離婚裁判って長引くの?平均期間や早期解決する方法とは
みなさんは離婚裁判をご存じですか?夫婦間の離婚は簡単には成立せず、双方の合意が必ず必要です。しかし、二人の主張がかみ合わなかったりどうしても請求された項目に納得いかなかったりすれば、話し合いは長引きさまざまな手段で解決されます。
このうちの一つが離婚裁判であり、離婚裁判は最終手段です。「裁判というと長引く印象がある」「お金がかかりそう…」と思われる方も多いかもしれませんね。そこで今回は離婚裁判の期間についてご紹介します。あわせて平均期間や早期解決する方法もまとめたので、今離婚問題で悩んでいる方や、離婚裁判も視野に入れている方はチェックしてください。
離婚裁判とは?
そもそも離婚裁判とはどのようなものを指すのでしょうか。離婚裁判について、基本的なところをチェックしていきます。
離婚調停後に起こせる裁判のこと
離婚裁判とは、離婚調停のあとに起こす裁判のことです。離婚を成立させるには現状3ステップが用意されており、
①離婚協議:話し合いのこと、家庭内で問題解決する場合
②離婚調停:調停員を交えて、夫婦別々に主張を聞き取りまとめるもの
③離婚裁判:調停が不成立に終わった場合、最終手段として裁判官が判決を下すもの
このうちの3番目が離婚裁判です。
離婚裁判は必ず調停のあとに行う必要があるため、いきなり離婚協議もなく裁判にかけられることはありません。よく浮気などが発覚した場合「訴えてやる!」と裁判を示唆する言葉がありますが、詳しく言うと話し合いの末調停を起こし、それでもらちが明かない場合に裁判というステップを踏みます。
離婚協議はこの中で唯一裁判所など機関を含めずできるもので、簡単に言うと夫婦だけの話し合いです。ほとんどの離婚した夫婦は協議離婚しており、弁護士など専門家を雇う必要がないため経済的にも優しい解決方法と言えるでしょう。
離婚裁判は頻繁に起こるの?
離婚裁判に対して
・長引きそう
・お金がかかりそう
・ことが大きくなりそう
というマイナスなイメージを持つ方も少なくありません。また、このイメージはまさにその通りで、離婚裁判は長期化する場合は期間も長くなりますし、その間弁護士など専門家を雇っていれば費用もかかります。
ただし、離婚裁判は頻繁に起こるものではありません。人口動態調査によると、離婚総数
21万2262件中離婚裁判での判決は2204件と全体の約1%程度、離婚調停にかかった夫婦も全体の約10%となっています。滅多に起こらないケースではありますが、離婚を考えたときに相手が必ずしも条件を飲んでくれるとは限りませんし、場合によっては調停・裁判と進展するかもしれません。念のために離婚裁判とは何か、どのくらいの期間が必要なのかを知っておくのはおすすめです。
離婚裁判のメリット・デメリット
数少ない離婚裁判だからこそ、その実態やメリット・デメリットは知られていません。まずメリットを考えてみると、「裁判」という強い法的効力が得られる点が挙げられます。もし調停離婚まで進んだとしても、調停では不服を申し立てれば離婚は成立しません。しかし、裁判であれば離婚が妥当と確定すれば、相手がどんなに意義を申し立てても離婚は成立します。同時に財産分与や養育費・慰謝料などの請求する項目に対しても、未払いが発生すると強制執行という手段を取れるようになります。
デメリットは決定までに時間がかかることです。後ほどご紹介しますが、裁判の内容や訴訟する項目によっては短期間で裁判が終了するケースもあります。しかし、ほとんどの場合は1年以上の期間が必要で、その間
・離婚を前提としている夫、妻と共同生活しなくてはならない
・弁護費用を捻出しながら生活しないといけない
・精神的に休まることが少ない
といった負担がかかるのは実情です。再婚を考えているお相手がいる場合でも、離婚裁判中は例え夫婦別居していても「離婚していない」状態なので入籍は当然できません。
裁判は出廷することで仕事に影響が出そう、という意見もよく聞かれます。弁護士を代理人とすれば自分が裁判に出ることはありませんし、相手と顔を合わせないようにするのも可能です。しかし、ここまで長期間戦い続けたとしても、自分の納得のいく結果になるかどうかは分かりません。また、離婚裁判が強い法的効力を持っているからこそ、自分にとって不服な判決でもそのあとの手段が残されていないのも、デメリットの一つと言えそうです。
