それってモラハラ…?夫婦間のモラハラを診断する6つのチェック項目

モラハラという言葉を聞いたことはないでしょうか。社会問題としても取り上げられているモラハラは、モラルハラスメントという加害行為です。精神的ないじめ、精神DVとも言われ、モラハラが夫婦間で起こると離婚の原因になることも。
しかし、モラハラは暴力などの外傷が出ないために「私が悪いから」「勘違いしているのかも」と被害者が泣き寝入りしがちです。他人に指摘され、初めてモラハラを自覚することもあるのです。今回はそんなモラハラを診断するチェック項目を6つ集めました。夫婦間のモラハラの問題解決策もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
夫婦間のモラハラとは?

モラハラは夫婦に限ったことではありませんが、夫婦間で取り上げられやすい問題でもあります。モラハラは正式にはモラルハラスメントといい、一方が一方的なモラハラを受けていると夫婦の継続が難しくなります。精神的な暴力、虐待のことを指す言葉です。
また、モラルハラスメントは社会の中でも発生します。例えば他者からの人格否定や悪口・誹謗中傷を浴びせられるのはモラハラと言えるかもしれませんが、これらは家庭内でも起こり得るのです。
モラハラはその特徴からどうしても外傷のない部分であり、家庭内のモラハラは外部の目がない分「いつ起きているか」が立証できません。モラハラをする方に自覚があれば家庭外には隠すでしょうし、モラハラを受けている方も「自分のせい」「これが普通」と感覚が鈍くなってしまい、自覚できないケースも多いのです。
モラハラ被害を受けるのは、体格的にも弱い女性のイメージもあります。ですが、男性・女性関係なくモラハラ問題は取り上げられます。夫からのモラハラが多い印象があるかもしれませんが、妻が肉体的に夫には勝てない分モラハラで精神的に追い詰める場合もあり、夫・妻どちらも夫婦間のモラハラには正しい対応をしなくてはなりません。
モラハラと夫婦喧嘩の違いとは
モラハラと夫婦喧嘩の違いとは、どういった点が挙げられるでしょうか。「夫・妻からモラハラを受けている」と思っていても、「それは夫婦仲が悪いだけでしょう?」「やり返しているのならモラハラとは言えない」と他人から言われたことのある方はいるかもしれません。夫婦喧嘩との違いという観点から、モラハラとは何かを考えてみましょう。
結論を言うとモラハラを受けた方が「耐えがたいモラハラ被害である」と認識すればモラハラです。ですが、夫婦喧嘩との違いは
・怒りや当たりの度合いがモラハラの方が極端に強い
・常に「自分が正しい」という姿勢を崩さない、決して謝らない
・モラハラを受けている配偶者が体調不良を起こす
これらがあれば、双方の意見が違っている夫婦喧嘩ではなく「一方的な精神的暴力」と言えます。喧嘩であれば当事者間の話し合いによって解決でき、互いに悪かった点、意見や主張を認めることができるでしょう。モラハラはそうでなく、常に自分が正しくて配偶者は間違えている、配偶者が悪であることを認めるまで言い負かせる特徴があります。夫婦喧嘩のような平等さはありません。
モラハラがあると夫婦はどうなる?
モラハラが認められると夫婦はどうなるのでしょうか。法律では夫婦が離婚できる条件(離婚が認められる条件)が定められており、それが以下の5つになります。
・不貞行為
・悪意の遺棄
・3年以上の生死不明
・回復の見込みがない強度の精神病
・婚姻を継続しがたい重大な事由
このうち、モラハラを受け続けながら夫婦が対等に向き合い、互いに扶助しながら共同生活を送るのは、一般的に考えて不可能です。モラハラの度合いによっては・婚姻を継続しがたい重大な事由に当てはまり、離婚を要求できます。
しかし、離婚は一方の主張だけでは成り立たないものです。モラハラを理由に離婚がしたい、けれども相手がモラハラも離婚も認めてくれないのであれば「婚姻を継続しがたい事由がモラハラである」ことの証明をしなくてはなりません。
また、以上の離婚事由に当てはまっても離婚条件は夫婦間の話し合いにより自由に決められます。ですが、モラハラや不貞行為、悪意の遺棄など、相手に過失がある場合は被害を受けた側の配偶者が優遇されるケースが多いです。
これってモラハラかも?モラハラ診断チェック

