興信所とは?探偵とどう違うの?気になる「調査会社」を解説
調査によって人間関係のトラブルや困りごとを解決する探偵・興信所。調べてみると各地域にたくさんの調査会社は存在し、一般の方も利用できるなど意外と身近な存在であることが分かります。しかし、みなさんは探偵と興信所の違いをご存じですか?今回は探偵と興信所の違いや興信所に頼めること、興信所の料金や選び方までご紹介します。
興信所とは?探偵との違い・歴史
結論から言うと、探偵と興信所に現代で大きな違いはありません。探偵と興信所の働きを見てみるとどちらも同じ「調査サービス」を提供しており、同じ意味合いで使われます。
ただし、興信所と探偵は名前が違うことから異なる歴史があり、成り立ちが違っているようです。まずは双方の違いと歴史について、解説していきましょう。
興信所、探偵の歴史とは
1990年代、今でいう興信所や探偵などの調査会社は「興信探偵」と呼ばれていました。このように興信所は「調査会社」としての役割が強く、顧客も企業を相手にした信用調査などを「興信所」の名前を隠さず行っていたようです。対して探偵は個人運営や個人探偵など比較的規模が小さく、「調査会社」というよりも個人の働きで一般の方の問題を解決するやり方が多かったと言われています。
探偵という言葉が一般的に浸透したのは、2007年に制定された「探偵業法」がきっかけです。探偵業法は、探偵・興信所など調査会社が守るべき法律で、調査方法や調査会社の運営方針について細かく定められています。この対象は探偵・興信所全体であるため、今では探偵と興信所が同じものとして考えられています。
現代では興信所・探偵に違いはない
現代では興信所と探偵の違いはありませんが、人によっては「興信所は会社の信用度や資産など、動かないものを調べる機関。対して探偵は人間関係や探しものなど、動くものを調べる機関」とイメージされることもあります。確かに
・信用や資産など動かないもの
・人間やなくしものなど動くもの
を調べるためには、手法が異なります。それぞれに得意・不得意が生じますが、興信所が浮気調査をすることもあれば、探偵が企業信用調査を行うこともあります。また、それぞれの興信所・探偵によって得意とする調査は異なるので、一概に名前で選ぶのは得策ではありません。必ず依頼したい興信所そのものが信用できるか、調査実績があるかどうかをチェックして、自分に合うところに決めるようにしましょう。
興信所に頼める調査とは?
興信所で行える主な調査を以下にまとめました。ただし、興信所によっては「結婚調査をやっていない」「盗聴器調査はやっていない」など特徴が異なるので、依頼前に希望する調査を用意しているかどうかを確認しておきましょう。
浮気・不倫調査
興信所に寄せられる調査の中でも、多いのが浮気調査です。夫婦とそれと同等の関係の間に不貞行為があると不倫になり、不倫をもとに離婚要求ができたり慰謝料請求ができたりします。一緒に暮らしているとはいえ、不倫は起きると自分の立場が悪くなるもの。簡単に見つからないよう、さまざまな手段を講じて浮気や浮気相手を隠すでしょう。そのために、興信所は依頼人に代わって浮気調査を行います。
また、浮気・不倫を認めさせるには確実な証拠が必要です。「浮気をしているかどうか」を調べるだけならスマホの中身や相手の態度で分かるかもしれませんが、きちんとした証拠とは言えません。浮気・不倫の証拠とは
・ラブホテルに出入りする写真や映像
・不倫相手の家に出入りする写真や映像
・性交渉があったと匂わせるやりとりや音声データ
などが当てはまります。これを自分で揃えるのは難しく、浮気・不倫調査を利用した方が自分にリスクなく有利な立場が取れるのです。
興信所の浮気・不倫調査で得た報告書は、実際の裁判で不貞行為の証拠と認められた判例も残っています。裁判だけでなく調停や示談の際にも役立てられるため、すぐ浮気・不倫問題を解決したいという方におすすめです。
結婚調査
結婚調査とは、結婚や入籍を予定している婚約者を調べるもの。「結婚するまで親しくなった相手だから、調べる必要はないのでは?」「家柄を大事にする方や富裕層しか調べない」といったイメージがありますが、実は今増えている調査でもあります。
結婚は人生において大きな決定です。結婚するのは簡単ですが、離婚するためには双方の合意がなくては成立せず、入籍後に結婚生活が送れないほどの問題が起きてもすぐ対処できません。さらに婚約者だからこそ、懸念点があってもなかなか言い出せないことは多いです。
