犯人は見知らぬ人物ではない?ストーカー加害者の特徴的メンタル傾向

ストーカーといえば「見知らぬ人物につけ狙われる」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
実は、ストーカーの犯人は「被害者の身近いる(いた)人」が過半数を占めています。
なぜなら、ストーキングに至る動機の多くは「親密な関係の崩壊」によりメンタルが大きなダメージを受けることによります。
今回はメンタルダメージにより生み出される「特徴的ストーカータイプ」について解説します。
1.ストーカーの被害者と加害者の関係性は「元交際相手」が過半数!
ストーカー行為の加害者と被害者は面識があることが多いのが事実です。
驚くことに、元配偶者や元恋人などの「元交際相手」が加害者となることがストーカー犯罪の過半数を占めています。
次に多いのは「友人」「勤務先の同僚や職場の関係者」という知人によるストーカー行為となります。
ストーカー規制法によって規制を受ける行為
ストーカー行為が問題視されるようになって「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が制定されました。(ストーカー規制法)
法整備により下記の8行為については警告等の対象となっています。
1号 つきまとい・待ち伏せ等
2号 監視していると告げる行為
3号 面会・交際の要求
4号 乱暴な言動
5号 無言電話・連続電話・メール
6号 汚物等の送付
7号 名誉を害する行為
8号 性的羞恥心を害する行為
※法改正に伴い、平成 25 年7月 23 日施行以降、電子メールの連続送信を 含む事実についてもストーカー規制法の対象となりました。
上記の行為を相手に対して「好意の感情・好意が満たされず怨恨の感情」をもって繰り返し行うことを規制する法律です。
離婚や交際相手との別れから、ストレスでメンタルが不安定になり怨恨の感情が生まれた場合、住所や連絡先のわかっていることが多いので上記のストーカー行為に発展することが容易に可能になります。
ストーカー行為で多い内容は「面会・交際の要求」だが男女によって違いがあります
ストーカー規制法による1号から8号までの加害行為について、男女ともに3号の「面会・交際の要求」が多く発生しています。内容は復縁の要求だけでなく、加害者からのプレゼントを受け取るように強要したりすることが含まれています。
失恋や離婚となれば、誰でも大きなストレスを感じますし、メンタルへも大きく影響することは確かです。しかし、誰もが相手への怨恨や復讐を考えるわけではありません。
ストーカー行為へと発展するにはストレスからメンタルへの不調をきたし、思考へと影響を与えていることが考えられます・
2.ストーカー加害者には5つのタイプがあります。

オーストラリアではストーカー加害者への治療の研究が進められています。
ストーカー加害者をプロファイリングの観点から分類した「Stalking Risk Profile(SRP)」(ストーキングリスクプロファイル)があり、このSRPでは、ストーカー加害者の持つメンタル的要素と動機から5つのタイプに分類されています。
親密な関係の崩壊に起因する「拒絶タイプ」
過去に親密な関係「夫婦」や「恋人」「親友」であったが、その関係性が離婚や別れによって崩壊してしまったことによって起こることが多いタイプです。ストーカー加害者は「復縁」を持ちかけるなどの「関係性の再構築」を望み、ストーカー行為へと発展します。
また、被害者に拒絶されたことに対する復讐心からストーカー行為へと発展する場合もこの拒絶型に含まれます。
自分は被害者だと思い込む「憎悪タイプ」
自分は屈辱を受けている被害者だという意識から、「仕返し」「復讐」が動機となって、ストーカー行為に発展するタイプです。
関係性の構築などは望まず、自分自身が被害者であるという誇大妄想を繰り返すメンタル的要素があります。
恋愛感情が生み出す「親しくなりたいタイプ」と一目会いたいから始まる「相手にされない求愛タイプ」
「親しくなりたいタイプ」とは、親しい相手がいないなどの孤独感から「あの人と親しくなりたい」という願望が生まれストーカー行為へと発展するタイプです。
被害者と加害者の間には面識がない場合が多く面識があっても「知人」程度の関係性であることが多いです。
しばしば加害者は被害者に対して「恋愛関係にある」などと勝手に関係性を作り上げていることがあります。
また「相手にされない求愛タイプ」は、孤独感と性欲からストーカー行為へと発展するタイプです。
ただ「親しくなりたいタイプ」とは動機がやや違います。恋人などの恋愛関係を結ぼうとするのではなく「一目会いたい」「性的関係を得たい」ということが動機になり、ストーカー行為の期間は短めの場合もあります。
常軌を逸した「略奪タイプ」
このタイプは常軌を逸した性的欲求などが背景となります。ストーカー加害者は男性であることがほとんどで、被害者は見知らぬ女性のことが多いのが特徴的です。
普段用心していない被害者に対して、長期間にわたり窃視するなどのストーカー行為による征服感や満足感を得ることを目的としています。
3.ストーカー行為の加害者が諦めるとき

こうしてみていくと、ストーカー加害者には「事実をゆがめて認知する」というメンタルが特徴的です。
ストーカー加害者が元配偶者や元交際相手などの場合は、とくに認知のゆがみが大きくなりがちです。
そのうえ、ストーカー加害者にとってストーキングはメンタル的な利益を得ているのです。当事者間で解決することは難しいでしょう。
ストーカーをやめるのは「生活への不利益」をこうむるときです。
ストーカー加害者も社会生活を送っています。
ニュースなどでも、社会的地位の高い職業に就く人物が「ストーカーを行っていた」などと報じられることもしばしばあります
この場合は「ストーカー行為によって逮捕される可能性がある」と認識させることが大切です。ストーカー加害者は認知のゆがみが大きくなっていますので、自分の行為が社会的に許されない事の認識が薄くなっています。
しかし「逮捕されるかもしれない」や「逮捕されれば会社をクビになってしまうかもしれない」という不利益を認識すれば、行為をやめることがあります。これも当事者間で気付かせることは難しいので、警察や専門機関を利用するのが賢明でしょう。
まとめ

元配偶者や元恋人など「一時期は気心が知れた関係」であった人物が、関係の崩壊によりストーカー加害者になることがあります。
ストーカー加害者は大きなストレスなどにより「認知のゆがみ」などのメンタル的特徴が起因していますので、当事者間での説得では解決は難しいでしょう。
早めに相談機関を訪れることが、解決への近道となるでしょう。探偵事務所などのストーカー解決実績がある調査会社などに、まずは一度相談してみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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