ストーカーに殺される恐怖日本のストーカー規制法と殺人事件

ストーカーとは特定の人物に、必要以上につきまとう行為を行う人のことを指します。
その行動は様々で、帰り道を待ち伏せしたり郵便物を送りつける、さらには実際に接触してくるパターンもあります。しかし、ストーカー行為がエスカレートしていくと、最悪の場合は殺人事件へと発展することがあります。この記事では、日本で実際に起きたストーカーによる事件を取り上げていきます。全て日本で実際に起こったことであり、いつあなたの身に起こるか分かりません。自分の身は自分で守ようにしましょう。
ストーカー規制法とは?
ストーカー規制法とは、つきまとい等のストーカー行為者に対して警告、さらに悪質な場合は逮捕することで事件やトラブル被害者から守る法律です。主に『つきまとい等』『ストーカー行為』の2種類が規制の対象となります。
つきまとい等とは
・つきまとい等には以下のような行動が含まれています。
- ・つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき
- ・監視をする行為
- ・面会や交際の要求
- ・暴力的な言葉遣いや行動
- ・無言電話、LINE、メール
- ・汚物等の送付
- ・名誉を傷つける行為
- ・性的羞恥心の侵害
これらが主に挙げられる「つきまとい等」の行為となります。この中でも特につきまといや待ち伏せ、必要のないメールやLINEの連投などは意外とみなさんの身の回りでも起きているかもしれません。次に紹介するのは、「ストーカー行為」です。
ストーカー行為とは
特定の人物に対して「つきまとい等」を繰り返す行為を「ストーカー行為」と規定しています。罰則を設けているものの、上記で挙げた「つきまとい等」の行為については、身体の安全や行動の自由が侵害され不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限ります。
- ・ストーカー行為の罰則は1年以下の懲役、又は100万円以下の罰金。(第18条)
- ・さらに禁止命令などに違反をしてストーカー行為をしたものは2年以下の懲役又は200万円以下の罰金。(第19条)
- ・禁止命令等に違反した場合、6ヶ月以下の懲役、又は50万円以下の罰金( 第20条)
このようにストーカー行為はしっかりと処罰されるものです。もしあなたがストーカー行為に悩んでいるなら、すぐに近くの警察署に相談することをお勧めします。あなたの申し出によっては、警察からストーカーに対して警告することも可能です。
桶川ストーカー殺人事件

1999年に埼玉県桶川で起きた「桶川ストーカー殺人事件」は、現在のストーカー規制法ができるきっかけとなった日本の、ストーカー事件史上最も有名な事件です。この当時、ストーカー行為の規制に対する法律がなく、警察の対応が酷かったために最悪の結果を招いたと言われています。
1999年1月6日、埼玉県のゲームセンターで友人と一緒にいた被害者の女性(21歳)は男A(26歳)に声をかけられて交際がスタート。この時、本名を偽っており、年齢や職業なども嘘をついていました。実際には、複数の風俗店を経営していた裏社会の実業家だったのです。
交際が続くと、高額のプレゼントや教えてもいない自宅に電話がかかってくるなど不安を抱き始めます。2ヶ月後の3月、男Aの住んでいたマンションへ訪れた際、室内にビデオカメラがあることに気がつき問いただすと男Aは逆上。「別れを告げれば殺される」と感じた女性は、仲の良い先輩に「私が殺されたたらこの人が犯人」と男Aのことを話していました。
タイミングを見計らい別れを切り出しますが、脅迫によって交際を強要しようとします。3月末、男Aと兄の男B、さらに知人の3人が女性の自宅に押しかけ金銭を要求。そこにいた詩織さんの父親により、その場は何もなく済みました。
翌日、この時に音声テープを尾上署へ持っていったところ、『これでは事件として認められない』と対応しませんでした。7月になると中傷のビラが自宅や学校に300枚、さらには父親の仕事先までに800枚が届きます。これにも警察は対応せず、告訴を取り下げさせるために上尾署員が女性宅へ訪問します。
その時に対応した母親は告訴の取り下げを拒みますが、この時すでに上尾署員によって被害届が改ざんされていました。その後、兄の男Bによって女性殺害の相談を男Aは持ちかけられます。
10月26日に男Bによって殺害依頼をされた実行犯の男Cを含む3人は桶川へ向かい、午後0時53分、久保田がJR桶川駅近くにいた女性の右脇腹と左胸部を指して逃亡。そのまま女性は出血多量で亡くなりました。
この事件後、上尾署に設置された捜査本部が報道陣に向けて会見を開きます。しかし、捜査一課長代理は半笑いで事件の概要を説明したあげく、事件当日に身につけていたものがブランド品だったことを取り上げ「キャバクラ嬢」「女性にも問題があった」と嘘や事実は違う内容で報道がされます。
この事件の真相に注目していた写真週刊誌の記者が女性のご両親へ取材。警察の捜査に疑問を感じた週刊誌の記者は独自に調査を進め、警察よりも先に実行犯の潜伏先を特定しその写真を週刊誌で発表します。これがきっかけで警察は実行犯を逮捕。首謀者である男Aは北海道へ逃亡していましたが、翌年の1月16日に屈斜路湖で遺体となって発見されました。
その他のストーカー殺人事件

この桶川ストーカー殺人事件以降、ストーカー規制法が制定されました。しかし、2012年11月6日には「逗子ストーカー殺人事件」と呼ばれる事件が発生しています。何度となく繰り返されたストーカー行為、その行為が把握されていたにも関わらず、事件を未然に防ぐことができなかったことが大きな問題となりました。
さらに翌年2013年10月8日には、女優の卵だった18歳の女子高校生が元彼氏によって自宅前で刺殺され殺害されるという事件も起きています。殺害前に加害者側の男性は、女子高校生の裸の写真をインターネットに流出させたことでリベンジポルノ防止法が成立しました。これがきっかけで「リベンジポルノ」という言葉が世に広まることになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?日本でも数多くのストーカー殺人事件が発生しています。ここまで多いとあなたの身の回りでも、ストーカー行為は普通に行われているのかもしれません。少しでも異変や何かに気が付いたら、すぐに警察に相談するようにしましょう。
事前に対策をすることで、事件を未然に防ぐことができるかもしれません。この記事を参考に、是非自分から率先して行動するよう心がけましょう。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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