探偵調査でいじめ問題を解決するには?気を付けたい点もご紹介
子育てをする中や仕事をする上で起こる「いじめ」。社会問題としても取り上げられる対人関係のトラブルですが、このいじめに遭遇すると「学校に訴えても何も対策をしてくれない」「いじめが起こっている事実を認めてくれない、隠されてしまう」という事態が起こるケースがあります。我が子がトラブルに巻き込まれると、どうにか解決したいと考える親がほとんどでしょう。
探偵ではさまざまな調査が依頼できますが、いじめの証拠を掴むための調査は可能なのでしょうか。今回はいじめの問題を解決するために探偵調査を依頼するケースや、気を付けたい点も解説します。
いじめは探偵で調査できる?できない?
まず、いじめは探偵で調査できるのかどうかを考えていきましょう。
子供に対する素行調査で可能。いじめ専門の調査を用意するところも
多くの探偵では対象者の生活や人間関係、周囲からの評判や居住地を調べる「素行調査」を用意しています。探偵の調査内容の中でも、基本的な部分です。この素行調査は家族や身内に対しても行えますが、例えばいじめられている疑いのある子供に対して素行調査を依頼すれば、いじめの有無だけなら分かることがあります。
ただ、いじめの問題は「いじめがあるかどうか」が分かっただけでは解決しないはずです。いじめの内容は本人同士が話し合って分かり合えるものから、肉体的な暴力や金銭の要求といった犯罪に当てはまるものまでさまざま。“いじめ”自体は法律で罪だと定義づけられていない上、いじめの形態はいろいろなケースが存在するため、この問題があやふやになっているとも考えられています。
そこで、探偵や興信所でもいじめを専門的に調べる調査を用意しているところもあります。2018年にはテレビ番組に取り上げられ、いじめ調査が増加していることが報道されました。いじめは探偵調査で証拠を掴むこともできますし、いじめのための調査ができる調査機関も増えています。
どうやっていじめを調査するの?
いじめはどうやって調査されるのでしょうか。いじめ調査は「いじめをなくすために調査する」というイメージがありますが、これは少し違います。調査機関には直接指導・教育することや当人同士に接触する権利はなく、あくまで「調査しかできない」からです。ただ、調査によっていじめの証拠やいじめている人が分かれば、問題を解決するために行動できる範囲が広がるはずです。暴力を受けた、金銭を要求されたというケースでは事件の扱いをすることもありますが、警察に届け出を行うときにもいじめの証拠は役立てられるでしょう。いじめた本人が誰なのか、分かるからです。探偵が行う調査には「浮気調査」もありますが、こちらも浮気をなくすための調査ではありません。こう考えると、ピンとくる方も多いかもしれませんね。
もう一つ前提として覚えておきたいのは、学校や会社で行われるいじめがあったとしても、調査員は学校や企業に立ち入り調査するのは不可能です。こちらも調べることが法的に許されているとしても、公的機関や企業に許可なく入ることは許されていないからです。
では、どうやっていじめの証拠を調べるのでしょうか。次はいじめ調査の方法を見てみましょう。
学校外でのいじめを記録し証拠にする
敷地内に入ることはできませんが、学外であればいじめを調査することはできます。帰宅途中や学校外の商業施設など、こうしたところで行われるいじめを記録して証拠にすることは可能でしょう。
また、いじめの全体像がつかめておらず、そもそも「誰がいじめているのか」を知りたいニーズもあります。学校外で接触することがあればいじめの張本人を突き止め、その人物の名前や住所、所属先を知ることができます。
いじめ調査によってはどうしても学校の中でしかいじめが行われておらず、なかなか証拠が集まらないケースもあるでしょう。その場合はICレコーダーなどを依頼人=いじめられている本人に渡して代わりに証拠を取ってもらうケースもあります。ただ、調査員が行うわけではないため確実な証拠が取れるとは限らず、こうした調査をしない機関もあるため注意です。