離婚裁判の平均的な期間とは
(引用元:離婚裁判の平均期間は半年から2年以内!長期化してしまうケースとは 離婚弁護士ナビhttps://ricon-pro.com/columns/26/)
では実際には離婚裁判はどのくらい期間がかかるのでしょうか。令和元年の司法統計を見てみましょう。上記の円グラフを見ると分かるように、およそ半分が1年という期間裁判を行っています。中には2年・2年を超える長期的な裁判もあり、ケースバイケースだということが分かるでしょう。
審理回数の割合を見てみると
0回…1%
1~5回…58%
6~10回…35%
11~15回…5%
16~20回…1%
21回以上…0%
となっています。裁判離婚は訴状を出してからおよそ1か月後に第1回目の口頭弁論
行われます。訴状を出してすぐ裁判となるわけではなく、その期間も含まれることを頭に入れておきましょう。その後、特別な事情がない限り訴訟の審理は月1回ほどのペースで行われます。大体の裁判が1~10回の審理で行われているため、終了までの期間は半年~2年程度かかる計算になります。
離婚裁判期間が長期化する場合とは
離婚裁判の期間を見てみると、半数が1年で終了しているのに対し、少なからず1年以内で終了している裁判も約3割あります。裁判中は精神的にも負担が大きいため「できるなら早く終わらせたい」と思う方は多いはずです。
離婚裁判の期間が長期化する場合を見ていきましょう。
新型コロナウイルスなど情勢の影響が起きた場合
最近では感染症拡大の影響もあり、裁判自体が延期されることもあります。その他、震災や災害などが起こると裁判が開かれないケースも十分に考えられます。裁判の日程にまで影響が及ぶのはそう頻繁に起こることではありませんが、情勢によって裁判が長引く可能性も頭に入れておかなくてはなりません。訴訟するタイミングは見極めたいものです。
離婚の事情が複雑であり、準備がかかるケース
どの夫婦にも一つとして同じ離婚のパターンは存在せず、二つの主張には複雑な事情があります。例えばどちらか一方が浮気の動かぬ証拠を持っており、しかし不倫を否定しているという「明らかにどちらが正しいのか分かるケース」なら裁判もスムーズに進みます。一方で浮気の証拠がそこまで揃っておらず、さらに不倫を否定し夫婦仲は良好だったという主張があれば「どちらが正しいのか検討する期間」が必要です。このように事情が複雑であり証拠を揃えるのに準備が必要なら、長期化も視野にいれておきましょう。また、夫婦の主張が妻側は「離婚したい」のに対し夫側は「絶対に離婚を拒否する」と真っ向から対立していると、控訴・上告も十分考えられるため最低でも3年はかかります。
請求するものが多いケース
離婚するかしないかだけを争う裁判と、
・慰謝料
・親権
・財産分与
・養育費
などさまざまな請求をまとめて裁判にかけている場合とでは、かかる期間に違いが出ます。訴訟する項目一つずつに主張とその正当性を見極めなくてはならないため、「決めることが多い裁判」は基本的に長引くと考えておきましょう。
決定的な証拠がない場合
裁判では第三者である裁判官が見極めるため、その第三者も納得できるような証拠が必要です。言い逃れできない証拠であれば裁判官も認めやすいのですが、相手の主張によって覆される証拠であれば、再度審理となり長期化しやすいでしょう。
ここでは離婚裁判で争われやすい主張を裏付ける証拠の一例をご紹介します。
不倫や浮気を認められやすい証拠とは
・ラブホテルに浮気相手と出入りしている写真、映像
・肉体関係があったと思われるようなメール、メッセージのやり取り
・浮気相手と配偶者が浮気の事実を認めた念書、誓約書など
DVやモラハラの認められやすい証拠とは
・身体的暴力や精神的な苦痛に対する病院の診断書
・外傷や自宅内で行われた過度ないやがらせの様子を撮影した写真
・暴力を受けた日時、場所、状況のメモや日記
・相手からの加害によって通院する際にかかった費用の一覧など
離婚裁判の期間、早期解決する方法とは?
