反社とは何か?トラブルに巻き込まれないために定義を理解しよう
反社会的勢力、略して反社という言葉は聞いたことがあるでしょう。では具体的に反社とはどんな人・組織を指すのかと言われると、きちんと答えられない人も多いかもしれません。反社の定義は日本政府が明確に提示しています。ビジネスなどでトラブルに巻き込まれないためにも、反社の定義について理解しておきましょう。
日本における反社
反社の定義は日本政府が文書として明確に打ち出しています。2007年6月19日付の文書を出しました。「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」と呼ばれる文書がそれです。その中で反社会的勢力の定義について記載されています。
反社とは暴力や威力、詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団もしくは個人と定義されています。個人もその中に含まれるので、組織立っていなくても先に紹介した手段を使ってお金儲けをしていれば、反社と言えるわけです。日本政府ではこのような反社に対して資金提供や取引関係などを絶対に行わないことと文書で明記しています。たとえ企業や従業員の不祥事を反社から指摘されても、隠ぺいするためなど裏取引を行うことも禁じています。
反社の事例
具体的に反社とはどのような組織が考えられるでしょうか?多くの人が真っ先に浮かぶのが暴力団ではありませんか?暴力団も先の文書で端的なものとして紹介しています。しかし暴力団以外にもいろいろな組織が候補として挙げられます。先に紹介した政府の公開した文書の中には総会屋、社会運動標榜ゴロ、政治活動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団などと言及しています。さらにフロント企業と言いますが暴力団が関係する企業についても反社と定義されています。暴力団以外にもいろいろな集団が反射と言えるかもしれないので注意しましょう。
見分けのつかない場合も
見るからにやくざとわかるような人であれば、ハナから関係を持とうとは思わないでしょう。しかし一見するといわゆる堅気の人でも、実際には反社だったということもあり得ます。例えば元暴と言われる、以前所属していたけれども今は暴力団から離脱している人の中には反社に該当する人物のいる点です。実は暴力団排除条例の中で、暴力団を離脱して5年以内の人物は暴力団関係者とみなしています。銀行口座を作れない、自分名義で部屋を借りることもできないなど実質反社扱いされます。このような人物とビジネスをすると、あなたの会社も反社関係者という風に見なされるかもしれないわけです。
半グレは難しい
半グレという言葉を聞いたことはありませんか?日本政府も半グレは反社と定義しています。しかしこの半グレ、一見すると普通の企業関係者といった顔で近づいてくるので厄介です。半グレとは、ある作家が名づけた言葉と言われています。グレには「グレーゾーン」や「グレる」といった意味合いが込められているといわれています。新手の組織的犯罪集団です。暴走族上がりの大人がグループを結成して、半グレになったといわれています。
暴力団の場合、ピラミッド構造になっていて、家族のように明確な序列が組織内部に構築されています。しかし半グレにはこのような明確な上下関係はありません。横のつながり、すなわち仲間意識で構成されている集団です。暴力団は法律などでがんじがらめにされているので新しく入ってくる人が少なく、高齢化も進んでいます。若い人は半グレに入る傾向が見られます。半グレの年齢構成を見ると20~40代が中心です。きちんとした組織ではないので、逆に見分けるのが難しいわけです。
反社の見分けは難しい
反社の定義のわかったところで、どう見分けるのか気になるでしょう。結論から言うと、一般の人が正しく見分けるのは困難です。というのも一見すると反社の人は、いたって普通だからです。スキンヘッドなどいかつい顔をしている、いかにもその筋の人とわかるような格好をしているなどは映画やドラマなどで作られたステレオタイプにすぎません。反社の人は何かトラブルを起こせば、すぐに警察にマークされてしまいます。だからこそ、格好や立ち振る舞いなどいたって普通の姿かたちをしています。肩で風切るなど周囲を威圧するようなこともあり得ません。
断れない恐怖
一見すると普通の人物のように近づいてきて、後々相手が反社だと気が付いたときにはもう後戻りのできないところまで来ていたということもあり得ます。反社の人たちは他人に恩を売ることで信頼関係を築くことで利益を得ている人が多いです。このため、相手の懐に飛び込むのに長けている人も多いです。最初は特に気さくで親切にしてくれます。食事をおごってくれたり、高価なプレゼントをしてくれたりします。さらに何か困ったことがあれば何かにつけ、相談に乗ってくれるなどは気を付けたほうがいいです。反社として見れば、ターゲットの警戒心を解く必要があります。だからこそていねいに接してくれるわけです。
いろいろと親切にしてもらうと、相手に頼みごとをされたときになかなか断れないでしょう。これが反社の狙いでもあります。まるで闇金業者のように相手にお金を貸し付けるだけ貸し付けて、高利で回収に走るのと一緒です。相手にどんどん恩を売って、頃合いを見計らってその回収に移るわけです。たとえ向こうの要求を断ろうとしても、トラブルに発展する危険性が高いです。「恩をあだで返された」と思って、脅迫や威圧などの不法行為を駆使して屈服させようとします。このように拒否できない空気にして、どんどん自分たちに協力するように求めていくのです。この最初のうちは反社かどうか区別のつかないのが怖いところです。
まとめ
反社の定義を見れば、至極もっともと思うかもしれません。しかし反社の人はそうではないという顔をして近づいてくるので、付き合いを断るのが難しいのです。反社の見分けは素人にはつかないので、ビジネスを始めようと思っているのであれば、相手が反社ではないか探偵などのプロに調査を依頼するといいでしょう。プロの調査員が詳しくチェックすれば、どんなに見た目は普通の人でも反社の関係者かどうか区別はできるでしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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