興信所とは？探偵との違いや依頼できる調査・興信所の選び方
みなさんは「探偵」という言葉をよく耳にするかもしれません。探偵は調査を行い、身近なトラブルや人間関係の困ったことを解消するために役立ちます。ドラマや小説でも探偵が活躍するストーリーはたくさんあるため、「どんな会社なのか」はピンとくる方も多いでしょう。
では、「興信所」だとどうでしょうか。「企業が依頼する探偵のこと？」「調査料金が高そう」などさまざまなイメージがあるかもしれませんが、実態は分からないという声も多いです。今回は今さら聞けない興信所とは何か、探偵との違いや興信所に依頼できること、興信所の選び方を詳しく解説します。
興信所とはどんなところ？探偵の違いとは
探偵と言えば「調査をお願いできるところ」などイメージが湧くかもしれませんが、興信所は果たしてどんなところなのか、ピンとこない方も多いですよね。実は探偵と興信所は名前が違うだけで、その内容や行うことは同じです。少なくとも現在では両者は同じ存在として扱われ、どちらも同じ「探偵業法」の範囲で営業・調査が認められています。
もし興信所と探偵でどちらに依頼するか迷っても、名前で選ばなくてもOKです。探偵・興信所双方とも一般・企業向けに調査サービスを提供しています。
ではなぜ探偵と興信所に名前が分かれているのかというと、過去に興信所と探偵は別の業務を行う調査機関だったからです。調査はさまざまな目的で利用されますが、興信所は主に企業や個人の「信用」について調査し、探偵は人探しや素性調査などさまざまな調査を行ってきました。また、興信所という言葉ができたのも明治のころ。「興信」には信用を探るという意味も含まれているため、元をたどれば信用調査のエキスパートは興信所だったと考えられるでしょう。
ただし、繰り返しますが現在は探偵と興信所に違いはありません。興信所が信用調査以外の不倫調査や人探しを行うこともありますし、反対に探偵が企業や個人に向けた信用調査をすることもあります。興信所・探偵の規模感も会社によって異なり、目的に合わせて「興信所か、探偵か」にかかわらず選べます。
興信所に依頼できる調査とは？
興信所に依頼できる調査を見てみましょう。個人では何ともできないトラブルや問題を、調査によって解決する手伝いをしてくれます。
浮気・不倫調査
興信所や探偵に寄せられる依頼の中でも多くを占めるのが浮気・不倫調査です。配偶者の浮気は夫・妻という社会的立場を脅かす不法行為。これが発覚すると慰謝料請求の対象になったり離婚を要求できたりします。また、浮気が分かっても夫婦関係を継続させたい場合は、浮気誓約書などを作成して問題を解決しなくてはなりません。
この時に利用できるのが浮気・不倫調査。依頼すると浮気相手の情報や浮気の現場、浮気の確実な証拠を揃えてくれます。調査内容は細かく記録されて調査報告書にまとめられ、この報告書は示談や調停だけでなく裁判にも有効です。
浮気や不倫の問題が長引いたときに、どう決着を付ければよいのか分からない場合に利用すると役に立ちます。
素性調査
素性調査とは、調査対象者の素性を明らかにするものです。正しく言うと浮気調査も「配偶者と浮気相手の素性を明らかにする」ものなので、素性調査の一種と言えるでしょう。
浮気だけでなくその他の問題も素性調査では解決できます。例えば「関係者や親族が突然いなくなり音信不通になった。何をしているのか知りたい」「遠く離れて暮らす子供の生活が心配。調べて欲しい」といった要望にも答えられるでしょう。
最近では夫婦間のDVやモラハラなども社会的問題として挙げられます。家庭内に興信所の調査員が侵入して調べることはできませんが、夫・妻の素行を調査し周囲に聞き込みを行ったり、身近にいる家族でもできる記録の残し方をアドバイスしたりと、素性調査によって問題解決の糸口を作ることはできます。
結婚調査
結婚調査も素性調査の一種。こちらは入籍を予定している婚約者を、「果たして結婚しても良いのかどうか」を見極めるために利用されます。結婚相手とは長く交際し、人柄や家柄も見極められているのでは？と思う方も多いです。また、婚前調査は富裕層だけが利用するものというイメージが強い方もいるでしょう。しかし、最近の結婚の形は従来とは変わってきており、「オンラインゲームで知り合って結婚することになった」「婚約者が配信者という変わった職業についており、いまいち信用できない」と現在ならではの悩みも聞かれます。