モラハラとは何かを説明しましたが、言葉の暴力・精神的に追い込む行為であるために、モラハラを受けた直後は「これがモラハラだ」とは自覚できません。さらに日常的にモラハラを受けている場合も「どの家庭もこんな感じだろう」と次第に感覚が麻痺してしまうのです。
そこで、モラハラする人や家庭内のモラハラの特徴を踏まえて、診断チェックを用意しました。全部で6項目あるので、当てはまることがないか見ていきましょう。
結婚前と結婚後で態度が違う
まずは結婚前と結婚後で態度が違う点です。確かに夫婦生活が長くなると、相手への安心や信頼によって「交際中よりは連絡を取らなくなった」「愛情表現が減った」という変化はあるでしょう。そうではなく、あからさまに冷たい態度を取られたり意見を否定されたり、話しかけても無視されたりするのはモラハラに当てはまることがあります。
モラハラをするタイプの方すべてがそうとは言い切れませんが、大抵の場合「結婚前はやさしくて素敵なパートナーだったのに、結婚後に態度が豹変した」などの体験談は多いです。一度結婚すると離婚に踏み切るには時間も話し合いも必要なので、「少し自分が我慢したら良いこと」と捉えてしまいがちなのですが、あまりにもひどいとモラハラ以外の加害も起こるかもしれません。早急に話し合い、対応する必要があります。
疑い深く信用してくれない
夫婦は互いを信じあって生きていくものです。何をしても否定ばかりされ、「お前は低学歴だから信用できないんだ」「頭が悪いから信じられない」「頼りにはできない」と疑われるのは良好な夫婦関係とは言えません。
また、この場合は「妻だから」「夫だから」と配偶者を所有物化しており、信用しないことを普通のこととしてモラハラが続いているのかもしれません。モラハラを受けている方に自覚がない場合も多いのですが、モラハラをしている方にも自覚がないケースは多々見られます。さらに「相手を信用しないことで、夫・妻として責任感を持って生活を送っている」とはき違える方もいるでしょう。
自分の失敗も配偶者のせいにされる
これは一つの精神的な暴力の例です。何もしていないのに「お前がいるから商談がうまくいかなかった」「収入が少ないのはあなたのせい」と夫婦間でうまくいかなかったことの責任をすべて押し付けられてはいないでしょうか。特に夫婦で収入に差が出てしまうのは、共同生活を送る上で避けては通れないかもしれません。仕事をしないその分は家事や育児で補い、助け合うのが夫婦です。
しかし、立場が違うことを正当化し、自分の失敗すら人のせいにする方はモラハラ気質と見てとれます。常に責任を押し付けられているとそれが普通になり、モラハラにも気付きにくくなるため注意が必要です。
怒鳴る、脅す、バカにすることが常である
怒鳴ったり「○○しなかったら○○するぞ」と脅したり、どうせ頭が悪いから・何もできないから分からないだろうと馬鹿にするのはモラハラ以外の何物でもありません。相手の了承があれば怒鳴って良いわけでもなく、人としての権利を無視し配偶者を尊重しない姿勢は「夫婦生活を円満にしよう」という夫婦としての基本的な努力が欠如しています。
外面がよく人前と家庭内で態度が違う
次に外面がよく、人前と家庭内で態度が違う場合。モラハラをする配偶者の特徴でもありますが、一度家庭外に出たら良き妻・夫として振る舞います。すると周りは「あの人がモラハラするなんてありえない」とモラハラに気付いても配偶者を取り合わないこととなりますし、家庭内では監視の目もないため外には隠せるのです。
性格にもよりますが、世間体を大事にする人ほどこうした傾向があります。この場合は家庭内のモラハラを自覚し、被害者が自ら証拠を残し記録しておかなくてはなりません。
「夫・妻だから○○すべき」と主観を押し付けてくる
最後に主観を押し付け、それを配偶者にも強要する特徴です。「嫁なんだから家事はして当たり前」「夫なんだから年収〇万円は当たり前。私は絶対に働かないから、楽できるくらい稼いでから文句を言って」など、主観を押し付けて「これが夫婦の在り方」と主張するのは一方的なモラハラです。
もちろん妻・夫に理想は誰しも持っているかと思います。ですが、「○○すべき」と考えるのは危険な行為。現実と理想が混在しており、現実的に不可能なことを押し付けてくる日もあるかもしれません。その際に言動が過激化しないよう、注意しながら生活するのは夫婦生活とは到底呼べないでしょう。
モラハラだと分かったら?やっておくべきこと