離婚裁判の期間は、費用がかかることや心苦しさから早く済ませたいものです。最後に裁判を素早く解決する方法をチェックしていきましょう。
離婚裁判に持ち込まない、離婚協議・調停での解決を目指す
一度裁判が起こると、1年程度の期間が必要であることをご紹介しました。この期間が「意外と長い」と感じる方も多いかもしれません。しかし、離婚協議で長引いている方にとっては1年で解決できるのなら裁判を起こしたいと感じるかもしれませんね。
離婚裁判の期間を短くするには、裁判自体を起こさなければよいのです。それまでの協議離婚や調停離婚での解決を目指し、長期化させないのがポイントです。特に話し合いでは、裁判と異なり弁護士など専門家を雇う必要がありません。また、裁判によって慰謝料額などが決定されると、確かに「慰謝料が支払われる」「未払いの場合は強制執行も可能」というメリットはありますが決まった額以上は請求できません。話し合いの場合ではこの限りではなく、極端に言うと双方の合意さえ取れれば何千万という慰謝料でも構わないのです。
このように離婚協議にはさまざまな可能性があり、かつ負担も少ない方法。できる限り話し合いの段階で離婚話をまとめておくと、その後夫婦の再スタートが切りやすいというメリットもあります。
和解案を申し入れる
離婚裁判が長引くと、裁判官から和解案を提示されることがあります。和解の提案内容に対して納得でき、かつ早期に離婚裁判を終了させたいのなら和解も検討すると良いでしょう。
和解案を受け入れると、早いもので1か月でも裁判を終了できます。その分心労も弁護士費用も節約できるため、最後まで戦うよりメリットが大きい場合も十分にあるでしょう。和解は早期解決するための一つの手段なので、一度話し合いの場を設けてみるのもおすすめです。また、自分だけでは和解案にどんなメリット・デメリットがあるのか判断つかない場合は、弁護士などに相談すると回答が得られる場合があります。
和解は離婚裁判のどの段階でも踏み切ることができ、離婚裁判の途中でも判決が出る前でも和解は可能です。
主張を裏付ける決定的な証拠を用意する
次に、主張を裏付ける決定的な証拠を用意することです。極論を言えば、夫婦が離婚するかどうか、過失があったかそうでないかで争っているので証拠さえあれば裁判を起こさずとも話し合いはまとまる可能性は高いでしょう。
例えば浮気を認めず離婚に応じてくれない、慰謝料の支払いも拒んでいる場合は浮気の証拠を用意します。先ほども紹介したようにLINEのやり取り程度のものではなく、ラブホテルに出入りする写真のような確定的なものだとベストです。他にも夫婦の仲が破綻している証拠や、生活費をもらえないなど悪意の遺棄があった証拠も揃えておくと、いざ裁判が始まった時でもこちらの主張は聞き入れてもらいやすいです。
弁護士や探偵など専門家の力を頼る
最後に弁護士・探偵など専門家の力を頼ることです。離婚裁判となった時に、夫婦どちらも自己弁護で争うことはできます。しかし、裁判になると法律のさまざまな専門知識が必要となったり弁護するポイントや証拠の提示の仕方だったりなど、経験が非常に重要です。ほとんどの方は弁護士を付けて裁判を起こすので、相手の主張を覆すためにも専門家の力に頼ることを検討しましょう。
先ほど、証拠があれば早期解決は可能とお伝えしました。これらの証拠が一人で揃えられない場合は、探偵や興信所の調査を役立てることもできます。特に浮気調査は浮気の証拠だけでなく浮気相手や浮気の回数も調査によって分かることもあるため、裁判を短期間で終了させるだけでなく、相手に正しい慰謝料額を請求することもできます。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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