本人に直接聞けば済む話かもしれませんが、婚約者だからこそ本題に切り出せないのも問題です。その際に、相手に分からないように興信所が変わって結婚相手の素性を調査します。
結婚は当人だけが行うものではなく、将来的に家族と家族が結びつく重要なイベントです。結婚する時は一瞬で終わりますが、もし相手に許しがたい事情が分かったとしても、離婚は夫婦両者の合意なく成立しません。大きなトラブルになる前に調査を利用し、未然に問題を回避できます。
ストーカー・嫌がらせ調査
なぜ起きたのか分からないストーカーや嫌がらせ。「放っておけばいつかは終わる」と思う方もいますが、放置すると行為が過激になったり、家族や親しい友人にも影響が出たりするなど、大きなトラブルを引き起こすのもストーカー・嫌がらせの特徴です。
興信所ではストーカーや嫌がらせの実態を調べ、タイミングが合えば実行された現場を映像や写真で残し、誰が加害しているのかを特定します。尾行や張り込み・聞き込みによって、個人では調べられなかったり犯人の逆上を恐れて行動できなかったりする場合に有効です。
後で詳しく説明しますが、ストーカー・嫌がらせ調査は「犯人を取り押さえて注意する」のは興信所ではできません。あくまで警察に届け出る際の「犯人の証拠」「事実の証明」として調査は利用できます。
人探し調査
人探し調査は家出して音信不通になった家族や親族、姿を消した関係者を手掛かりをたよりに所在を突き止める調査です。例えば金銭トラブルを起こしたまま連絡を絶たれた方を探したり、本人の意思によって家を出た家族の無事を確かめたりといった場合に利用されます。
信用調査
最後は興信所の由来にもあった、信用調査です。大きな取引や商談では、相手の企業力や信用できるかどうかの見極めがとても重要。その信用を調べるのに、通常業務をこなしながら平行していくのは難しいものです。こうした問題をかかえる企業が利用するほか、昇格や昇給など重要な決定をする前に該当する従業員は信用できるかどうかの調査としても利用されます。
そのほかトラブルを解消する調査など
その他にもトラブルを解消するための調査を用意している興信所もあります。各種鑑定や行方不明になったペットの捜索など、その調査はさまざまな場面で利用でき多岐にわたります。
各興信所によって調査できる項目、得意とする調査は異なるため、事前に興信所の口コミや利用者の声を調べておくのも大切です。最終的には「あなたが依頼するところを決める」ため、他人ではなく自分の意思を大切にするべきですが、目的とする調査を目当ての興信所が行っているかどうかはまずチェックしてみてください。
興信所ができないこととは？
たくさんの調査を行う興信所ですが、この調査の手段と何を調べるのかは、興信所それぞれの采配ではなく法律で定められています。つまり、法律の範囲内でしか調査はできず、それ以外の調査を「うちでは可能です」と売りにしている興信所は法律を守っていないということ。ここからは興信所が「できない」ことを、興信所が守るべき探偵業法と併せてご紹介します。
差別や犯罪にかかわる調査
まずは差別・犯罪にかかわる調査です。これは探偵業法の中で決められており、犯罪に加担するものや差別を増長させる目的での調査は禁じられています。
例えば結婚調査をする場合、相手の出生地や国籍などは調べられません。「○○国籍だから結婚をとりやめる」「○○の出身者とは結婚してはいけない」といった本人ではどうしようもできない差別につながるからです。
また、素性調査や人探し調査でも細心の注意が払われます。しばしば興信所・探偵の調査には「ストーカーになるのでは？」と意見が見られることがあります。例えばDVなど加害から逃れるために姿を消した妻・夫を探して、その配偶者が興信所に「夫・妻の所在地が知りたい」と依頼するかもしれません。興信所は依頼人の声にこたえただけですが、間接的に犯罪に加担する調査になる可能性もあるのです。これは探偵業法に違反する行為なので、興信所・探偵は調査できません。