SNSやインターネットでのいじめを調査する
いじめが会社や学校の現場だけで行われているとは限りません。特に増えてきているのが、SNSやLINEなどのメッセージアプリを使ったいじめです。いじめの対象者だけLINEグループを退室させられたり、SNSを使って匿名で誹謗中傷を受けたりといった陰湿ないじめ方は「誰にいじめられているのか」も分からずその「いじめの実態」を掴むのも難しいでしょう。
その点、探偵では独自の調査方法でSNSを監視したりネットストーカーの証拠を掴んだりすることが可能です。場合によっては探偵から得られた証拠を基にIP開示などを行い、ネット上でのいじめ問題が解決できることもあるため、ケースによって役立てるとよいでしょう。
「学校」以外でも行われるいじめ
いじめというと「子供たちの間で行われること」「社会に出るといじめ問題は起こらない」とは言われていますが、残念ながら社会人になってもいじめが見られることもあります。世間では「子供のいじめは社会の縮図」とも呼ばれているほどです。
もしかすると、自分には関係のないことだと思っていてもいじめトラブルに巻き込まれるかもしれません。子供だけの問題だと思わず、大人も「自分事」に捉えておきましょう。
会社のパワハラ問題
会社の上司や立場上意見できない相手から、仕事を不当に押し付けられたり暴言を浴びせられたりするといったパワハラ問題。「パワーハラスメント」と名前が付いていますが、端的にいうと子供のいじめと変わりません。
このパワハラ問題も解消しようとすると、パワハラの実態を上司や管理者に伝えることとなります。つまり、「誰がいつパワハラ行為をしたのか」といった証拠が必要になりますよね。これを探偵の調査で掴むこともできるでしょう。
中には自前のICレコーダーや録音機器を使って、パワハラを受けた現場を記録する方もいます。このように自分でも証拠を掴むことはできるといえばできますが、自身がなかったりそもそも心の余裕がなかったりすればプロへの依頼も視野に入れてみましょう。探偵調査は自分にとってリスクが少なく、かつ効率的に証拠を集めることができます。
繰り返しになりますが、学校と同様に企業への立ち入り調査も探偵や興信所などの調査機関には許可されていません。本人が調査機器を使って証拠を残すか、社外で行われるパワハラ・いじめ現場を押さえることで証拠を集めます。
近隣住民とのトラブルも
会社に所属していなくても、近隣住民からいじめともとられる嫌がらせを受けるケースもあります。これは「嫌がらせ調査」として探偵や興信所でも調査項目を用意しているため、悩んだら相談してみるとよいでしょう。
近隣住民とのトラブルは基本的に話し合いで解決しますが、話し合いに応じてくれなかったり嫌がらせがあまりにも陰湿だったりすると、弁護士や警察の介入が不可欠です。とはいえ、いじめの問題と同じように「誰がやったのか」という責任の所在を明らかにしないと警察も弁護士も動くことはできません。
探偵は直接トラブルを解決し、落としどころを用意するわけではありませんが、問題解決の手助けの一つにはなるはずです。調査を自分のために有効活用しましょう。
いじめ調査で考えておきたいこと
いじめを探偵調査によって、解決へと導くことはできます。ただ、「いじめ」の定義が曖昧なように調査をする前に注意しておくこと、考えておく点がいくつかあります。ここではいじめ調査を依頼する際に考慮したいところを解説しましょう。
いじめられている本人が解決を望んでいるかどうか
いじめの程度にも差があり、いじめられている本人は精神的に大きな負担を抱えています。もちろんいじめがすぐになくなって欲しいと望む方が多いとは思いますが、本人が「今はそっとしておいてほしい」「探偵に依頼する必要はない」というのであれば、その意見を聞き入れることをおすすめします。
ただし、いじめは放っておくとターゲットが変わるかもしれませんが、関係が良好になったりいじめそのものがなくなったりするわけではありません。絶対にこうなるとは言えませんが、悪化するケースは多いです。ただ今はよくても本人の気持ちや状況は変わってくるため、子供が悩むようなら都度フォローしておくとよいでしょう。
