再犯だと実刑なのか?執行猶予中にストーカーの再犯で起訴されたらどうなるか
ストーカー規制法は親告罪ではなく非親告罪であり、被害者の申し出がなくても「警告」や「禁止命令」などが出されることがあります。また、ストーカー行為における再犯率は比較的高くなっています。
もし再犯で逮捕・起訴されてしまうとどうなるのでしょうか。再犯の可能性と再逮捕・起訴された場合の量刑について解説します。
1.執行猶予中にストーカー行為で逮捕・起訴され実刑になると刑務所に行くことになります。
執行猶予期間は、刑の執行を猶予するものです。そもそも執行猶予が付いたということは「無罪」ではなく「有罪」の判決なのです。
再犯とは
執行期猶予期間終了または懲役刑の執行の終了から5年以内に犯罪をする場合のことを指します。罪名が同じかどうかは関係ありません。ストーカー加害者による再犯率は比較的高くなっています。
ストーカー行為を軽犯罪だと認識するのは危険です。一度でもストーカー規制法の「警告」などを受けている場合、再犯で「いきなり逮捕」の可能性もあります。
執行猶予中に逮捕・起訴され実刑判決を受けると刑務所へ行くことになります。
ストーカー行為に限らず、執行猶予期間中に逮捕・起訴され実刑判決を受けると、執行猶予は取り消されます。
そして、前に言い渡された刑期と今回の刑期を合算したものが、刑務所で過ごす期間となります。
執行猶予中の再犯の場合、大変厳しい条件があるため執行猶予が付くことはほとんどありません。
2.ストーカー行為で逮捕されるのはどのような時でしょうか。
「ストーカー行為で逮捕」と聞くと、一番に思い当たるのは「ストーカー規制法」に違反した場合ではないでしょうか。
このストーカー規制法では「付きまとい等」と「ストーカー行為」を規制しています。詳しく見てみましょう。
ストーカー規制法による「付きまとい等」と「ストーカー行為」とはどんなことでしょうか
ストーカー規制法の正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」と言います。そしてこの法律が規制の対象としている行為は、「つきまとい等」と「ストーカー行為」です。
「つきまとい等」とは、特定の人に対する恋愛感情やその他の好意の感情が相手から受け入れてもらえなかった、又はそれが満たされないことへの怨恨などの感情を満たすために、特定の人やその家族、密接な関係がある人に対して下記の8つの行為を行うことです。
1:つきまとい、待ち伏せ、押しかけ うろつき
2:監視していると告げる行為
3:面会、交際の要求
4:乱暴な言動
5:無言電話、連続した電話、ファクシミリ(電子メール等も含む)
6:汚物や動物の死体などを送りつける
7:名誉を傷つける
8:性的羞恥心の侵害(インターネットの掲示板などへの書き込みも含む)
を行うことをいいます。
「ストーカー行為」とは、特定の人に対して上記の「つきまとい等」を繰り返して行うことをいいます。
「警告」や「禁止命令」が出されたら従いましょう【逮捕につながる恐れあり】
被害者が警察に相談及び申出書を提出すれば、警察から加害者への「警告」を行うことができます。しかし、警告には法的効力はありません。
警告を無視してストーカー行為を繰り返せば公安委員会から「禁止命令」が出されます。これに従わないと「逮捕」されることがあります。
また「警告」や「禁止命令」が出されていなくても、いきなり「告訴」や「逮捕」に至るケースもあることを覚えておく必要があります。
「告訴」は被害者が加害者への処罰を求めて警察などへ訴えることです。受理されれば警察棟の捜査機関は捜査を開始することになります。
逮捕されれば、社会生活に大きく支障をきたす恐れがありますので「警告」「禁止命令」が出された場合は速やかに従いましょう。
ストーカー行為は傷害罪などの刑法に抵触する恐れがあります。
ストーカー規制法違反で刑事罰が科されるのは「つきまとい行為等」を、繰り返して行われた場合にストーカー行為と認定されます。これは刑事罰の対象になります。
また、ストーカー規制法だけでなく、迷惑防止条例等の条例違反や、脅迫罪、傷害罪、住居侵入罪 名誉棄損罪といった犯罪が成立し逮捕される可能性もあります。
例えば「相手の腕を引っ張った」場合は、暴行罪が適用される可能性もあります。
3.ストーカーの再犯を防ぐのは処罰だけでなく治療も重要です。
ストーカー行為の再犯率は高くなっています。ストーカー規制法の「警告」を受けてしばらくはストーカー行為をやめていても、また恨みなどの感情が再燃してしまい「付きまとい等」をおこなってしまったというケースなどは少なくありません。
ストーカー規制法による刑罰
禁止命令が出ているにもかかわらず、無視してストーカー行為を続けた場合
2年以下の懲役または200万円以下の罰金
ストーカー規制法違反 「警告」などが出されていなくても処罰されることがあります。
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
警告等が出されていなくても逮捕・起訴されるケースもあります。
ストーカー規制法以外の刑法が適用される場合
ストーカー規制法だけでなく、ストーカー行為がエスカレートした場合、別の罪に問われることがあります。
暴行罪
2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料、
傷害罪
15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
名誉棄損
インターネット上で相手について誹謗中傷を行った場合など。
3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金
傷害罪は、身体に対しての被害を与えた時だけでなく、精神的に被害を与えた場合にも適用されます。
ストーカー加害者への再犯防止の取り組み
ストーカー行為を繰り返し行ってしまう人は「怨恨」などの感情に突き動かされていることが多くあります。この感情を持ち続けることは、加害者本人にとっても大変辛く苦しいものです。
再犯防止のためには、加害者に対するカウンセリングなどもおこなわれています。精神科棟や警察など官民一体で連携して、加害者に受診を進める活動もおこなっています。
しかし本人が受診を拒否することも多く、受診率は高くありません。
まとめ
ストーカー行為は再犯率が高くなっています。現在、官民一体となってストーカー行為の禁止に対する啓発活動もおこなわれるようになっています。
加害者の認知の歪みが怨恨を引き起こしていることも考えられ、刑罰だけでなく治療の必要性も認識され始めています。
被害者と加害者との間での解決は難しいケースがほとんどです。ストーカー行為については専門機関に相談するのが賢明でしょう。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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