今家庭内で起きていることがモラハラだと気付いたら、まずどんな行動に移れば良いのでしょうか。配偶者を必要以上に恐れることなく、すみやかに行動しましょう。
どんなことをいつからされたのか、日記をつける
モラハラだと感じたきっかけ、また日々何をされたのか、日記をつけて記録しましょう。「きちんとした音声データや物的証拠がない」と証拠にはならないと思われがちです。ですが、モラハラを解消するためには話し合いが必要で、そのためには一方的であっても日記のような時系列がきちんとしている記録は大切なモラハラの証拠になります。
録音や写真などで証拠を残す
可能であればICレコーダーやスマホアプリなどで、怒鳴られたりなじられたりした様子を録音し残します。他にもモラハラが過激になり、所有物を傷つけられたり壊されたりしたら、それも写真に残して証拠にしましょう。
もし身体的暴力、DVに発展したら、その場合も受けた外傷を写真で残しておくといざというときに証拠として扱えます。
モラハラによる精神病は診断書などを出しておく
モラハラの特徴として、受ける方は精神的なダメージが強く、鬱症状が出たり睡眠障害・不安障害を引き起こすこともあるでしょう。このとき精神科にかかった場合は、診断書を作成し「モラハラの被害が出ている」ことを残しておきます。他にも診察券や領収書なども証拠になる場合があるため、捨てずに残しておくことをおすすめします。
ひとまず別居する、周囲に相談する
最も安全なのは離婚してモラハラ環境から逃げ、配偶者と距離を置くことです。しかし、モラハラを受けている最中の被害者はあまり考えることができず、モラハラがひどくなるのではないか、子供にもモラハラ被害が飛び火するのではないかと行動に移せないこともあります。
まず周囲に相談し、モラハラを家庭内だけの問題では済ませないようにしましょう。その上で安全な場所に逃げて、別居するのも手段の一つです。地域によってはDV被害から逃げるための親子シェルターも用意されているので、配偶者の脅威が及ばないところで冷静になって今後を考えるのもおすすめです。
モラハラの証拠が掴めない…。相談できる機関とは?

それでも解決しないモラハラ問題。ここからは相談できる機関をご紹介します。
自治体の相談窓口
身近な存在で自治体などが運営するDV・家庭内のトラブル相談窓口です。ここではDV被害だけでなくモラハラについての相談も可能。自治体によりますが、相談自体は無料なので予算がない方にもおすすめです。
相談窓口はその窓口で何か対処してくれるわけではなく、「この後どうすればよいか」をアドバイスしてくれます。
弁護士
程度のひどいモラハラだと、弁護士が介入して離婚の手筈や相手への慰謝料請求を話し合いによって取りまとめてくれます。配偶者と1対1で話し合えない場合に有効でしょう。
法テラスなどを利用すると通常有料の弁護士相談費用も無料になるため、自分が自由にできるお金がない方にもおすすめです。
探偵や興信所にも相談可能
最後は探偵や興信所です。こうした調査会社は浮気を調べるイメージが強いのですが「調べるエキスパート」だからこそ、家庭内という閉ざされた場所のモラハラの証拠を集めるアドバイスが可能です。
録音するタイミングや残す証拠はどんなものが良いか、また周囲への聞き込みや配偶者の素性調査によって、問題を解決していきます。中には夫のモラハラで相談したところ、不貞が発覚したという方も。こうなると離婚しやすくなる上、離婚条件も有利に進められるという利点があります。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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