、浮気の証拠が集まることはほぼありません。
浮気調査では、尾行・張り込みでの調査手法が最も効果的だといえます。
一般の探偵・興信所では、浮気調査が特に多いと言われています。
ですので、探偵・興信所は尾行・張り込みの調査を中心業務としているところが多いです。
この他にも、接触人物との会話や予想外の特別情報が獲得できることはありますが、それらの情報は、必ず毎回獲得できる保証はありません。
そして、プロは尾行・張込みと同時に、対象者の証拠撮影も行わなければいけません。
素人とプロの違いは、そうした状況下での対処法を熟知し、反射的に対応できるかが重要です。
また、映像撮影の技術力も必要です。
長期間の実務経験と、訓練に裏付けられた専門職です。
また時には、不可抗力による撤退という状況も起こります。
尾行・張り込みの場合、突っ込み過ぎればバレてしまいますし、距離を空け過ぎれば見失ってしまいます。
その絶妙のバランスの中で尾行・張り込みを継続しなければなりません。
その日だけで考えれば、成果が上がらなかったとしても、次のチャンスで成功すれば何の問題もありません。過去の経験や業界の独自の基準に則り、不可抗力で一回目の撤退を余儀なくされるということはありえます。
探偵業の尾行張り込みで言えば、100%の成功はありえません。
一回単位で見て、90%程度成功していれば、優秀な尾行調査員と言えます。困難な状況が予想されるようであれば、特別な対策をとったり、場所や期間を変更するなどして成功率を高めていくということもあります。
聞き込み・データ調査
事前にリサーチを行い、対象者がこれまでに関係を持った機関や組織、周囲の人物への取材など、聞き込みを中心に情報の収集を行なっていきます。
また、公開情報(メディア)をもとに、決定的な証拠が捉えることのできる場所の調査もします。
対象者の過去の素行に関しては、聞き込み取材による調査方法が効果的です。対象者の関係先などから証言を取得します。
関係先がすべてを話してくれるかどうかは別問題ですが、対象者の過去の状況を知るには聞き込み調査が有効な手段です。
以上のような調査は、探偵業を営むための届け出を行った業者であれば、合法的に行うことができます。
また、無届で探偵業を営んだ場合、調査を行った業者は罰せられます。
違法な調査方法
探偵や興信所は、探偵業法という法律の範囲内で調査業務を行うことができます。
法律の範囲内の調査は、他人からの依頼で対象人物の所在、または行動に関する情報、聞き込みや尾行や張り込みなどの調査です。
これらは法律で認められています。
この範囲内で行われる調査は、違法ではありません。
しかし、それ以外の違法行為によって調査・収集をした場合、もしくは他人の平穏な生活や権利を侵害する行為が行われた場合は、法律で処罰されます。
不法侵入
探偵が浮気調査、身元調査などを行う場合、細心の注意を払っているのが、この不法侵入です。
第三者の敷地に入り込んでの張り込み。
または、尾行中の敷地の横断これも不法侵入です。
また、調査対象者のマンションのオートロックを、無断でくぐり抜ける行為なども不法侵入に当たります。
個人情報
個人情報保護法では、違法な手段によっての個人情報の取得を禁止しています。
そして、違法に取得した情報だと分かっていて、第三者から間接的に取得した場合も違法行為にあたります。
また探偵・興信所は、依頼者に対して対象者の個人情報の利用目的を確認する必要があります。
次に該当する場合は、対象者の個人情報を調査することはできません。
- 社会的差別の原因となるおそれがあるとき。
- ストーカー行為・つきまとい行為等の目的となるおそれがあるとき。
- 配偶者からの暴力行為のおそれがあるときの、被害者の所在の調査。
交通違反
警察などの緊急車両と違って、探偵の尾行で交通違反を行うことは、当然許されません。罰則・罰金を受けることになります。
依頼者は、依頼先を選ぶ上でも、これらの知識を持つことは大事です。
正当な業務を行うかで、その業者への信頼度が変わってくるはずです。
依頼先に不安を感じた場合
もしも依頼先に不安を感じた場合は、各登録の都道府県警察署のホームページを調べましょう。
探偵業を営む全ての業者は、公安委員会への登録が必要です。
もしそれらの業者が、探偵業法違反等で公安委員会が営業停止命令・廃止命令等を行っていた場合、処分が行われて3年間は掲載されます。
まとめ
探偵業界の内情は、あまり世間に出回ることも少ないです。
依頼者はどの業者が信頼できて、どこがそうでないのかを判断するのも難しいと思います。
探偵事務所や興信所へ依頼を考える際は、直接、相手先からできる限り多くの情報を集めて、詳しく説明を受け面談することが大事です。
探偵や興信所を選ぶ際は、是非とも、自分の信頼がおけるところを選ぶようにしてください。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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