そのため、「何のために調査対象者を調べるのか」は興信所側では事前にしっかりリサーチします。受け答えに違和感があったり態度がおかしかったり、目的をあやふやにされた状態では調査依頼も断られる可能性があるため、目的は最初からはっきりさせておきましょう。
ストーカー犯など犯人を確保すること
次にストーカー調査などで、加害している人が分かっても興信所は確保・指導はできません。「現場を押さえているのだから、注意ぐらいしてくれても良いのに」と思う方もいるかもしれませんが、興信所には犯人を逮捕する権限がないのです。もちろん依頼人や他の方に危害が出る危険な状況であれば対応しますが、そうでもないのに調査対象者に接触することはまずありません。
あくまで興信所ができるのは「調査」です。浮気現場を押さえたからといって弁護士を紹介してくれるわけでもありませんし、その現場に乗り込んで浮気を止めさせることもしません。ただし、調査によって事実を明らかにすることで、問題を解決するお手伝いをしてくれます。
興信所はどう選ぶ？おすすめの選び方
興信所に調査を依頼しようと思い、調べてみると該当する会社がたくさん見つかった。「どうやって選べばいいの？」と迷う方は、実は多いです。一度検索してみると分かるのですが、地域やエリアによって数は違うものの、何社かの中から1社を選ばなくてはなりません。
興信所を頻繁に利用する方も少ないため、選び方には悩むもの。そこで、ここからは興信所・探偵の目線でおすすめの選び方をご紹介します。
調査料金のプランで選ぶ
興信所の調査には、決して安くない料金がかかります。「安ければ安いほどいい」「高いところは信用できる」というわけではなく、自分の予算に収まるところ＋調査内容に合ったプランがあるところを選びましょう。
興信所の料金価格や料金プランは、各興信所によって決められます。極端に言えば、A社とB社で比較すると同じ調査を依頼するのに数十万も違う可能性もあるのです。調査料金には主に
・時給型プラン
・パック型プラン
・成功報酬型プラン
と3種類があるので、このうち依頼したい調査内容に合わせて無駄が出ないようにプランを選びましょう。
興信所の相談員・調査員との相性で選ぶ
口コミや料金も興信所選びの決め手ですが、興信所の調査では何度か相談員・調査員と顔を合わせて打ち合わせすることになり、さらに料金の内訳や調査の細かい部分など気になるところを質問する機会は多いです。その時、相性の悪い相談員・調査員であれば都度打ち合わせがストレスになることは想像に難くありません。
興信所の調査依頼が満足できるかどうかは、その興信所との相性によっても左右されます。そして相性は人それぞれ異なるため、口コミや知人の紹介で評判だったからといって必ずしも「自分と合う」とは限りません。ほとんどの興信所では無料の相談が用意されているので、気になる興信所があればまずは面談をして感じが良いかどうかを確かめることをおすすめします。
目的の調査に強いところを選ぶ
興信所自体の調査経験は、依頼した調査の成果に大きく影響が出ます。例えば結婚調査したことのない興信所に該当の調査を依頼すると、「この程度調べるのが普通」と大した調査がされないかもしれません。調査の質にもかかわってくるので、浮気調査を興信所に依頼する時は、その興信所の経験が豊富かどうかをしっかり見極めるようにしましょう。
また、目的の調査対象エリアの土地勘も重要です。遠方の調査を依頼したいときは、その土地に根差す興信所や近くにある興信所、支店を持つ大手興信所にお願いするのがおすすめです。自分に合った興信所を探し、冷静に判断して選ぶようにしてください。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
最新の投稿
浮気調査11月 6, 2024浮気を隠すために使われる言い訳10選
素行調査11月 6, 2024探偵による素行調査の方法とは？
採用調査11月 5, 2024採用前のバックグラウンドチェックとは？その目的や確認できる内容を簡単に解説
採用調査10月 22, 2024採用調査は本当に必要？企業の損失を防ぐための適切な活用法