もっともいじめられている本人を助けるのは「SOSを出したらすぐに誰かが助けてくれる」という事実です。「いじめは気のせいじゃない?」「そんなことは誰にでも起こる」と状況を軽視せず、相談を受けたらしっかりと問題解決について考えていきましょう。
調査後のアフターケア
いじめ調査自体を探偵に依頼はできますが、調査したことが分かったらかえっていじめの状況が悪化してしまったり、報復を受けたりするかもしれないと心配に思う方もいるかもしれません。学校側の対応にも委ねられていますが、確かにそうしたケースがゼロではないのは実情でしょう。
しかし、度がすぎたいじめはいじめられている本人を追い詰め、最悪の場合自ら命を絶つことも考えられます。「何かあってから」では遅いため、調査して得たいじめの証拠をどう使うかはその後考えることとして、今起きているいじめを早めに解決するのがおすすめです。
調査は早めに、かつその後本人のケアや周囲にどう対応するかも考えておくべきでしょう。調査機関によっては、カウンセラーと連携していじめの問題を解決できるようセッティングしていることもあります。
介入すべき「いじめ」なのかどうか
こちらも本人がいじめの依頼を希望しているかどうかを確認することと似ていますが、本当に度が過ぎたいじめであり、探偵の調査=いじめの証拠で事態が進展することなのかどうかを一度冷静に考える必要があります。
軽い喧嘩だったり、当人同士が話し合うことで解決したりするなら探偵の調査は必要ありません。とはいえ、いじめの実態があることを知っておくのは大切なので見極めはとても難しいです。
いじめを子供が報告してきたり、いじめられている形跡があったりすればまずは家族で話し合いましょう。探偵に依頼して証拠を集めるのもいじめ対策のひとつではありますが、調査には料金も時間も必要です。せっかく依頼したのに証拠を役立てるシーンがなかったことにならないよう、できる限り「なぜ依頼するのか」は子供と親、家族で意見を共有しておきましょう。
調査後、どのように行動するのか
調査後、証拠をもとにどのような行動をするのかを依頼する前に固めておきましょう。暴力を受けていてこの事実を学校に知って欲しいのか、子供の両親に慰謝料を請求したいのか、解決のためにはさまざまな手段が考えられます。最終目的をどこに置くかによって、探偵に相談する内容や調査する方法も変わってくるでしょう。いじめの証拠といってもさまざまな要素があるため、「なぜ調査するのか」をはっきりしておくことで探偵側も動きやすくなります。
また、調査が完了し証拠を手に入れたからといっていじめがなくなるかというと、これも残念なことに確定はしていません。調査後も双方の動向を観察し、しかるべき対応をするまで子供をケアし守りましょう。
まとめ
本人にとって辛い事実であり、終わりの見えないいじめ。いじめは「本人同士で解決するべき」と考える大人も多いのですが、度が過ぎたいじめや暴力や金銭トラブルが絡んだものだと、周囲の人間、特に親や教師など指導すべき立場の方が介入しなければ問題は解決されません。未成年同士の問題と捉えず、場合によっては警察や弁護士を介する必要も出てくるでしょう。しかし、現状として「いじめ」そのものの定義はあいまいで、いじめの現場では「いつかは収まる」と泣き寝入りすることがほとんどです。
探偵を利用すれば、そのいじめの実態を証明できる証拠が揃えられます。ただ、証拠を揃えただけではいじめは解決しないため、その後どうやって活用するかが問題の肝です。
いじめ問題に悩んだら、まずは探偵や興信所の調査機関にも相談できることを知っておきましょう。必要があれば調査を依頼することを検討してもよいかもしれません。
投稿者プロフィール
- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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