最近では結婚する相手は、長く交際して深く知り合った人だけとは限りません。結婚相談所やマッチングアプリで知り合うカップルも多く、「そもそもプロフィールが正しいかどうかも分からない」という事態も珍しくないでしょう。親族の方としても、結婚する当人が冷静に判断できているかどうか心配で、相手の本当のところが分からないと結婚に賛成できないケースもあります。そのために結婚調査を行い、二人の結婚を安心して祝えるよう活用するのがおすすめです。
結婚調査では、
・結婚相手の本名や居住地、職業などプロフィールと相違ないかどうか
・会社関係者からの評判
・借金や異性関係など、不穏な噂がないかどうか
を調べられます。よく「総資産や貯金額も知りたい」という口コミも見られますが、これは興信所に調べる権限がないため不可能です。同時に犯罪歴もデータベースにアクセスできませんし、出生地をはじめとするセンシティブ情報は調査結果が差別につながるため、探偵業法によって禁止されています。
素行調査
素行調査とは、その名の通り対象者の素行を調べるものです。先ほどご紹介した浮気・不倫調査と結婚調査も素行調査のひとつ。こうした個人を調べるのは、興信所調査の中でも定番と言えるものです。
素行調査は、
・遠く離れた場所で下宿生活を送る子供の様子を知りたい
・社員が「サボっている」と噂があるので真実を知りたい
・子供がいじめに遭っており、学校外での被害の証拠を掴んで欲しい
といった目的で利用できます。気を付けたいのは興信所は犯罪行為につながる素行調査は引き受けられず、例えばストーカー目的で「意中の人の住所が知りたい」といった調査は断られます。これは探偵業法で禁止されているため、すべての興信所・探偵が守らなくてはなりません。「どんな人の素行でも調べられる」わけではないので、注意が必要です。
人探し調査
次に人探し調査です。行方が分からなくなった方や、どうしても他人には相談できない要件で人を探しているときに、依頼人のかわりに興信所が調査します。興信所には独自のネットワークがあり、これを調査に活かすこともあるため、個人で調べるよりもスムーズに詳しく調査可能。人探しの目的は依頼人によって異なりますが、
・恩人や初恋の人が元気にしているか知りたい
・家出した家族の行方を調べたい
・生き別れの兄弟、家族と再会したい
・相続人や責務者を探したい
といった用途で利用できます。素行調査と同じように、人探し調査でも「誰でも探せるわけではない」ので注意しておきましょう。例えばストーカー被害に悩んで調査対象者があえて姿をくらました場合、追いかける目的で人探し調査は依頼できません。こうした依頼は例え隠して興信所に相談したとしても、数多くの調査を担当してきた興信所であるために、面談や受け答えの反応、調査目的やなぜ調べるのかの根拠などをもとに見抜くところがほとんどです。
信用調査
信用調査は企業が依頼することが多く、大きな取引や会社にとって重要な人材を採用する際に、その背景や実態に問題がないかを調べるものです。例えば、
・取引先の会社は実在しているか
・取引先の会社に妙な噂はないか、経営は本当に安定しているのか
・採用予定の社員は二重契約を行っていないか、情報漏洩はしていないか
などを企業に代わって調べます。
取引が大きいほど、もし失敗すれば企業存続・経営に大きな影響を与えます。信用調査を自社で行うところも多いのですが、通常業務をこなしながら同時に相手を調べるのは難しいもの。リスクヘッジのためだけでなく、業務の効率化のために信用調査を利用する企業も多いです。
嫌がらせ・ストーカー調査
心当たりがないのに、嫌がらせを受けたりストーカー被害に遭ったりする方もいます。被害があればすぐ警察に相談することとなりますが、事件性が低い場合は捜査がすぐ始まらないことも。「警察の見回りが強化されただけで、実際に被害は収まらなかった」と悩むこともあります。
被害をすぐ止めるには、嫌がらせやストーカーが誰の手によっておこったものなのかを調べないといけません。興信所ではこうした嫌がらせやストーカーを尾行や聞き込み、張り込みによって実態を押さえて相手を特定します。
興信所に逮捕や指導する権限はありませんが、調査報告書があれば警察も動きやすく、ストーカー犯に接近禁止令を出すこともできます。このように警察が動きやすくするお手伝いと、嫌がらせ・ストーカーを抑止するためにも、興信所の調査は活用されています。
興信所・探偵ではどのくらいの料金がかかる?
