探偵になるには資格が必要?意外と知られていない「探偵業」とは

不倫調査や人探し調査を依頼できる探偵や興信所。みなさんは「探偵のことは知っているけれど、実際に利用したことはない」という方がほとんどでしょう。さらに「よく知らないからなんだか怪しさを感じる…」と思うこともあるのではないでしょうか。
探偵や興信所は不法なものではなく、社会的に認められた調査機関です。今回はあまり知られていない探偵業について、探偵になるのは資格が必要なのかなどの疑問を解説します。
探偵に依頼する前に…「探偵業法」を知っておこう

探偵・興信所に依頼する前に知っておきたいのが「探偵業法」です。探偵業法とは正しくは「探偵業の業務の適正化に関する法律」で分かりやすく言うと
・探偵を営業するにあたっての決まり
・探偵にはどんな人がなれるのか
・探偵はどのような調査を行ってもよいのか
が記されています。
まずは探偵業法を知っておくと、探偵にいざ依頼するときに選ぶ基準となったり自分の中の不信感がぬぐえたりできるでしょう。
事務所を構えたからといってすぐ「探偵」になれるわけではない
探偵業法で定められていることのひとつに、「探偵業の届出」があります。後ほど説明しますが、探偵には国家資格などがありません。極端に言えば「誰でも探偵と名乗れば探偵になれる」のです。しかし、探偵を実際に運営するには公安委員会(警察)に届け出するのが絶対条件となります。
事務所を契約し探偵業をしたいので、突然営業を始める…。これは不可能なので、探偵事務所の営業を開始するのはややハードルが高いと言えるでしょう。
違法な探偵事務所に注意
では、届出を行わずに探偵を営むとどうなるのでしょうか。もちろん探偵業法上の不法行為なので、行政罰・刑事罰に問われます。探偵業法の目的のひとつに、悪徳業者の排除があるため違反・注意されると警察署に事業所名が掲載されることも決められているのです。
ほとんどの探偵では届出が済まされており、届出を証明する「探偵業届出証明書番号」や証明書そのものが事務所やホームページに記載されています。まずは届出されているところかどうかを調べ、その上で依頼したい調査会社を選ぶようにしましょう。
また、先ほど警察署のホームページに注意勧告された業者は記載されるとお伝えしましたが、過去に注意を受けていないかどうか管轄警察署ホームページをあらかじめチェックしておくのもおすすめです。
探偵になるには?誰でもなれるわけではないので注意!

探偵を開業するには厳しく条件が課せられていますが、では探偵そのものになるのは簡単なのでしょうか。結論からいうと探偵は「探偵事務所に採用された従業員」であればなることが可能です。
しかし、ここにも条件や必須スキルが多数あるため注意しておきましょう。
探偵になれない人とは
探偵になるには資格はいりません。しかし、探偵になれない人もいます。
・精神的な障害がある人
・懲役、禁固刑を受けた人(前科のある人)
・暴力団員やその関係者
・未成年
一般的な企業の採用基準とも言えますが、これらの「なれない条件」は探偵業法によって定められています。よって、探偵はすべて以上の条件にひとつも当てはまらない人だと言えるでしょう。
探偵には「資格」は必要ないがスキルが重要に
繰り返しになりますが、探偵になるには資格は必要ありません。しかし、探偵はその業種の特徴から深い専門知識と行動力、調査の技術が重要となります。
探偵の仕事をするにあたって、基本的にリサーチしターゲットを絞ります。リサーチ力やSNSの知識、パソコンスキルは必須となるでしょう。また長時間にわたる尾行では体力や集中力が問われ、自動車を運転する場合には普通自動車免許はもちろんドライビングスキルも大切です。
このように一般の方が突然探偵として活躍するのは難しいため、多くの方は探偵事務所の研修を受けるか、調査員養成学校や通信スクールなどを受講して知識・技術を取得します。やっと就職先である探偵事務所が決まったとしても、そこから事務所独自の研修をこなす必要も出てくるでしょう。
探偵の仕事内容とは

探偵ではどのような仕事をこなす必要があるのでしょうか。探偵の仕事内容を見ていきましょう。
張り込み・聞き込み・尾行
基本的には探偵の調査方法は
・張り込み
・聞き込み
・尾行
の3種類に分けられます。このほかにもネットリサーチや盗聴器発見など業務内容はたきにわたりますが、調査方法も探偵業法で「できること」「できる範囲」が定められています。
単純な調査方法ではありますが、単純だからこそ技術と経験が必要で、実際に調査を依頼するときには探偵事務所または調査員のスキルをしっかり調べることをおすすめします。
調査報告書作成や画像編集も
調査するだけが探偵の仕事ではありません。調査する前に調査対象者(ターゲット)が分かればよいのですが、例えば人探し調査では「調査対象者がどこにいるのか」をリサーチしなくてはなりません。調べる能力や知識も必要ですよね。
調査が完了すれば、調べた日にちや内容を事細かにまとめて報告書に仕上げます。調査報告書のひな型は統一されておらず事務所独自のものを使用しますが、PCスキルや機材の使用方法も頭に入れておかなければならないでしょう。
また、最近では画像編集・動画編集のスキルを求められるシーンも増えていますが、探偵も例にもれず編集作業を行います。撮影した写真の明度を上げたり、動画や録音で収録した音声を文字に起こしたりと、意外と事務員相当の作業をこなさなければなりません。
以上のように探偵には「資格はいらないが、知識・技術が必要」であることが分かります。また、依頼する側も探偵になるにはどんなスキルが求められているのかを知ることで、依頼の際に「この探偵は信頼できるかどうか」が判断できるでしょう。
まとめ
意外と知られていない探偵になるための条件や、開業するためのハードル。探偵は「なんとなく怪しい」と思っていた方も、法律によってさまざまな規定がされているのを知ると安心できるのではないでしょうか。
いざ依頼するときに「探偵になるには必要なスキル」を知っておくと、探偵に対する不安も取り除けるうえ選ぶときの基準にもなります。ぜひ安心して満足のいく調査ができるよう、知っておいてくださいね。