興信所や探偵の調査を依頼しようと思ったときに、気になるのはその料金ではないでしょうか。調査料金は各事業所で決められており、業界内で金額が設定されているわけではありません。そのため一概に「○万円かかる」とは言い切れませんが、決して安くない値段なので料金体系やどうやったら高く・安くなるのかの仕組みを知っておきましょう。
主な3つの料金体系
興信所によってプランは異なりますが、主に以下の3つに分かれます。
時給型
まずは時給型。時給型とは調査した時間分だけ調査料金がかかるもので、調査員の稼働時間や動員した人数などの料金が時給として計算されます。
時給型のよいところは、どのくらいのお金がかかったのか分かりやすい点です。単純に時間が少なくなれば料金は安くなるので、興信所の利用が初めての方にも理解しやすいでしょう。
パック型
ある程度の調査時間・日数が決められており、調査ごとに料金が設けられているのがパック型です。興信所のホームページを見てみると、「浮気調査:5日間で○万円」とあればこれがパック型料金です。
どのくらいの時間がかかるか分からない調査や、調べてみないと実態がわからないときにこのパック型はメリットが大きいと言えます。
成功報酬型
次に成功報酬型です。弁護士事務所によくある料金システムで、まず着手金を支払い調査の成果が出たら成功報酬として追加料金を支払います。初期費用を安く抑えられるので、今まとまったお金がないけれど調査依頼したいという方や、もし成果が出なかったら無駄に料金を支払いたくないという方におすすめできるでしょう。
しかし、成功報酬型は同時に気を付けたい点もあります。それは「何をもってして成功と呼ぶのか」という点。興信所側が成功だと思っても依頼人としては的外れの成果だった、というケースからトラブルが起こりやすいため、あらかじめ「どのラインが成功と呼べるのか」を双方で共有しておかなくてはなりません。
料金が高くなる調査とは
以上の料金プランを考慮して、料金が高くなるケースを考えてみましょう。単純に調査が長引けば、全体的に調査料金は高くなります。調査員人数がたくさん必要で、かつ調べることが多いものだと、やはり料金はかさむでしょう。まとめると、
・調査期間が長いもの
・難しい調査
これらは料金が高くなりがちです。さらに料金体系の特徴も考えておきたいもの。例えば1日数時間調べたら成果が見込めそうな調査なのに、「5日まとめて調査できるパック型」を選ぶと高くつきます。このように目的と調査内容に合わせて料金体系を選ぶようにしましょう。
料金を抑えるためには?
料金を抑えるための確実な方法はありませんが、「無駄な調査時間を作らない」ことを意識すると料金はその分かかりません。例えば浮気調査だと「この日は浮気相手と配偶者は出かける予定」と事前情報があれば成果が見込めるうえ、浮気していない日を無駄に調査することもありません。
このように料金と調査の情報は深く関係があるので、依頼前に自分の持っている情報を整理して興信所に報告しましょう。契約前に相談できる時間があるため、調査相談の機会を有効活用して興信所にアドバイスしてもらうのもおすすめです。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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